思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

万葉文化館 美術館交流展-現代日本画の革新者たち- 傑作揃いでした!

2013年08月26日 | 美術館を訪ねて

近畿地方に大雨の警報や注意報が出されていた8月25日ですが、我が家の周辺はそれほどでもなく、なんとかヨメさんも車に乗れそうだったので出かけることにしました。
行先は奈良県立万葉文化館。ヨメさんがホームページを見て、「展示が変わっているよ」と言うので確認したら、なるほど<ふるさと知事ネットワーク美術館交流展>現代日本画の革新者たち-福井県立美術館コレクションによる-という長ったらしい展覧会名が出ていました。

「ふるさと知事ネットワーク」は正式には「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」というそうで、青森・山形・石川・福井・山梨・長野・三重・奈良・鳥取・島根・高知・熊本・宮崎の13県の知事で構成する組織とのこと。
その活動の一環として、県立美術館同士の相互交流事業が始まり、今回の展覧会もそれによって実現したそうです。それぞれの県が所蔵する美術品を広く県外にも公開していくのはいいことだと思いますね。

今回展示されていたのは、福井県立美術館の所蔵する池田遥邨横山操加山又造広田多津三上誠小松均西山英雄川端龍子竹内浩一中島千波入江酉一郎米谷清和牧進などの作品50点。それに万葉文化館が所蔵する同展展示作家の作品7点も協賛展示。

出発したのは9時過ぎ。雨が心配でしたがそれほどでもなく、途中給油したりしながら明日香へ。
万葉文化館に近づくころに雨脚が激しくなってきましたが、駐車場でしばらく待機したら小雨になったので、急いで入館しました。

駐車場はガラガラ、私たちが本日最初の入館者になりました。

ホームページを見ただけでもヨサゲな感じでしたが、実際期待以上の作品ばかり。

入り口の池田遥邨の「」や西山英雄の「あける桜島」を見ただけでワクワク感が高まりました。
続く広田多津の「裸婦」など、いずれも伝統的な日本画とはかけはなれた、西洋絵画との近似性のある題材とか描写方法の作品が続きます。
広田多津の「裸婦」↓


加山又造の「人と駱駝」です。↓


展示作品ではまず三上誠の一連の作品が目を引きました。
初期の「作品」(←題名です)と「雪の日の丘」の2作品は、中東あたりを思わせる人物を描いた具象的な作品(でも「作品」が1944年、「雪の日の丘」も1947年と、戦中・戦後すぐに描かれているのにびっくり)ですが、1950年には「F市曼荼羅」で大転換。このF市は画家が幼少期を過ごした福井市でしょうか。敗戦を契機に画風が変わったのか、ダリを思わせるシュールな作品です。
F市曼荼羅」↓


その後の作品は、抽象化された幾何学的な絵になっていきます。「胸の花」から「触手の大気」、「輪廻の記号A」から「灸点万華鏡」シリーズまで11点の作品は西洋絵画の手法で抽象的な新しい世界を描こうとしていて作品ごとの変化が面白いですね。

横山操の「」と「」は会場を圧する大作。黒々と骨太な描き方ですごい迫力でした。でも「金門橋」は一転して明るく明快な構図。この違いにも興味がわきました。

連作では高畑郁子の作品が印象に残りました。「む)」は装飾画的な美しい作品ですが、そこから「クシャトリアの女」で古代インドのバラモン教社会となり、さらに「ラダック」から仏教を主題とした絵になっていきます。
そして「聖祉青願」で仏画の曼荼羅図を思わせる主題になって、展示の最後の「合掌界」では日本の仏教絵画のような絵になっていました。
この画家は緻密で正確な描写がすごいです。この画家の夫・星野真吾の作品「MIKAMI」では、同じグループのメンバーであった三上誠のポートレートが使われていたのも面白かったです。

今回の展覧会では、会場の一番奥に展示されていた米谷清和の12点の作品が一番気に入りました。その中でも70年代に入ってからの「エレベーター」以降がよかったですね。「」を観て、昨年植田正治写真美術館で観た写真を思い出しました。
最初の「エレベーター」では群衆の顔が描かれていますが、「刻々」以降は背後とか遠景になって顔が描かれなくなります。いずれも極度に単純化された画面構成でインパクトがあり、洒落たタッチが現代的で気に入りました。「秋、日のない日」は現代を描きながらもレトロ感があり面白いです。

観終えて感じたことは、日本画と西洋画の境界を云々することの無意味さでした。
今回出展された画家でも、当初は洋画家としてスタートしながら、その後日本画に転向した経歴のある人が何人もいますね。
私の知人で趣味で絵を描いている人は、よく「日本画家は洋画にあこがれ、洋画家は日本画にあこがれる」といっています。実際に浮世絵が19世紀の西洋画に与えた影響はいうまでもありませんね。
万葉文化館でも、これまで何度も気鋭の画家による日本画の枠を出た斬新な作品が多く展示されてきました。つまるところ、両者の違いを突きつめれば、絵の具の違いだけになるかもしれませんね。

そんなことをあれこれ考えながら、これまで観たことがなかった作品の数々を楽しみました。

ところで、観終えてミュージアムショップに行き、気に入った作品の絵葉書を買おうとしたら、なんと1枚もなし。万葉文化館の所蔵作品の分はありましたが、福井からの作品はゼロ。ガッカリでしたね。
昨今ほとんど揮発性メモリ化した私の脳のため(笑)、買う気満々で行ったのですが空振り。残念でした。福井の名前の入った絵葉書でもいいのでなんとかならないものかと思うのですが。

がっかりしながら昼食のために前回同様、館内のカフェへ。

今回も同じ1,000円のメニューでしたが、おいしくて食材もよく、見た目よりボリュームもあって大満足でした。食事中、一時雨が激しくなりましたが、館を出るころには上がってきてラッキーでした。


デザートもGood!


この展覧会、上記の作品以外にも見ごたえのある傑作が多く、おすすめです。ぜひ明日香に来られたらお立ち寄りください。きっと満足されると思います。

期間は8/17(土)~10/6(日)までです。

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こまつ座第100回公演「頭痛肩こり樋口一葉」を観て

2013年08月20日 | 観劇メモ

まずいつものように劇場にたどり着くまで。
「象」と違い、今回は道路がすいていて超楽チンでした。自宅を出てからきっかり1時間で地下駐車場に到着。




前回見つけた西宮北口駅の阪急ベーカリー&カフェで軽く昼食。二人合わせて約1,000円。CP高いです。


再び劇場に戻り、開場まで待ちました。前回はギリギリの時間で焦りまくりでしたが、今回は余裕ありすぎ(笑)。
会場には愛華みれ、若村麻由美、熊谷真美への花が。




今回の席はB列でオペラ要らず。まあなんとも舞台が近いですね~♪。頑張ってパソコンでゲットした甲斐がありました。

今回の「頭痛肩こり樋口一葉」はこまつ座のお盆恒例の演目だそうですが、まさにそのとおりの話でした。しかもこの芝居は、こまつ座の旗揚げ公演での演目で、それが今回の第100回記念公演でも上演されるということで、こまつ座にとってはとくに意義のある芝居なのでしょうね。

でもまあなんといっても役者が豪華。
「樋口一葉」こと「夏子」を小泉今日子、その母「樋口多喜」を三田和代、幽霊の「花蛍」を若村麻由美、多喜が乳母だった縁で樋口家と縁のある元旗本の養女「稲葉鑛」を愛華みれ、一葉の旧友「中野八重」を熊谷真美、妹の「樋口邦子」を深谷美歩とそうそうたる顔ぶれ。このメンバーで井上ひさしの脚本となれば面白くないわけがありませんね。

後日調べてみたら、この「頭痛肩こり‥」は宝塚のOGがよく出演しています。古くは上月晃や安奈淳が、最近では杜けあきが「稲葉鑛」を演じています。さらに大鳥れいが八重をやるなどしていますね。

さて芝居の感想ですが、さすがに井上ひさし、見ごたえ十分。面白おかしく、しかも悲しい。そして明治という時代の一面をよく描いています。

今回のお話は、一度だけ例外がありますが、基本は24歳で夭逝した樋口一葉の生涯を、樋口家の盂蘭盆会に集まる5人の女たちと1人?の幽霊の会話で構成した伝記ものです。

一葉の両親は、百姓でありながら訳あって故郷を出奔し、苦労の末ようやく八丁堀同心の身分を手に入れたものの、世は明治維新となってご破算。
でもなんとか東京府の下級吏員の身分にありつき、満4歳から9歳までの一葉は幸せだったといいます。
でも兄弟の相次ぐ不幸と退職後の父親の家業の失敗などで一家は零落。
そして父の死後、さらに家計は窮迫し、戸主となった樋口家の長女・夏子(樋口一葉)は、生活を支えるため苦闘します。そんなギリギリの生活を送る一葉と多喜と邦子の1日を、毎年7月16日の盂蘭盆会だけ切り取って見せています。

幕が上がるとセットはいたってシンプルで、4本の柱と仏壇、あとは文机程度があるだけ。ゆかたの子供たちが提灯を持って
盆の歌を歌いながら踊るところから始まります。女優のみなさんの怪演ぶりが面白いです。
以下は、こまつ座 「the座」No.75より 稽古場風景です


個々の女優の感想ですが、まずNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の小泉今日子から。


ドラマの人気を当て込んでの起用と言ったら言い過ぎかもしれませんが、結果としてはしんどかったですね。

まず気になったのはセリフ。テレビでは気にならなかったのですが、彼女がこんなに舌足らずの声だったとは。そしてセリフが何度もすべって言い直したりし緊張が途切れたり。
まあセリフがつかえたのは今回他の俳優さんでもありましたが、主役なので目立ちましたね。

それと表情の変化のダイナミックレンジ(笑)が意外に狭く、感情が十分表現できていないと思いました。ちよっと残念でした。
話題性では客が呼べるでしょうが、劇全体の完成度からすると起用は疑問ですね。観ながら、去年の「サド侯爵夫人」の蒼井優を思い出しました。

それに対して貫禄を見せたのが三田和代。余裕の演技でした。

世間体を気にして、あれこれ娘たちに指図するうるさい母親役を好演していました。そんな多喜が、最後で新盆に仏となって帰ってきて「世間体など気にしちゃダメだよ」と生き残った邦子に叫ぶのは万感胸に迫りますね。
とにかくこの人の存在感はさすがでした。

次は期待の愛華みれです。


最近の彼女は、病気治療の影響か現役時代よりふっくらしていますが、元気なのがまず何より。
そして舞台では、落ちぶれたとはいえ世が世ならお姫様の稲葉鑛をよく演じていました。零落しても気品は隠せず、でもそんな彼女が借金を頼みにまわる姿に、明治という世相の一端がよく表現されていましたね。しっとりとした演技が魅力的でした。
ただ、プチ残念なのがセリフで、やや内にこもってしまって前に出てこなかったですね。でも劇中の歌の場面ではしみじみと聞かせてくれて印象的でした。歌う回数も多くてよかったです。
ずっと元気に活躍してほしいですね。

熊谷真美はバッチリの適役。


とくに前半より、後半、苦界に身を沈めてからの開き直った「八重」が本領発揮(笑)でよかったですね。
前半観ていて、あまりしどころがなくもったいないなと思っていましたが、女郎になってから見違えるように表情が豊かになって生き生きとしています。まったく「八重」が乗り移っています。
この人、最初の「井上ひさし体験」だった「黙阿弥オペラ」での熱演にびっくりでしたが、その後も「藪原検校」などこまつ座の芝居で好演していて、なじみの役者さんになってきていました。

セリフでひときわ目立っていたのが、妹「邦子」役の深谷美歩


すっきり明快で耳に心地よく聞こえるセリフがまず印象的。それと、抑えた中にも芯の通った安定した演技が光っていました。姉を慕い、世間体を優先して家計を顧みない母・多喜にも辛抱強く従う邦子を自然体で好演。
芝居の最後の場面で、迷わず母親の霊が戻って来れるようにと、ただ一人で新盆が終わるまで借家にとどまっていた邦子が、柳行李を持ち、一家の仏の入った重そうな仏壇を背負って借家を立ち去るシーンは、近年とみに緩みがちな私たちの涙腺をしたたかに刺激してくれました。
この健気な妹の心情を背中で見事に演じた彼女に、客席から惜しみない拍手が湧きおこりました。
おいしい役でしたね。

さて最後は「花蛍」の若村麻由美


この人、幽霊なのにものすごくきれい(この世のものとは思われないとはこのことです^^;)で、あでやか。憑りつかれたいと思うほど(笑)。しかも情にもろく根がやさしい。生前松大国楼のお抱え女郎として人気を博したのは当然ですね。

彼女が最初登場した時、舞台の雰囲気は一変しましたね。幽霊が出てきたらパッと華やぐ舞台。シュールな世界です(笑)。
真っ白の、ガーゼのような柔らかそうな軽い生地で作られた女郎の衣装をまとい、軽々とした身のこなしで、生前はさぞやと思わせるいい女ぶり。
そして自分を自害に追い込んだ張本人が見つけられないため成仏できず、あの世とこの世を彷徨い続ける「花蛍」を妖しく演じています。
姿形もさることながら、なによりセリフがすっきり・はっきり。
やはり基礎トレーニングの差でしょうか、どんな小さい声でもよく耳に入ってきます。この人もNHKの「純と愛」で話題になりましたが、舞台俳優としての力量は大したものですね。

この「花蛍」に、井上ひさしはこの芝居のモチーフとなる明治という時代を語らせています。
花蛍は、自分を死に追いやった恨みの相手を探し出したものの、その相手の事情の背後にまた別のやむに已まれぬ事情があり、そのまた背後に‥と追い続けたら、最後には皇后までたどり着いて、その皇后も列強から包囲され維新の激動にさいなまれる天皇によって追い込まれて‥となって、最後には明治という時代そのものに行き着いたというものです。

自分で戒名を作り、自分を押し殺しながら生活のために必死な一葉にはすでに死が憑りついていて、だからこそ一葉だけに「花蛍」が見えます。この一葉と花蛍のユーモラスなやり取りと、生きられない世間を必死にたくましく生きようとする明治の女たちの姿に井上ひさしのまなざしがよく伝わってきました。

この時代を作者は「世間」といい、「世間とは絡み合った網のようなもの」で、「その網の中では女は生きることができない」と劇中で言わせています。なので盆の礼に来る死者となった女たちのほうが、生きている女たちより明るく屈託がありません。

井上ひさしの「明治」を描いた作品ではなんといっても「黙阿弥オペラ」が傑作ですね。でもこちらのほうは男の明治ですが、これもまた時代というものをよく描いていました。この2つを観ることで、作者の明治という時代の歴史観を垣間見ることができました。

現代日本を覆う時代錯誤の偏狭なナショナリズム。私はその原点をさかのぼっていったら「明治維新」に行き着きましたが、井上ひさしなら現在の日本についてどう考えたでしょうか。

そんなことを思いながら劇場を後にしました。

今回も「面白うて やがて悲しき ひさしかな」という感想ですね。
未見の方、機会があればぜひご覧ください。小難しいことは抜きにして、芝居の面白さが圧倒的です。


つぎのひさしワールドは「それからのブンとフン」かな。




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スパーダのオイル交換と、楽しい皮膚科のお話

2013年08月14日 | 日記

スパーダの走行距離は以下のように、23年を経てやっと1万kmを超えたばかり。


マニュアルではフィルターの交換は初回13,000km。以降は12,000kmごととなっています。初回のほうが少しですが距離が長いのが不思議。


オイル交換は、各パーツの切削加工カスなどがクランクケースやシリンダーヘッド内にある可能性があるので初回は早めに実施するように指示していますが、フィルターは逆ですね。


で、前回のオイル交換はうろ覚えですが4年以上前ですね。でも距離はその間2,000kmも走っていません。それで指定の半分も走っていないしと、交換を先延ばししてきました。でもやはり経年劣化は避けられないようで、最近停止時にニュートラルに入りにくくなってきました。
それでとうとうオイル交換することにしました。たまたまガレージを掃除していたら、買い置きしていたフィルターも見つかったので(殴)、これこそ距離も少ないので汚れていないと思いますが、一緒に交換することにしました。


さてオイルですが、私は空冷のイーハトーブ改やダックス改のころから、これ↓を使用し続けています。カストロールのRS。


超ワイドレンジなので空冷エンジンの熱ダレにも強く、完全化学合成油なので潤滑性能の面ではギアオイルと兼用のバイクに最適だと思います。
ただ値段が高いのが難ですが、今回たまたま近所のホームセンターで4リットル缶が1,480円!で売られているのを発見。2つ買おうかと思ったのですが、プリウスには粘度が高すぎる(ツインターボのレガシーでは常用していましたが)のでやめました。
でもこの商品を使われた方はご存じでしょうが、通常の半額以下ですね。在庫一掃セールみたいでした。
マニュアル記載のオイルの量は
全容量      2.5l
フィルタ交換時 2.0l
交換時      1.8l
フィルタ交換時でも0.5lは残るということですね。

そしてもう一つ必要なのが手前のスミコーの有機モリブデン系の添加剤。
これ、以前の二硫化モリブデン時代から二輪・四輪ともに使ってきました。自動車メーカーでも工場出荷時にギアオイルなどに使用している実績があるほど効果があります。ただ、新車から使うとアタリがつかないという人もいますが。
余談ですが、13万km走った昔のスカイラインのL型エンジンのカムシャフトはこの添加剤のおかげで全く摩耗せず、タペット調整なども不要でしたね。

作業は猛暑の8月13日に実施。まずエンジンをしばらく温めてからオイルを抜きます。
17サイズのドレンボルトを抜き、12サイズのオイルフィルタ・カバーボルトを緩めてフィルタカバーを外すと全量(おっと0.5リットル残りますね)排出できます。


純正部品のフィルタセットには、カバー用とカバーボルト用のOリングが付いています。
前回のオイル添加剤は二硫化モリブデンの製品だったので抜いたオイルは黒かったですが、粘度は十分。ただし高温時の油膜保持能力は経年劣化でかなり落ちていたかもしれません。先に触れたように、信号待ちなどで停車時にニュートラルに入りにくくなっていましたから。


フィルタカバーに溜まったモリブデンを拭い取り、各Oリングも交換して新しいフィルタをセット。

元通り組み立てて装着しました。


各ボルトをマニュアル通りのトルクで締め付けて完了。
ドレンボルト      3.8kg-m
フィルタカバーボルト 1.8kg-m

↓のトルクレンチが便利です。


ドレンボルトのアルミガスケットは再使用したので、漏れたら液体パッキンを塗るつもりでしたが大丈夫でした。マニュアルでも特に交換を記していませんね。
そしてオイル注入。
オイル添加剤の半量を入れてから、その分を引いた量のオイルを入れて、マニュアル通りしばらく家の周辺を走って暖機してからオイル量をチェック。
普通ならこれで作業完了!となりますが、悲劇(喜劇ともいう)はこのあとでした!

エンジンを止めて、バイクにまたがったまま、バックで(出やすくするためです)ガレージに入れていた際に、横のアドレスにあたりそうになったので避けようと車体を傾けたら、ふくらはぎがエキパイに接触!
横着して半パンで作業していたので、モロに素肌に高温のエキパイが触れて「アチッ」。あわててふくらはぎを見たら時すでに遅し。ほんの一瞬の接触でしたが、見るも無残に横6センチ縦3センチぐらい皮がきれいにベロリとめくれて、下のピンクの皮膚が完全露出。パニックです。

あわててガレージ内の工具などを片付けてから、家に戻って必死で皮膚科を探しました。
でも以前行ったことのある皮膚科はお盆で13~15日休診。市立病院ならやっているだろうとホームページで確かめたら、無情にも「完全予約制」と表示。

でもこちらも非常事態です。
前日テレビのニュース番組で、猛暑で熱くなった遊具で「低温火傷」した幼児が皮膚移植手術が必要となったという悲惨な映像と、私の足の傷の形がそっくり (笑) だったので、何が何でも診てもらおうと、必死の思いで市立病院に電話しました。

受付嬢が出たので状況を言うと、「本来は診られないのですが、先生に聞いてみます」とのこと。
祈るような気持ちで保冷剤を当てながら待っていたら、「本来ならできませんが、今回は診ますと先生が仰っていますので、今すぐ来てください。何分ぐらいかかりますか?」とありがたいお言葉。
「10分で行きます」と返事して、アドレスを飛ばして直行しました。
でもけっこう受付手続きがかかり、皮膚科でもちょっと待ちました。その間の長いこと。保冷剤を置いてきたことを後悔し続けていました。

ようやく名前を呼ばれたので診察室へ。
中に女性スタッフ4人ぐらいいましたが、その中の一番若く見える人がお医者さんでした。
「どうされました?」と聞かれたので、バイクのマフラーで火傷したと言ったら、3人の看護師さん、口々に「ヤッター!」とか「マフラー、キター!」とか「熱いよねー、マフラー!」とか、仰天のレスポンス。なぜこんなにウケる?と戸惑いましたが、おかげでこちらもそれまでの悲愴な緊張感から完全に解放されました(笑)。
これ、パニック患者には最適の対応策かも(笑)

女医さんもまったく気さくに、「コケたんですか?」とか「マフラーって熱いですからね」とか。言われなくてもわかってますってと内心思いながらも、「いえ、オイル交換作業していて」と答えたら、ああそうですかと笑っていました。
処置は消毒液をかけてからリンデロンVGとかいう軟膏を塗ってガーゼを貼り付け、包帯を巻いて完了。
「大したことはないと思うが、また明日来てください」と言われたので翌14日の午前10時を予約。この日は薬はなく、診察だけでした。でも本当に大したことなさそうなのでホッと安心しましたね。

デイケアから帰ってきたヨメさんは足の包帯を見てびっくりしていました。
今日は患部を濡らさないようにとのことで、この日は包帯の上にラップをぐるぐる巻きつけてからヨメさんの入浴介助と私のシャワー。

そして翌14日、予約通り病院へ。

30分前に2階の皮膚科に行くと、もう10人ぐらい診察待ちの人。それで長丁場を覚悟して、パソコンを取り出してこれをブログネタにしようと書き始めたら、2行も書かないうちに名前を呼ばれました(笑)。
昨日診てくれた女医さん、今日は診察の当番ではないので、順番を待たなくてよかったようです。昨日と違って診察室ではなく処置室に案内されて入ったら、先生がお待ちでした。

そして患部を診ながら「どうですか、痛みますか?」と聞かれたので、「いえ全然痛みませんね~♪」というと「それは心配です」とキッパリ。
何でも、火傷が深いと神経まで損傷を受けて痛まないことがあるとのこと(怖)。

でも、消毒液がかけられたとき刺激を感じて「痛い!」と言ったら、それなら大丈夫かもといいながら、熱でめくれて傷の端によじれていた皮膚を鋏で切りはじめました。
切りながら私に「切っているのを見れますか」と聞くのでせっかくだから「いやとても見れません」と答えたら、横に付いていた看護師さん、真顔で「それなら私の顔を見ていてください。」 すごい自信です(笑)。
お言葉どおりマジマジと彼女の顔を見ていたら、向こうから笑い出しましたが。

ここの皮膚科、かな~り♪面白いです(笑)。

また軟膏を塗ってくれて、貼り付き防止フィルム付のガーゼを貼って包帯。患部はフィルムのおかげでガーゼがまったく貼りつかずラッキーでした。
でも昨日もそうだったのですが、この先生の包帯、やさしい性格なのか緩すぎ!で、今日も帰途にバイクで走行中緩んできて困りました(笑)。

治療後に半分フィルム付きガーゼが余ったのですが、「これは持って帰って家で使ってください」と手渡してくれました。そして「軟膏を出しておきますので、家でガーゼに塗って使ってください。次は金曜日16日に来てください」とのこと。

その後、皮膚科の受付で予約表を受け取り、1階の会計で精算したのですが、なんと領収書には「薬なし」の表示。

もう一度皮膚科の受付で「薬が出ているはずだが」というと、すぐ確認に行ってくれました。
やはり先生が忘れていたとのことで、再度会計に行き、処方箋を受け取りました。
病院横の薬局で軟膏を受け取って、病院の駐輪場に戻ってきたら当の女医さんとばったり
向こうから「ごめんなさい、うっかり忘れていました。すみませんでした」と謝られ、こちらも「いえいえ、どうもありがとうございました」と昨日無理に診てもらったことについてお礼をいいました。
本当に市立病院の皮膚科、とても公立病院とは思えない人間味があって楽しいです。

今回の火傷騒動のそもそもの原因が、猛暑とはいえ半パンでバイク整備をするという私の不注意から起きたことです。エキパイ部を見たら皮膚の痕跡らしいものがこびりついていました(殴)。

幸い火傷はそれほど酷くないようですが、けっこう完治までは時間がかかりそうです。

慣れた作業と甘く見て、気が緩んだ結果の自業自得でした。
とくに今年のような猛暑の下では注意が散漫になりがちなので、普段以上に気を付けないといけませんね。

さて、この後の経過の詳細はココに書いていますので、興味があればご覧ください。

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Wi-Fiモバイルルーターの機種変更で感じたこと

2013年08月12日 | 買物メモ

ヨメさんが2年前にauで購入して活用しているタブレットはXoomで、最近Googleに買収されたモトローラ製のアンドロイド・タブレットです。これで外出先でインターネットするのが目的だったので、同時にモバイルルーターのDATA05も購入しました。auではモバイルルーターをWi-FiWALKERと称しています。

これがDATA05です↓


通信速度はCDMAなので下り最大3.1Mbps・上り最大1.8Mbps。今となってはかなり遅く、でも通信料金は毎月5,460円もかかっていました。


1年後には後継機種としてWiMAXも使用可のDATA08が発売されましたが、契約途中の機種変更は解約費用がかかるので断念。遅いが高価な契約が終わるのを心待ちしていました。ただ、使用感としてはそれほど不満はなかったのですが。

8月に入って、もうそろそろ2年の縛りが切れるだろうと買い物のついでにイオンモールのauショップに行ったら、「今なら無料で解約できます」とのこと。その時はDATA05を持っていなかったので契約変更はできませんでした。

Xoomはヨメさんがデイケアサービスでのリハビリの合間の暇つぶしに使っているので、ルーターは必要です。
帰宅後に後継機種を調べるためショップでもらったパンフレットを見たら、今春発売のWiMAX HWD13というのがありました。
月額料金もかなり減らせそうです。




それで、今週になってDATA05を持ってヨメさんと某家電量販店へ。

携帯コーナーのau担当者に、機種名と契約変更の意思を伝えました。でも、今はスマホのテザリング全盛なので、単体でわざわざこんなデータ端末を購入するユーザーは少ないみたいですね。なのでこの量販店には在庫なし
ただWiMAX HWD13、モックアップを見るとスマホと同じぐらいのサイズでかなりデカいです。WiMAXで電力消費が増えてバッテリーが大きくなったためとか。

せっかくなので、料金プランなど聞いてみました。パンフレットでは以下のように、最終的に4,405円になるようですが、担当者は最初のうちは「料金は5,985円です。それに端末価格の月割料金が掛かってきます。」とのたまいました。
でもパンフレットをよく読めばどう考えても4,405円になるはず。(青丸の金額です)


それで、パンフレットを見せて「でも新規・機種変更なら1,580円マイナスと書いてあるけど」と言うと「あ、ほんとですね、これだと月額は4405円になりますね」と認めました。この担当氏、どうやら量販店のアルバイト店員さんらしく、あまり知識がないようですが、愛想よく接してくれて、近くのauショップに電話して在庫確認してくれました。

ヨメさんが契約者なので、また出直すのも手間だし今日中に決めてしまおうと、紹介されたショップに向かいました。

auは結構ドコモやソフトバンクからの流入が多いようで、ショップは平日なのに盛況。
少し待たされてから担当者が応対してくれました。電話で話が伝わっていたので、すぐ端末を持ってきて交渉開始。
ところがこの担当者も分かっていないようで、月額料金は5,985円かかるといいます。それに端末の費用も必要とも。話していると、コチラ専門家・アナタド素人というスタンスが丸見え。

また振出しに戻る感じでヤレヤレです。私がパンフレットを指して※印の注釈には機種変更の場合該当と書いてあるがと言ったら、担当氏、しばらくパンフレットを見てから、どこかに電話し始めました。

そのやりとりを聞いていると、「あっそうなんですか。はい、はい。え、それもかからないんですね、わかりました」とか言っています。けっこういい話みたいで期待が高まります。(笑)

そして電話を置いてから、「すみません、おっしゃる通りで、4,405円ですね。それと端末費用(2万円以上します!)も全額割り引き対象になっているので0円です。」とのこと。言ってみるものです。
さらにヨメさんのポイントが12,000円分ぐらいたまっていたのでそれを毎月1,000円分使うことにして、1年間は月額3,405円になりました。

ついでに「この料金プランではプロバイダの費用が525円かかるとなっているが、これはこちらで別途契約しているプロバイダを使えば不要だよね?」と聞いたら、「いやこれはインターネット接続には絶対必要です」と担当氏。
でも↓を読んだらプロバイダは選択できると読み取れるし、私が言っているのは必要かどうかではなく、変えられるかどうかなんですよね。わかっていないようですね。


ただ、この件は契約は不要だし、自宅で端末の設定をブラウザを使って変更したらいいだけなので、それ以上説明するのはやめました。大体DATA05でもプロバイダは自分で設定変更していましたからね。

しかし帰宅後調べたら、私の契約しているプロバイダでは、デフォルトのau.netの方がはるかに安いことが判明。^^;
偉そうなことを言いましたが、au.netのまま使用しています。この点はこちらも認識不足でした(殴)。
なので1年間は3,405円の月額料金で、それ以降は4,405円になりますね。

最初に書いたように、今回購入したWiMAX HWD13については、スマホのテザリングで同じ機能をより速いLTEで使えるので、あまり売れないのでしょうね。でもスマホは私たち夫婦の場合はかなり今より料金が上がるし、二人とも老眼が進んでタブレットやノートパソコンのほうが見やすいのでスマホ選択は無し。

結局これまでのDATA05よりかなり安くなったので満足ですが、ショップの言いなりになっていたらどうなったでしょうか。契約後にシステムが契約内容をチェックして間違いが訂正される仕組みになっているのならいいのですが、そうでなかったら担当氏のいうままに月額5,985円プラス端末代金が掛かってきたかもしれないですね。

もっと商品について勉強してほしいと思いました。auも新機種発表時には、ショップのスタッフに料金プランなどのサービスについて周知徹底してほしいですね。



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兵庫県立芸術文化センターで「象」を観て

2013年08月06日 | 観劇メモ

本題の前にまずはいつもどおりの前置きです。

13時開演ということで、劇場周辺で昼食をとることにしたため、余裕を見て10時に出発。
行く前から阪神高速が渋滞とのことで覚悟していましたが、やはり松原線の駒川あたりから渋滞に巻き込まれました。環状線の事故の影響とかで、神戸線に入るまではノロノロ運転を強いられ、結局2時間以上かかって劇場に到着。

前回はレストラン入り口のカフェでボラレ気分だったので、今回は阪急の駅まで行ってサンドイッチのランチセットで昼食。同じ内容で半額以下だったので納得でした。

劇場に戻って中ホールに行ったら結構な客の列。ここでは1日1回だけの公演なので、補助席まで出た盛況ぶりでした。私たちの席は勾配のあるところだったので観やすくてよかったです。料金はなんと5,000円。

席についてまず目についたのは、ほの暗い舞台一面の夥しい古着らしい衣服の海。そしてぼんやりと浮かび上がるベッドのセット。原爆の被爆者が主人公とのことで、まず思ったのは敷き詰められた雑多な衣服が死者を象徴しているのかなという、まあありきたりな印象です。
↓当日買ったパンフレットから練習風景。この衣服類、スタッフがファスナーやボタンなど怪我しそうなものを全部外したとのことです。


話は入院中の「病人」(大杉漣)をその甥である「男」(木村了)が訪ねてくるところから始まります。

「病人」は広島で被爆し、背中にケロイドを負っていて、そのケロイドを街頭で見せて喝采を浴びることを生きがいにしてきたが、病状が悪化して入院しています。「男」の木村了、セリフが明瞭なのがまず好印象。しかし普通なら幕が上がってどんな話になるか、つかみの部分を探るのですが、今回の「象」はそんな常識は通用しません。いつまでたっても筋が見えてきません。

とにかくとりとめのない、意味や内容があるようでないセリフが延々と続きます。「病人」は病状がよくなったらまた違う趣向でケロイドを見せようとあれこれ甥の「男」に語りますが、二人の会話は全くかみ合わない。というか、登場人物すべての話がすれ違っていて、それに登場人物がいら立ち、感情をぶつけ合っています。観ている私たちもそれに引き込まれます。(笑)

「病人」は病気が治ったらケロイドをまた別の新しいパフォーマンスで見せようと語っています。それが彼の使命であるかのように。大杉漣はこのつかみどころのない会話を通して、憑かれたように「被爆者」を生き続けてきた「病人」を熱演しています。ちょっと早口になると聞き取りにくかったりしますが、とにかく膨大なセリフをよく憶えられるものです。

難解なこの劇に敢えて意味を付けるとしたら、原爆投下とそれによる惨禍が風化しつつあるもとで、世間に飽きられ始めた自らの被爆体験を、どのように訴え続ければいいのかと自問する「病人」の姿を軸に、それとは逆に、黙って静かに死ぬべきだと考える同じ被爆者である「男」との対比がテーマという感じでしょうか。

しかしこの作品の初演は1962年。まだ今と違って核に対する世論はもっと高揚していたはずですから、ちょっと違う感じですね。ただ、現在これを上演する意味としては、収束とは程遠い福島原発事故や、にもかかわらず懲りない原発再稼働の動きとかを考えたらあてはまるともいえますが。

でも、舞台はそんな単純な解釈で収まるものではなく、登場人物が語る饒舌で猥雑で俗っぽくてアナーキー(古っ!)で非論理的なセリフで観客は最後まで煙に巻かれたままです。もっとも私の前列に座った3人の方々は、その前に深い睡眠に落ちておられましたが。(笑)

解釈といえば、この劇、登場人物すべてが死者だと考えることもできる演出でしたね。
劇では、登場人物は退場となっても舞台の袖にハケるのではなくて(まれに袖に引っ込んだ例もありましたが)、出番が終わったら基本古着の中に潜り込んで隠れるのです。
つまり敷かれた古着すべてが死者であって、その死者が舞台の進行とともに、自身の言いたかったこと、し残したことを入れ替わり立ち替わり演じるのが今回の芝居だと言えそうです。
じっと古着に埋もれて出番待ちするのも大変ですが、こちらはその膨大な衣服(死者)の中から、オペラグラスで隠れている役者を探す楽しみもあったりします。(殴) 

印象に残った役者は先の二人と、「病人の妻」を演じた神野三鈴。この人、去年は「組曲虐殺」の「伊藤ふじ子」や「サド侯爵夫人」での「シミアーヌ男爵夫人」でもいい演技で印象的だったのですが、今回もそれらに劣らず好演ぶりが目立ちました。不条理な劇でありながら条理にかなった演技(笑)、確かにこんな人が存在するなと思わせる、自然だが説得力のある演技がよかったです。
もちろん他の役者さんもあまりしどころがあるとは言えない役回りをがんばって演じていました(笑)。
ふわふわの古着の上で演じたり隠れたりするのは結構面白そうで、私は修学旅行の枕投げを思い出しました。(笑)

↓公演パンフレット表紙です。800円はお買い得。







兵庫での公演は今回1回だけで、ツアーとしても最後の大千秋楽。そのせいで入りは補助席まで出る盛況でした。
最後は劇場関係者司会で主役二人のトークショーがあったりして少し得した気分でした。司会者は勉強不足でしたが。


結局この舞台は、なにか大阪国立国際美術館で現代アートを見たような、わかったようなわからないような、いや「お客様わからない度実に95%以上(テレビショッピングかよ>私)」の観劇でしたが、「何とかの知恵は後から」で、帰宅してからあれこれと解釈が湧いて来るといった舞台でした。
ちなみになぜタイトルが「象」なのかは、作者の別役実自身わからないといっています(公演パンフレットの記事から)。



余談ですが、今月はけっこう観劇予定が多くて、中旬にまたこの劇場でこまつ座・「頭痛肩こり樋口一葉」を観て、下旬には宝塚大劇場で花組公演・「愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-」「Mr. Swing!」と楽しみな舞台が待っています。またつまらない感想を書きますので、お暇があればお越しください。

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アクセサリソケットを増設してみました~プリウスのカスタマイズ その7~

2013年08月05日 | プリウス カスタマイズ

プリウスいじりもそろそろネタ切れ?と思っていたら、まだ残っていました。(殴)
乗っているかたはご存じのとおり、プリウスのシガーソケットはコンソールボックスの中にあるので超不便です。
シガーソケットといってももう喫煙人口は激減(私もとっくにやめました)、ライターとしての用途は不要ですが、最近はスマホなどの充電用に使うとか、インバーターを接続してノートパソコンのACアダプタを接続して充電するとかで新たな用途が生まれていますね。

私も携帯の充電用に以前そんなアダプタを買ってコンソールボックスに入れていましたが、先に言ったようにソケット自体の位置がコンソールボックスの中しかも底なので、使用するたびにボックス内のCDなどを全部出さなければならず、不便でずっと未使用のままでした。(買っていたことさえ忘れていました)

で、ある時ネットで、フロント側コンソールの小物入れ?カバーを外し、代わりにシガーソケット×2とUSBコネクタ×2のついたものを付ける商品を見つけたので、「夏休みの工作」として装着することにしました。

同種のパーツとしては、他にもLグレードに標準装備されている純正部品を流用するとか、シガーソケット×2だけの商品などがありますが、USBコネクタが使い勝手がよさそうなので、コレに決めてポチッ。
送料・代引き手数料込みで約9K円と、使用している素材を考えたらかなり割高ですが、まあ他に代わるものがないので仕方ないですね。


で、無用なトラブルを避けるため(殴)、ヨメさんがデイケアサービスに出かける日に配達されるよう依頼していましたが(笑)、よくしたもので彼女が送迎車に乗って出かけた後、絶妙のタイミングで配達されました。日本の物流システムは大したものです。

さて、送られてきたパッケージは拍子抜けするほど軽かったです。まあ見ての通りのものですから当然ですが。
でもこれが9K円もすると知られたら本当に彼女は激怒するかも。(笑)

作業は事前に動画で確認していたので容易でした。

必要な工具類は
1.コンソールボックス脱着用の10mmのソケットレンチ(エクステンション付のものが便利です)
2.ペンチかプライヤー(電源割り込み用のコネクタをかしめるため)
3.ピアノ線かワイパーゴムの金具(配線コードを通すため)
4.配線固定用のインシュロックなど
5.内装はがし(エーモンなどから市販されています)
6.内装保護用のテープ(塗装用の紙のマスキングテープなど)
あと、製品添付の説明書にはテスターも用意するように書いていますが、配線の色さえ間違わなかったらなくても可です。私は使用せず。

最初は既設カバーを外します。内装剥がしがあれば便利です。私は内装剥がしを紛失したのでマイナスドライバーを使用。カバーに無残に傷がつきましたが、再使用する気がないのでOK。コンソール側はテープで養生したので無傷。


次に、コンソールボックスをずらすためボルト5本を外します。カップホルダーを外してからネジ部の半円形のカバーを外すとメッキしたボルトが見えるので10mmのソケットレンチで外します。


次にボックス内の底敷きをめくって、その下のボルト4本を外します。いずれも10mm頭のボルトです。そしてコンソールボックスを後ろにゆっくりずらします。
急にずらすとワイヤーハーネスが痛みますからご注意。

それから、分離したコンソール部から先のカバー部まで電源コードを通します。弾力性のある細いピアノ線か、動画のようなワイパーゴム付属のステンの金具がいいでしょう。ただし私はいずれも手元になかったので、柔らかいアルミの針金を使用しました。


通したコードの先の小さいコネクタを増設ソケットセットのコネクタと接続。


次に、ずらしたコンソールボックス部に電源を取る白いカプラーがあるので、そのカプラーの緑のコードに、先に通した電源コードのプラス・赤コードを、白黒コードにはマイナスの黒コードを、それぞれ添付の配線コネクタでつなぎます。
ワイヤーハーネスのコードが細くて固いので、白いカプラーをステーから外して作業したほうが楽でした。


この段階で車をアクセサリ・モードにして作動を確認。
説明書ではショートを防止するためあらかじめバッテリーのマイナスターミナルを外して作業するように記載しています。ただ、私は外さず作業(殴)。
でもこれを読まれた方はズボラせずに、正しく説明書通り作業してくださいね。私の真似して万一配線ショート→車焼損となっても責任負えませんから。
(でもプリウスのバッテリーって、トランク内なので外すのがめんどくさいです)

配線関係を異音がしないように束ねてから、コンソールボックスを元通り固定。増設ソケットパネルをはめ込んだら完了です。ゆっくりやっても20分程度。早速携帯に充電してみましたが、OKでした。
この商品、カバーの成型精度が元のカバーほどではなく、フロントコンソール本体との隙間の不揃いが結構気になりますが、1mも離れたらノープロブレム。色もミディアムグレーの色調が微妙に茶色っぽいのですが、まあ言わなければ気にならない程度なのでよしとしましょう。


それとソケット周りの青いLEDがうるさいかなと思いましたが(コネクタを基盤から外せば不点灯にできます)、昼間はそれほど目立たず、薄暗い場所のため夜間に利用する際の照明にもなるので、点灯オンで使用しています。

昼間はこんな感じです↓


夜はこんな感じに光ります↓

実際、まだ昼間だけですが、ヨメさんは全く装着に気づかず。
もし気づかれたら例によって「費用の過少申告」必須(殴)と身構えていましたが拍子抜けでした。(笑)

最近はデジカメの充電もUSB経由でできるものが増えているし、退蔵していたインバーターでパソコンのバッテリーの充電も可なので、災害時の情報家電の電源としても使えそうです(散財の言い訳モードミエミエですね)。


これでカスタマイズは本当に一段落、かな?

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