思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

スパーダのキャブ詰まりで悪戦苦闘の日々

2015年12月19日 | バイク
思いもよらぬエンジン不調でした。
それは10月某日のこと。
今年はいつになく早い秋の到来で、世間はすっかりバイクツーリングシーズン。夏の間は暑くて乗る気にならなかった日和見の私も、久しぶりに乗ってみようとスパーダのエンジン始動。長い間乗らなくても、バッテリーは絶好調なので、いつものようにチョークを引いてセルボタンを押せば一発始動!のはずなのに、今回は何やらおかしい。
でも元気なバッテリーのおかげで、思いっきり長回ししたら、ようやく始動。でも同時にいきなりガソリンが漏れて床に滴り落ちました。幸い漏れはすぐ止まりましたが、おかげでどこから漏れたのか不明。フロートバルブが一時的に固着していたのでしょうか。

しかし暖機終了しても、チョークを戻すとアイドリングが続かない。さてはとタンクキャップを開けてガソリンのにおいを嗅ぐと、見事に酸化していました。古いガソリン特有の酸っぱい匂いです。

考えてみれば、去年の早春に自宅周辺を15kmぐらい走っただけで、その後はガレージで休眠状態。給油したのは2年以上も前だったので、その間に劣化していったのでしょうね。
↓去年の姿です


でも、アイドリングが続かないのは不良ガソリンのせいではなく、キャブのどこかが詰まっているからでしょう。

症状から、多分パイロットジェット関係の詰まりでしょう。とにかくアイドルストップスクリューを相当ねじ込まないとアイドリングが持続しない状態です。そしてエンジンはかかっていても、走るまでの力は出ず。


ということで、応急作業の開始。
まずタンクから腐ったガソリンを抜いて、アドレス110とDioから計2リットルぐらいガソリンをおすそ分けしてもらって、スパーダに入れました。そして、ヨロヨロと近くのスタンドへ。ついでに腐ったガソリンの処理も依頼しました。満タンにして帰宅しましたが、その往復の間は、原付にも抜かれるほどの絶不調ぶりでした。(笑)

でもその日はそこまで。
別の日に、次なる手段として、手元にあったSTPのガソリン添加剤「STPスーパーガストリートメント」なるものをタンクに投入。早速20kmぐらい、効果やいかにと近くの山道を走ってみましたが、当然ながらほとんど効果なし。ボトルの能書きにはいろいろ書いてありますが、これで解決したら苦労しません。(笑)

その後、ヨタヨタでも走っているうちに詰まった変質ガソリンのガム質成分が溶けてくれるのではないかと、甘い期待で暇を見ては走っていましたが、いくら走っても本調子とは程遠い。平坦路なら何とか走っても、坂道になると途端に四苦八苦。そしてエンジンが温まっても、再始動には必ずチョークを引かないといけないというありさまでした。

ところで、こういうキャブのトラブル解決の王道は、分解して各ジェット類を清掃することです。でも、スパーダはVツインなのでキャブが二つ。これの分解となるとけっこう面倒くさい。(殴)
それでも若い時に、イーハトーブやダックスで散々いじったVMキャブなら構造も単純で、分解も簡単ですが、スパーダはホンダお好みのCVキャブ。
手持ちのマニュアルやパーツリストの分解図を見ても、結構複雑です。大体下手にバラして二次災害を起こしたら目も当てられない。(笑) 
それでも昔なら、怖いもの知らずでやったでしょうが、今はそんな気力も頭髪とともに消え失せて。(殴)

それで思い余って、禁じ手をやることにしました。純正マニュアルに厳禁と書かれている、高圧空気で詰まりを吹き飛ばす作戦です。なぜマニュアルで禁止されているかというと、キャブ上部のダイアフラムを破る恐れがあるから。でもいいんです。そうなったらそうなった時のこと。かなり自暴自棄。

ということで11月の某日、作戦開始。
要領は、キャブのパイロットエアスクリューを抜いて、そこからエアーガンで空気を吹き込むというものです。
で、マイナスドライバーでパイロットスクリューを抜き取って、まず前側のキャブからエアを思いっきり吹いてやりました。フロート室内のガソリンがゴボゴボと音をたてていました。
次は後ろのキャブですが、こちらはフレームが邪魔になってエアーガンのノズルが入れにくい。なのでノズルを細いものに変え、少し曲げてなんとか噴射しました。こちらはゴボゴボいわないのはノズルが斜めになっているせいかと、その時は気にせず作業終了。

その後、前後キャブのフロート室のガソリンを抜いてみました。



驚いたことに微細な砂粒程度の黒いゴミがガソリンに混じって出てきました。タンクの燃料コック上部にはフィルターが付いているので、ゴミが濾されるはずなので腑に落ちません。でも実際出てきたのですから仕方がない。(笑)

抜いてから元通りドレンスクリューを締めて、はやる気持ちを抑えて、規定通りパイロットエアスクリューを2回と1/4回転戻しにセットしてエンジン始動。
すぐエンジンはかかりました。♪
でもアイドルストップスクリューをかなり締め込んでいたので、回転が急上昇。あわてて同スクリューを緩めて1300rpmぐらいになるよう戻しました。

その後はアイドリングが極安定。チョークレバーを引かなくても走れるようになりましたが、まだ走り出し時とか坂道でのトルク感なし。かなりスロットルをあおらないと走りません。
でも先の添加剤も効いてくれるかなと、また折を見ては近場をテスト走行。50km程度走りましたが、まだ本調子ではありません。回転のレスポンスが悪く、定速走行していてもぎくしゃくし、坂道では止まりそうになります。まだパイロットエアが詰まって片発状態ですね。

ここで思い出したのが、後キャブのアイドルストップスクリューの穴からエアを吹いたときにフロート室がゴボゴボいわなかったこと。
それで、某日、エンジンをかけてから前後キャブのアイドルストップスクリューを締め込んだり緩めたりしてみました。すると、前のキャブはスクリューの回転に応じてエンジンの回転が変わりますが、後キャブはまったく無反応。
やはり後キャブのパイロットエア系統のガソリン通路が詰まっていますね。
ということで、またアイドルストップスクリューの穴からエアを吹いてみましたが、やはりゴボゴボいいません。詰まったまま。(^^;

もう最後の手段です。
後キャブのドレンスクリューを緩めてガソリンを出してから、スクリューの穴から呉のクリーナーキャブを噴射し、しばらく放置してから細ノズルのエアーガンで高圧空気を吹き込みました。このとき注意しないと、クリーナーキャブの液体がドレンスクリューの穴から漏れ出して、クランクケースの塗装を痛めます。キャブのフロート室の下には必ずボロ布を敷いておきましょう。

2度その作業を繰り返してから、元通りにしてエンジン点火。初めはぐずりましたが、すぐかかりました。そしてスロットルをブリップしてみたら、1か月ぶりの高レスポンス!!

すぐテスト走行しました。我が家の前は結構坂道ですが、10mぐらいむずかった後、滑らかに加速してくれました!しばらく忘れていた加速の良さ。それと低回転でもよく粘ること。久し振りにスパーダの優等生なエンジンフィーリングを味わいました。

その日は11月としてはかなり寒い気温でしたか、かまわずガレージを後にして、河内国分から王子→奈良の山麓線に出て竹ノ内街道を自宅へと走ってみました。もう感激でした。
まるで無段変速のようなトルクバンドの広さ。それと改めて操縦性の良さを認識。ルンルン気分(怖)で、いいバイクだなあと自己満足に浸りながら帰宅しました。そして無反応だったアイドルストップスクリューを規定値前後で回してみたら、ちゃんと反応がありました。


キャブをバラさずに詰まりが取れてよかったです。

異常発生から解決まで1か月以上かかりましたが、これで胸のつかえもなくなりました。故障中は見るのもつらかった。(笑)

ただし、以上のような究極のズボラは絶対真似をしないでください。あくまで私の自己責任でやったことなので、同じようにやってキャブを損傷しても責任はとれません。
繰り返しますが、純正マニュアルには絶対キャブを分解せずに高圧エアを吹くなと書いています。ダイアフラムの破損やフロートレベルの異常を引き起こす危険性が高いですから。

やはり自信がなかったら、プロにまかせましょう。




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梅芸メインシアターで『プリンス・オブ・ブロードウェー』を観て

2015年12月17日 | 観劇メモ
12月3日に梅田芸術劇場メインホールで「PRINCE OF BROADWAY」を観てきました。

財布に厳しいチケット(笑)なので気が進みませんでしたが、ヨメさんは早くから観る気満々だったので、付き合うことにしました。
まあ私も柚希礼音の退団後初ステージで、しかもブロードウェーの現役の実力派スター11人の共演ということで興味もあったので、何とかWeb経由でチケットゲット。それにしても高いよな~。(笑)

18列席だったので、ヨメさんは階段を上がれないだろうと、自分で車椅子スペースを依頼していました。でも当日実際に席を見ると、通路から5段ぐらい上がるだけだし、なんといっても車椅子スペースより見やすいので、ヨメさんも頑張ってチャレンジ。なんとか本来の席で観られました。
平日でしかも高いチケットにもかかわらず(しつこい!)、明らかに礼音目当てとわかる(殴)女性客で3階席まで埋まる盛況ぶり。おまけに宝塚の植田理事さんとか演出家の酒井澄夫さん、そして麻路さきさんもご観劇。麻路さんは私たちより後ろでご観劇でした。

ということで以下感想です。でも我ながらかなり薄~い感想です。いつもの通り敬称略。

当たり前ですが、やはりブロードウェーで第一線で活躍しているメンバーがウリなだけあって、歌もダンスも超素晴らしい。聞きなれたミュージカルナンバーでも、彼らが歌うと実に新鮮で情感タップリの歌でした。

そして目玉の柚希礼音ですが、よく頑張っていました。

特にダンスは、本場の一流どころに交じっていても全く遜色ない出来栄えでした。現役時代からさらに技量の進化したダンスは見ごたえ十分。よかったです。並んでいても見劣りしないばかりか、スタイルは柚希礼音が一番。体もしなやかで鍛錬のほどが窺えました。
ただ、歌は‥。^^; まあ比較するほうが無理なほど高水準の美声ぞろいなので、頑張ってはいても苦しい感じなのは仕方ないですね。また思ったほど出番も少なくて、ようやく出てきたと思ってもダンスだけだったりして。



ご存知の通り(でも私は知らなかった(^^;)、今回の「PRINCE OF BROADWAY」は、ミュージカルといっても一つのまとまった話ではなく、ハロルド・プリンス演出の名作ミュージカルを、発表順に時系列で紹介していくオムニバス構成。
で、最初初めて観る「フローラ、赤の脅威」でカンパニー全員がそろい、柚希礼音も登場しますが、その後も私のようにミュージカルの知識のないものには初めての作品ばかりが続き、しばらく静観モードに。(笑)

でも「屋根の上のヴァイオリン弾き」から俄然息を吹き返して(殴)、「キャバレー」「オペラ座の怪人」と一気に眼と耳に馴染みのある作品続きでホッとしました。(笑)
ただ「屋根の上のヴァイオリン弾き」では、「トラディション」は良かったですが、「サンライズ・サンセット」がなかったのが残念。
そういえば今回は、どの作品も通好みの選曲で、これも私たちには物足りなく感じました。でも「オペラ座の怪人」は圧巻。「ウエストサイド物語」のあとの「フォーリーズ」では柚希礼音が華やかなショーガールで登場。本当にスタイルいいです。

今回一番驚いたのは「ライトガール」でのヤズベックのタップ。やはり宝塚で見るタップとは段違い平行棒(殴)で、汗を飛ばしながら踊り続けるヤズベックは鬼気迫り、圧巻でした。すごいものを観てしまったという感じでした。
「キャバレー」で柚希礼音はアンサンブルのピアニストを演じていましたが、いつ歌いだすかと期待していたのに歌わずに終了してまたガッカリ。(^^;

休憩を挟んで、「エビータ」になり、「アルゼンチンよ泣かないで」に感心したあと、「タイムズ・スクエア・バレエ」でブロードウェーに憧れるダンサー役で柚希礼音が登場。このダンス、本当に良かったです。彼女の本領発揮でした。

また「蜘蛛女のキス」では、蜘蛛の巣の前で主題歌を日本語で歌ってくれました。ただ、他のメンバーの高音までよく伸びる歌が続く中では、宝塚時代からの彼女の低い声の歌は目立つものの、ちょっと苦しい感じでした。

今回歌で一番感銘したのは「ショーボート」でした。「Can't help lovin' that man」を歌うブリヨーナケイリーはさすがに聞きごたえ十分、大感動でした。これを聞いただけでもブロードウェーミュージカルの真髄が窺えて、高いチケット代も十分モトが取れた(と思いたい(殴))舞台でした。
でも商業的にはかなり苦戦していた様子で、幕間ではリピーターチケットの案内が何度も流されていました。やはり以前のフランス版ロミジュリ同様、チケット価格が原因でしょうね。

これで今年の観劇はすべておしまいです。来年は正月の宙組公演から。いい舞台だといいですね。

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宝塚月組公演 月組公演 『舞音-MANON-』『GOLDEN JAZZ』 満足の舞台でした

2015年12月07日 | 宝塚

11月26日に、月組公演『舞音』―MANON―(植田景子脚本、演出)&『GOLDEN JAZZ』(稲葉大地作、演出)を観てきました。
芝居もショーもいい出来で、見ごたえ十分でした。今回の観劇で一番の目玉はショーでの愛希れいか以下選抜メンバーの超ダイナミックなダンスと、珠城りょうの二番手確定の大きな羽根(笑)。とくに珠城りょうが、フィナーレで大きなピンクの二番手羽根を背負って階段を下りてきた姿にはビックリ。

ではまず『舞音』の感想から。といってもいつもの独断と偏見に満ちた感想なのでご了解ください。男トップ大絶賛ではないので、贔屓にされている方はスルーが吉です。例によって敬称略です。

脚本ですが、やはり宝塚で今一番安定した力量のある植田景子だけあって、よくできたストーリーでした。登場人物のキャラクタにも生徒の持ち味が十二分に生かされていました。
ところで最初、『舞音』と聞いて「マノン・レスコー」を思い出しましたが、今回の作品もそれをベースにしているものの、舞台は1929年の仏領インドシナのベトナムに移し、さらにオリジナルな話としてベトナムの民族独立運動を絡ませた作品になっています。

ただし、貴族のエリート青年将校が、奔放な女性の魅力に振り回されて進むべき道を誤るという話は『マノン・レスコー』だけでなく『激情』にも通じる感じで、初めはけっこうデジャブ感がありました。中盤には「もう結末が読めてきたな」と思っていたら、後半、民族独立運動が主題になってくるとそんな予測は大外れ。(笑)
そして最後の舟の場面ではついホロリとな。演出家の術中にハマってしまいました。(笑)

植田景子は作品のために装置の松井るみとともに取材で現地に出向いたとのことですが、ベトナムの歴史にも十分気を配っていていい脚本でした。

話の冒頭、1929年夏のサイゴンの港で、白の軍装の青年がせり上がってきて、当然龍真咲かと思ったら、実はシャルル2(笑)の美弥るりか。その後、同じ格好の龍真咲扮するシャルルが登場するあたりはけっこう凝った導入でした。
でも凝ったプロローグの割にはその後の美弥・シャルル2の意味がよく伝わらず(プログラムでは愛と官能の象徴だとか)、もったいない存在でした。台詞も最後の場面だけという設定のはかわいそう。「風‥」のスカーレットみたいに対話させたらとか、モノローグを被せて登場させたらとか思いましたが、それではベタ過ぎか。(笑)

パッション』で超ドッキリさせられたベッドの場面がこの「マノン」でも出てきましたが、前者の衝撃度と比較したら今回はかわいいものです。まあ宝塚の限度でしょうね。(笑)
そんな熱愛の二人ですが、すぐマノンの兄クオン(珠城りょう)に見つけられて引き離され、さらにマノンが娼婦で、パトロンの元に戻ったことが分かってシャルルはあきらめるが、偶然サイゴンで再会して二人の愛は再燃し、マノンの歓心を買うためシャルルは悪に手を染めて転落の一途に‥。というところまではよくある話ですが、後半、インドシナ独立運動が発展して、フランス政府の弾圧も激化、その嵐に2人が巻き込まれていくところから新たな展開となります。ここで運動を取り締まる警察長官のギョーム(星条海斗)がカッコいい。颯爽とした悪役で(殴)、スーツ姿がバッチリ決まっていました。

という雑感はこのくらいでまずシャルルの龍真咲から。


やはりこの人は我が道を行く演技。(笑) 
マノンに誑かされて(殴)身を持ち崩し、退廃と苦悩の日々でも表情はあまり苦悩していなくて、いつものカッコよさを意識したゴーイングマイウェイな演技。宝塚のトップともなればそれは当たり前なのでしょうが、あまり相手の演技とキャッチボールをしないような感じですね。そんなブレないところがファンには魅力なのでしょうが。
でも、私には苦悩や喜び、怒り、嘆きといった表情の変化がよくわからなかったので、ちょっと感情移入しにくい主人公でした。



マノン役の愛希れいかは良かった。

飛び切りの美貌というわけではないのに(殴)、魅力的なヒロインになり切っていて、シャルルが一目で虜になるのも無理ないというマノンでした。舞音じゃなくて「魔音」のほうがいいと思ったくらいです。(笑) この人は『1789』を観てから私の印象が一変しました。
でもマノンが、シャルルに大金を浪費させていく場面では、ただの悪女で嫌な感じでしたが(笑)、スパイ容疑で捕まって有罪決定で流刑地に向かうあたりから一変して、悲愴な囚人姿が胸を打ちました。でもマノンが、シャルルを単なる金づる扱いしていたところからいつ真の愛の対象とするようになったのか、その心理の変化の描写がちょっと少ない感じがしました。プログラムではシャルルの手紙が決め手となっていますが、それではちょっと遅すぎな感じです。(笑)
まあこのあたりの心理描写の少なさは、一本物ではない時間的な制約があるでしょうね。
それでもなお、流刑地への船着き場から始まって、シャルルが負傷したマノンとともに霧のハロン湾に船出する最後のシーンにかけては、涙・涙の名場面となっていました。まんまとしてやられました。(笑)

マノンの兄クオン役の珠城りょうは、妹のヒモ的存在です。でも、存在感があるのに役的にはあまり話に絡まないのが残念。私はクオンはただのヤクザな男ではなく実は革命運動の重鎮だったりとか期待していましたが、やっぱりただのヤクザな男で(笑)最後もあっけなくて、ちょっと残念。でも華奢な男役が多い月組ではこの人の存在感は新鮮です。(笑)




親友クリストフ役の凪七瑠海は、『舞音』への手紙の橋渡し役など果たしてくれて、シャルルのいい友人です。でも話に大きく絡むわけではない印象の薄い役です。最近の彼女はこういう役が多くて、ちょっと気の毒ですね。


もっと残念なのがシャルル2の美弥るりか

1789』では悪役シャルル・アルトワ役でインパクトのあるいい演技を見せてくれたのに、今回は最初から最後までずっと無言で踊るだけ。セリフはラストの一言のみとあんまりな仕打ち(殴)。シャルル2効果もあまり感じられなかったです。
余談ですが、今後この二人の処遇が気になりますね。

専科から古巣への出演となった警察長官ギョームの星条海斗ですが、一目でわかるスーツの粋な着こなしで鈍い私でもすぐ分かりました。目深にかぶった帽子もカッコいい。これからも専科で活躍してほしいですね。秘かに応援しています。こんなところに書いていたら秘かでもないか(殴)。

民族独立運動のメンバーはマダム・チャンの憧花ゆりのをはじめ、みんな後半に活躍しますが、中でもホマの海乃美月が宝石泥棒とか冤罪証言とかインパクトのある役で印象に残りました。

この作品は演出家の好みを反映した外部の女性スタッフが活躍しています。
作曲のジョイ・ソン、装置の松井るみ、衣装の前田文子、振り付けの大石裕香と多彩・多才な顔ぶれです。音楽と衣装はよかったですが、松井るみの舞台装置は前作の『アンドレア・シェニエ』とは打って変わった抽象的で象徴的なデザインでした。
私としてはバウホールの舞台みたいな感じで、ちょっと寂しかったですが、ヨメさんは激賞していました。(笑) ただラストのハロン湾の舟の場面はよかったです。観ていて「王家‥」のボートの場面を思い出しました。
振付は特徴があまり感じられなくて、印象が薄かった。^^;

しかしベトナムが最終的に民族解放を成し遂げるのは、舞台の時代設定から実に40年も後のことになりますね。

ショーの『GOLDEN JAZZ』は、最近大活躍の稲葉大地のジャズをテーマとした華やかな作品でした。
出だしから手拍子が起きて、好評販売中のミニタンバリンも加わって観客もノリノリ。曲も馴染みやすい選曲でいい構成でした。客席降りでは通路側のヨメさんが3度もハイタッチしてもらって大喜び。
ショーでは「rhythm」が今回の最大の見どころでした。昨年の星組のショーで「カポネイラ」が大好評だった森陽子がまた振付を担当し、今回も圧巻のダンスシーンを展開していました。
とくに愛希を中心にしたアフリカンテイストのダンス場面では、こちらが心配するほど体を酷使する激しいダンスが続き、圧倒されました。珠城りょうなど男役陣を従えてメーンで踊る愛希の切れのいいダンスが素晴らしかったです。身体能力の高さは現娘トップの中では群を抜いています。

すごかったです。

フィナーレのエトワールは星条海斗でした。そして美弥・凪七に続いて、珠城りょうが二番手の大きな羽根を背負ってパレード。びっくりしましたが、これまでぼかされてきた月組二番が確定したわけで、歌劇団の方針がようやく明確となってよかったです。

というわけで、芝居もショーも観て悔いのない良作で満足でした。ここまでご覧いただきありがとうございました。
これで私たちの今年のタカラヅカ観劇はおしまいです。本当に1年が早いです。(笑)
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