思いつくままに書いています

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宝塚月組公演 「『ベルサイユのばら』 明日海オスカル編」を観て

2013年02月04日 | 宝塚

心配した天気ですが出かける前に雨も止み、気温は3月並みに上がるとの予報でした。8時45分に出発。途中渋滞もなく快調に走り、10時10分前には駐車場に到着。
パーキングは満車の表示でしたがかろうじて障害者スペースはあいていました。車いすを下ろして大劇場に向かいました。
屋外のチケット売り場はなくなっていました。跡はどうなるのかなとか話しながら劇場へ。

劇場前はすでに団体客が次々に押しかけて賑わっていました。劇場の土産物売り場やロビーも最近目にしたことがないほどの混雑でした。



土産物売り場で金色パッケージの宝塚フィナンシェ(これおいしいです!)と冬季限定のトリュフチョコ(これも美味でした)を買い、劇場入り口へ。
以前花屋さんなどがあった場所に新設されたチケット売り場では、11時公演は立ち見も含めて完売との掲示。15時の公演も立ち見以外は完売。すごい人気です。





今回は補助席での観劇でした。開場前に一足早く立ち見の客が劇場内に案内されていましたが、売り切れとあって本当に大勢のお客さんでしたね。結構男性の立見客の比率が高かったのも驚きでした。


ドンカルロスサンテックスとは大違いの活況で、これでは歌劇団経営陣の安易な「困った時のベルばら頼み」がなくなるわけがありませんね。(笑)

幕が上がるまで私は、どうせいつもの型芝居・偉大なるワンパターン・化石芝居・マンネリだろうとタカをくくっていましたが、始まってしばらくして、子役から瞬間変身で現れた明日海りお・オスカルを観てそんな偏見など見事に吹き飛びました。

まあなんともゴージャスなオスカルでしたよ、ええ。
ほんとにきれいです。この配役バージョンにして大正解でした。(笑)

私の乏しい「ベルばら」観劇歴では、涼風オスカル以来の美形オスカルですね。涼風は私的には少し歌がしつこい感じ(ドヤ歌気味)でしたが、明日海オスカルは歌もすっきりいい感じ。
おかげで、前夜のルーター変更作業で睡眠不足での観劇でしたが、集中して観劇できました。(笑)

今回の「ベルばら」、全体に演出が見直されていて、台詞もリニューアル。「イケメン」とか、今風の言葉もちりばめられて(笑)、これまでの古色蒼然とした陳腐な台詞が大幅に減少していました。演出の鈴木圭さん、いい仕事してますね。
感情移入できる「ベルばら」は久しぶりです。

しかし、龍真咲と明日海りおをはじめ月組メンバーのみなさん、頻繁な役替わりに加えて他組からの出演とかあって、セリフやリアクション、立ち位置を間違えずにようやれるもんですな。この日も3時公演は龍真咲オスカルになっていましたが、大変ですね。

さて、期待の明日海りお、「女だが男として育てられた」という境遇にぴったりでしたね。荒くれ男ばかりの衛兵隊を統率する力を持ちながら、女らしいところも垣間見せるという役どころ、彼女は自然に演じていて適役でした。
セリフも自然で違和感なく聞けました。ちょっと声がかすれそうなところが心配ですが。

考えてみたら、女性が理想的な男役を演じることを最大の特色とする宝塚歌劇で、その男役スターが、「女でありながら男に伍して騎士になるよう育てられた女性」役を演じるというのは、中々微妙なものがありますね。(笑)

あと、明日海りお、気が緩んだのかバスティーユ進撃の群舞の場面で剣を落とし、ちょっとヒヤッとしました。少しあたりを探して見つけてさっと拾い上げ、また踊り続けていましたが。(笑)

アンドレ役の龍真咲
黒い髪がよく似合っていました。この役回りのほうがあっていると思いました。
ただこの人、歌はうまいのですが、気のせいか息次ぎがマイクに入って、時たま聞こえるのが私的には気になるところです。台詞もミニ轟悠(笑)みたいに勿体ぶるクセが気になります。トップ男役の重圧がそうさせているのでしょうか。

今回印象に残ったのは荒くれ衛兵隊のアラン・星条海斗でした。なんとも迫力があって強そうで目を引きます。
日本的に言えばたたき上げの古参特務士官といったところで、相手が士官(オスカルは若いのになんと准将!!)でも意に介さないという感じがよく出ていました。
逆にこの男さえ手懐けたら衛兵隊はOK、という話の設定に説得力を与えています。容貌と演技力がよく役柄にマッチしていました。今回の観劇の収穫の一つです。

悪役としてはブイエ将軍・越乃リュウも本当に憎々しくて徹頭徹尾嫌な奴でした。(笑)
うまいです。芝居にはこういう憎まれ役が重要ですね。(笑)

ジャルジェ将軍・汝鳥伶も本当に男にしか見えず、よく老け込んでいました。ジャルジェ夫人・花瀬みずかも将軍に寄り添っていい奥方ぶりでした。それぞれ自然な演技で芝居にリアリティを与えています。

今回本当に目立たなかったのがロザリー。かわいそうな役回りで、しどころがなく気の毒でした。「オスカルとアンドレ版」では当然でもありますが。

観劇の全体の感想としては、繰り返しになりますが、あまり期待していなかっただけに(笑)、儲けもの感が大きかったです。きれいな明日海オスカルは必見の価値がありますよ。

ただ、原作が膨大なだけに、やはり説明的な台詞が何度もあったのが気になりました。

そうそう、忘れていました。白馬車!(笑)
まあなんとも言いようがないですが、動きは結構滑らかになっていましたね、クレーンさばき。
でも客席にぐっと張り出してきて、しかもかなり天井近くまで持ち上げて、すごいです。お客さんの反応も大きく、あちこちから「おおっ」という声が聞こえてきました。

でも私は感心するよりも意味もない笑いがこみあげてきて、抑えるのに必死でした。この笑いは何で?と思いながら見上げるばかりでした。
あとから考えたら壮大なバカバカしさを感じてしまったのかもしれません。(笑)

今回の公演は、最近にない大劇場の盛況ぶりがすべてですね。
これでますます歌劇団の企画が安易な「ベルばら依存」に走るのが心配ですが、そこは座付き作家の先生の奮起を期待したいところです。

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