粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

日伊元首相、あまりの相違

2013-06-26 13:32:36 | 国内政治

おそらく今、日本の戦前戦後を通じて「最低の首相」は誰かというアンケートでトップに鳩山由紀夫氏が選ばれそうな気がする。それもダントツではないか。

政権交代で華々しく登場したが、公約をほとんど実現できず、普天間基地の移設でも当初は県外を公言したものの突然のちゃぶ台返しで沖縄県民の憤激を買った。中国との関係を重視するあまり、アメリカとは険悪になり日本の外交防衛にかつてない危機をつくってしまった。そしてわずか9ヶ月で政権を投げ出し次期選挙にも出馬さえできないていたらくだ。

しかし、政治家引退後はなぜか「元気」がいい。もちろん悪い意味だが、中国を訪れ反日的言動を繰り返す。昨日香港のテレビ局でも鳩山氏は「中国から見れば日本は尖閣諸島を盗んだ。」ととんでもない発言をした。この元首相の暴走がとまらない。

時を同じくして、西洋の同じ地震国イタリアでベルルスコーニ元首相に対して地方裁判所が未成年者売春で7年の禁固刑を言い渡した。同じ元首相でも日本とイタリアではこんなに差があるのかと呆然としてしまう。

鳩山氏は9ヶ月の首相経験しかないが、ベルルスコーニ氏はなんと3期合計で9年間、イタリア戦後史で最長だ。同じで9でも12倍ということになる。また性格的に見てやはり鳩山氏がどうみても草食系だが、ベルルスコーニ氏は明らかに肉食系だ。華やかな女性遍歴、挙げ句の果ては55歳年下の下着モデルとの淫行疑惑へと行き着く。にぎやかな奥さんの尻にひかれる?日本のお坊ちゃんとは訳が違う。

同じ金持ちであるが、鳩山氏が先祖の膨大な財産を受け継いだに対して、ベルルスコーニ氏は一代自力で巨富を築いた。決定的な違いはその政治力だろう。少数政党乱立が普通のイタリアにあって様々な政治勢力を結集させ安定政権を長期に築いた政治手腕は卓越している。その一方で、鳩山氏は自分の資金力で立ち上げた政党を新参勢力に乗っ取られ、最後は自分自身が弾き出される悲惨な結末だ。

政治家時代の非力を反省して?鳩山氏は引退後「政治力」を発揮しようと決心して、これまでの中国擁護発言になったのだろうか。しかし、それがどれだけ日本の国益を損なうかわからないようだ。政治評論家の伊藤淳夫氏は鳩山氏を「善意の暴走者」と評していたが、これほど迷惑な善意はないだろう。

鳩山発言はとても失言で済まされるものではない。ベルルスコーニ氏も失言が多いが、こちらの方は他愛もなく時にかわいげがある。アメリカ大統領に対して「オバマは若く、ハンサムで、そして日焼けまでしています。」とお世辞のつもりがつい余計なことをいってしまった。後日ミッシェル夫人に対しても「君たちは信じないだろうけど、(オバマ夫妻は)2人でビーチに行ったんだ。なぜなら奥さんも日焼けしているからね」と語った。アメリカのサミットではミッシェル夫人は各首脳にキスと握手で迎えたが、ベルルスコーニ氏に対しては、握手だけだったという。(ウィキペディアより)