朝日新聞の最新の世論調査、先々週の14日金曜日の安倍談話が朝日の期待に反して国民の共感を得たことにビビったようだ。質問の重点を安保関連法案と原発再稼働に置き、朝日の思惑に沿うように苦心している様子がうかがえる。
結果的には、安保関連法案に関しては今国会で成立させる「必要がある」といのが20%、「必要はない」が65%で朝日の思惑通りだった。これも朝日新聞の安保法案成立阻止の大キャンペーンを考えれば当然といえる。あるいはテレ朝の報道ステーションに登場する朝日の解説委員が馬鹿の一つ覚え?のように「廃案にすべき」と連発する有様では致し方ない。
原発再稼働に関しても、執拗に反対の声ばかりを報道していては国民も誘導されていく。したがって川内原発が再稼働されて「よかった」が30%、「よくなかった」が48%となるのもむべなるかなというところだ。川内原発前での意気盛んな「反対」の大合唱報道は特にインパクトがある。(実際の動員数は100人程度ともいうが)
しかし、原発に対する意識調査である質問の結果が気になった。
◎原子力発電を今後どうするか。
「ただちにゼロにする」……16%
「近い将来ゼロにする」……58%
「ゼロにしない」……………22%
即ゼロはわずか16%に過ぎず、原発の数や期間はともかく「稼働があってもよい」と8割の人が認めているのだ。即ゼロは少数派といってよい。朝日は表立っては主張していないが、その論調をみれば明らかに「即ゼロ」である。川内原発再稼働に対して、「安全が確保されていない」とか「避難計画が十分でない」などと言い訳しているが、どう見ても心は「原発稼働などもってのほか」というところだ。この調査結果は朝日にとっても「不都合な真実」であろう。
確かに「近い将来」というのは曖昧で、人によって「限りなく即ゼロ」と考えている人がいるかもしれない。反面10年後、あるいは20年後という猶予を肯定する人もいるはずだ。自分自身も「ゼロにしない」と「近い将来」の狭間で気持ちは揺れ動いている。
というのも現在反原発派が推奨する再生可能エネルギーの電力供給が極めて不安定であるためだ。太陽光は昼夜での発電量の差が極端でとても安定電源にはなり得ない。風力発電にしても日本の風土・気象ではとてもこれまたベース電源にはなりえない。それを調整するために火力電源で補充が欠かせない。現在火力の発電量が全体の9割を占めているのも皮肉な現実だ。
だから、原発の稼働を続けながら、安定した再生可能エネルギーの進化を待つしかない。現在古い火力発電をフル稼働して無理やり現状を取り繕っているのが正直なところだ。これではCO2削減、温暖化対策という世界的な方向にも逆行する。
こうした自分自身の見解は決して少数意見ではないと思う。国民の多くがそう考えていてそれが「原発再稼働やむなし」80%という朝日の世論調査に反映されているといえる。そして、おそらく今後各地で原発再稼働が進み、国内の原発で当たり前のように電力が供給されていけば国民の原発に対する認識はより肯定的になっていくに違いない。朝日新聞がいつまでこんな設問を世論調査の目玉にできるか?