朝日新聞の大岩ゆり記者発のあまりうれしくないニュースがあった。「日赤、原子力災害時に救護指針『累積被曝1ミリまで』」タイトルを見れば、大筋がわかる。その点はさすが報道記者である。
この記事に「ミスター1ミリシーベルト男」武田邦彦中部大学教授が飛びついた。6月16日ブログ「日赤、冷静な判断・・・医師の被曝1ミリシーベルトまで」。半分は朝日の記事を「コピペ」したものだ。
ただ朝日では次のような解説をいれている。
被曝医療の専門家から「被災者への救護、対応が十分にできない」と見直しを求める声が出ている。
一方武田教授の手にかかると、下記のように「翻訳」される。
これに対して野蛮なコメントがマスコミにでている。いわく、「医療関係者なのだから危険を冒して被曝量を上げても良いのではないか?」
「野蛮なコメント」といった物言いには関係者も「またか」と苦笑しているだろう。最後は、教授の壮大な科学立国論が飛び出す。
私たちは科学技術立国として、それが「お金」だけのことではなく、日常生活も医療もすべてにおいて非科学を追放して明るい社会を作る必要がある。
教授もせいぜい励んでほしいと思う。「明るい社会」を目指して。しかし「非科学を追放」なんて教授にいわれてものね。「『国のために命を捨てる』というのをもう止めたい。」なんていうのもまさか戦中ではあるまいし、教授の年齢はいくつなのか。
それはともかくあの日赤が1ミリを上限とする方針は気になるところだ。これが医学関係者の標準にななってしまうのはどうか、記事の詳細をもっと知りたいところだ。