粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

香港の民主化デモとアグネス・チャン

2014-09-30 20:01:13 | プロ市民煽動家

香港が行政長官の選挙を巡って大揺れである。次の長官は住民の直接選挙になるといっても立候補できるのは中国政府が指名した人物だけだ。香港の民主派勢力は立候補できず、香港住民が望むような民主的な選挙とはなりえない。この決定に怒って学生を中心とする若い世代が抗議デモを繰り広げている。

一方年配者は、ともかく直接選挙ができることでこの決定を是認する傾向があり、世代間で微妙な意識のずれがあるようだ。ただ、若者のデモに対して警察側が催涙ガスで排除する強硬策を取ったために、当局への不信が高まってここへきてデモ参加者も多様化しつつある。そして10万人規模へと次第に増加しているようだ。

香港政府もこのデモの対応に苦労しているようだが、本土の中国政府も相当神経質になっている。形骸化しつつあるとはいっても「一国二制度」の基本原則は維持せずにはいられない。だから、香港に人民軍が駐留しているとはいっても、25年前の天安門のような強硬策は当面とれそうもない。

おそらく、デモが自然に鎮静化するのをしばらく見守るものと思われるが、問題はこのデモが今後どう展開するかだ。今年4月台湾で勃発した学生デモのように広く国民の支持を得られるかが肝心だ。もし香港全体を巻き込む運動に進展するのなら、これは香港のみならず中国の政体を大きく揺さぶるものになる。

ところで、話は横道に逸れるが日本人が香港といって思い浮かぶ人物の一人にアグネス・チャンがいる。かつて彼女は香港の中国返還以前に、結婚して生まれた子どもには国籍を日本、そして英国、留学先のカナダのうちから選ばせると語っていたことがある。その時、中国籍という選択肢がないのを不思議に思っていた。

もしかして彼女は心の底から中国政府を嫌っていたのかと思っていた。しかし、2年前のテレビ番組での発言は仰天してしまった。番組のスタジオも騒然としていた。

「中国は反日教育(=愛国心教育)はしてないんです。あのね、反日教育はしてない。歴史を教えてるだけです」「中国が教えてる歴史も韓国が教えてる歴史も、アメリカで私が学んだ中国とアジアの歴史も一緒なんです。日本の歴史だけが違うんです」

なんと彼女は習近平国家主席が泣いて喜ぶガチガチの親中派になっているのだ。というより、朝日新聞ばりの反日派というべきか。日本に40年以上住んで日本で確たる財産=生活基盤を築いていても所詮中国人の血の方が優先されるのかと愕然とした。ウィキペディアよれば、彼女は「中国に対してウイグル、チベットに関する政策を含め、一切批判的な言説を公開していない」という。

おそらく、今後進展も予想される香港デモに対しても彼女は冷淡であろうと思われる。中国ではあの天安門事件について学校の授業で教えないという。アグネスにとっても「中国の教える歴史」にない以上、あの民衆大弾圧は記憶の彼方にいってしまっているだろう。


慰安婦問題、今後の課題は「性奴隷」払拭

2014-09-29 16:30:30 | 厄介な隣国

朝日新聞の吉田証言取り下げで慰安婦問題は新たな局面を迎えつつある。これまでこの問題は軍の強制連行+性奴隷の2点セットで日本は叩かれてきたのだが、このうちの一角が崩れかけたからだ。

ただ、世界では旧日本軍の強制連行がいまだ大手を振るっているのでその誤解を解く広報活動は重要だ。この点は朝日新聞は罪滅ぼしにその誤解を解く努力が求めれる。だから今後を朝日への追求を緩めてはいけないと思うが、基本的には問題としてクリアされたといえる。

問題は、もう一つの「韓国や占領地域の女性を性奴隷として虐待した」といういわれなき批判をどう払拭して日本の名誉を回復するかであろう。朝日新聞も吉田証言を取り下げたが、この問題を依然持ち出して、戦場における女性への深刻な人権侵害だとして自社の慰安婦問題の取り組みを正当化しようとしている。

これについては、当時の慰安婦の実態を正確に世界に発信するしかない。すなわち慰安婦が性奴隷でないことを証明する資料を世界に示す他ない。その点では日本軍撤退後ビルマ(現在ミャンマー)に残された朝鮮人慰安婦20人の証言をまとめた米国の調査書などは格好の資料である。そこには性奴隷とはほど遠い慰安婦の自由で優雅な生活ぶりが記載されている。

あるいは昨年韓国で発表された慰安所で働く男性従業員の日記などは有力な証拠である。これを読んでも全く性奴隷の気配はない。この人物が慰安婦が稼いだ給料を朝鮮に送金したり、慰安婦の女性の結婚で帰国するためその搬送をしたりしたことが日記に克明に書かれている。慰安所を軍の都合で移送しようとした時に、慰安婦たちが猛反対したことも記録されている。どこが性奴隷なのか。

そして、「利用する」側の旧日本軍人の証言もネットでは容易に見ることができる。たとえば旧日本軍人の話は十分真実味がある。この老人は慰安婦が自ら志願したと語っている。それを全て正しいとは思わないが2年間働けば一生食べているのは、たとえば当時の朝鮮の貧しさと比較すれば事実に近いとも思われる。

慰安婦はあくまでも売春婦であって、決して性奴隷ではないことはもっと日本は世界にアピールすべきである。もちろん好きこのんで場慰安婦になった女性はまずいないであろう。その実態は本人にとっては厳しいものはあったことは確かだ。ただ、欧米の奴隷貿易にあるような全く人権がないアフリカの奴隷とは全然性格が違うことは歴然としている。欧米諸国が慰安婦を性奴隷と呼ぶことはそれこそ片腹痛い話だ。

「性奴隷」という理不尽な決め付けで日本が貶められている現在、政府、マスコミ、学者、国民が総力を挙げてこの汚名を払拭すべきだ。


一発屋の人生

2014-09-27 15:15:08 | スポーツ

あのドカベンが亡くなったという。香川伸行、52歳。浪商の捕手として甲子園でも大活躍したが、特に彼の華々しさで忘れられないのは、プロに入団していきなり初打席で場外へホームランをかっ飛ばしたことだ。

世間で注目され人気者の彼が期待どおり、いや期待以上のデビューを果たした。だから、彼の野球人生は底知れぬ可能性に満ちていたように思われた。しかし、竜頭蛇尾というのだろうか、デビュー年は3割をキープしたもの規定打席に達せず失速著しかった。さらに翌年以降も成績はぱっとせず、いつしか彼のことがプロ野球の話題になることがなくなっていった。

むしろ私生活でスッチーだった夫人と直ぐに離婚したことが、吉本の女性漫才のネタになるくらいで、遂には10年も立たないうちに現役生活にピリオドを打つ。その後ローカルのラジオ番組で野球解説をしているのを聞いたことがあるが、30歳にもならないOBが老練の超ベテラン監督の采配を批評する姿は痛々しく感じた記憶がある。

報道では死因は心臓発作のようだが、あのドカベンの風体そのままのスッシリした肥満体が災いしたのかもしれない。香川といえば、いつまでも高校球児時代の人懐っこく愛らしい顔しか思い出せない。現役引退してもタレントで活躍する道もあったが、それも活かせず残念である。合掌。

それにしても人気の高校球児がプロデビュー戦でとてつもなく華やかな成績を飾ったものの、意外とその後の野球人生はぱっとしないことはよくある。たとえば1973年の甲子園で優勝した銚子商業の土屋征勝投手だが、その年ドラフトで中日に入団した。翌年のデビュー戦であの全盛時代の王貞治選手と初対決したが、なんと3球3振で世界の王を打ち取った。

当時王さんにとっては新人との対決に惨敗したことが相当ショックだったという。一方土屋選手にとってはしてやったりでそれこそ今でいう「ドヤ顔」であった。ただその後の成績はパッとせず、1軍と2軍を行ったり来たりで12年後に引退。通算では8章22敗というプロとしては不本意な成績であった。

同じ中日の選手で甲子園でも活躍した近藤真一選手は、1987年のプロ初登板で巨人を相手にノーヒットノーランを達成した。初登板での達成はプロ野球史上初という偉業であった。その年4勝をあげ、翌年8勝と順調に進むかに見えたが、その後肩や肘に故障に悩まされ結局7年で現役を終了した。通算成績12勝17敗、つまり3年目以降は勝ち星を挙げていないのだ。

以上華々しいデビュー戦を飾りながら、その後はかばかしくない成績で終わった野球人を挙げてみた。もちろんデビューもよくてその後も大活躍した選手も多くいるだろう。しかし、野球をそれほど詳しくなく素人同然の自分がこんな鮮やかに先の3人を記憶に留めているのも確かだ。つまり彼らの野球人生は瞬間であっても輝き、そのまばゆさが人に脳裏に今も焼き付いているのだ。

スポーツ以外でもたとえば歌手でもデビュー曲が大ヒットしたが、その後鳴かず飛ばずという人はたくさんいる。しかし、その一曲がリアルで聞いた人々ばかりでなく、後世も歌い継がれていくことも少なくない。だから一発屋でもいい。一瞬の輝きだからいつまでもその余韻は尾を引くのだ。肩書きに「あの○○の△△さん」という枕詞がしっかりついている。枕詞はいつしか勲章になる。


「周辺国と深刻な外交摩擦を起こす国」とは?

2014-09-26 18:27:52 | 厄介な隣国

今韓国の仁川でアジア大会が行なわれているが、その開会式で日本選手団が登場した時に韓国のテレビの映像のテロップで流れたのが、このフレーズである。これを見た日本人の多くは不快感をもつはずだ。それこそ、日本人に対するヘイトスピーチである。これも特別な反日活動家がこうした言葉を発するならまだしも、いやしくも社会の公器たるテレビ局で起ったというのが異常というしかない。

日本のテレビ局が逆に韓国選手団にこんなテロップを流せば大問題になっただろう。韓国のメディアがこぞって日本非難の大合唱になるばかりか、朴槿恵大統領自身も抗議するかもしれない。「友好国」の中国もメディアどころか政府の報道官も日本批判を展開しかねない。さらに、中国に買収?されているアメリカのニューヨークタイムズも日本のテレビ局の行為を「日本の歴史修正主義者の台頭」と論評したりして…。

しかし、今回の韓国テレビによる差別行為は日本特に主要メディアでは話題にも上っていない。日本の在特会による在日韓国人朝鮮人への行為はあれほど大騒ぎするのに、日本人へのヘイトスピーチにはまるで関心がないようだ。本当は朝日新聞辺りにこうした韓国の差別行為を汚名返上のつもりで報道して欲しいが所詮無理な話なのか。

そもそも、「周辺国と深刻な外交摩擦を起こす国」とはどこの国なのか。わざわざ日本に言いがかりつけているのは韓国自身ではないのか。中国はともかく、アジアの国で日本を嫌悪している国はない。ほぼ友好国に日本は囲まれていると信じてよいと思う。

反面、韓国については、訪れる「友好国」中国の観光客さえも不愉快な思いになる人が多いという話だ。ロシアもソチ五輪での女子フィギュアの判定騒動以来、韓国には良い印象をもっていない。自分の国が隣国からどれだけ嫌われているか韓国人は自覚すべきだ。

韓国のアジア大会はまだまだ続く。自分自身それほど、この大会に関心はないが、ネットのブログを覗くと競技場では韓国人観衆が反日感情丸出しだと言う。

相手が韓国人でも無いのに、日本人が試合してる時は全て相手選手を熱烈応援し、日本選手にはずーっと口汚い罵声を浴びせてる。

…日本選手がポイント取れば大ブーイング、相手選手が獲れば大歓声&日本人侮辱、罵声! 全ての試合、ずーっとこれ! 

この短い記事からも大方想像がつく。この民度の低さには辟易してとてもその様子を見る気にならない。これでは北の国名物、美女軍団の方がよほどさわやかですがすがしく見えてくるから不思議だ。 


喜納昌吉という男

2014-09-25 14:49:58 | 沖縄の虚像と実像

今月21日のブログに登場する人物がこんなに早く話題になるとは思わなかった。喜納昌吉、ヒット曲「花」の生みの親だ。彼は11月に行なわれる沖縄県知事出選に出馬することを表明した。

彼の立候補は、すでに出馬を表明している翁長雄志那覇市長の選挙戦に影響が出ると思われる。選挙の大きな焦点は辺野古移設問題だが、移設に反対を唱える翁長市長と主張がだぶるからだ。

翁長市長は、移設反対を叫びながら仲井真知事が承認した辺野古埋立に対して、「撤回」を公約に挙げることを控えている。おそらく、翁長市長自身はもはや撤回は困難であることを内心承知しているのだと思う。

ただ、沖縄の世論、とりわけ沖縄県2紙が激しく移設を反対しているので、表向きはこうした世論に迎合するのが有利だと考えている節がある。しかし、現実的な埋立撤回まで踏み切れない。知事になれば県政に国の支援を欠かせない。内心国に対してしても秋波を送っていることは確かのようである。

その煮え切れない翁長市長の態度に不満を持つ移設反対派は少なくない。喜納昌吉氏もその一人である。急先鋒といってよい。いわば沖縄の基地反対原理主義者の代表格と考えられる。

喜納昌吉氏は同時に「純粋左翼」ともいえる。何しろ北朝鮮の金正恩第一書記の誕生日を祝う沖縄の会合に出席しているくらいだからだ。したがって彼が参議院銀選挙に社民党、沖縄社会大衆党でなく、民主党から立候補したのか皆目理解できなかった。結果的にも彼は民主党からも孤立して、党本部の承認を得られないまま県連推薦で知事選に立候補することになった。

自分自身、彼を音楽家としては尊敬するが、政治家としてはその思想信条には同意できない。ただ、止むに止まれず出馬を決めた心情は理解できる。既存の政治家の打算的妥協的な態度には我慢がならなかったのであろう。これも音楽家特有の理想主義が働いているのかもしれない。

さて、彼の県民への評価をどんなものだろうか。それほど今は圧倒的な大衆的人気があるとは聞かない。泡沫候補で終わる可能性もある。しかしおろらく、選挙戦では翁長批判が特別話題の中心になっていきそうだから、翁長陣営には打撃になることは間違いない。

彼の代表曲では他に「ハイサイおじさん」がある。「ハイサイ」は沖縄方言で「こんち」の意味のようだ。志村けんがパロディにした「変なおじさん」にだけは終わってほしくない。