粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

武田教授郡山講演の日

2013-06-20 13:56:02 | 煽りの達人

武田邦彦中部大学教授の郡山講演は7月19日(金)、楽しみですね。せっかくだから福島流のウイットで歓迎しよう。教授が郡山駅に着くと構内には地元の祭りのメロディーが流れている。でもこれは教授が問題にした東北六魂祭の福島「わらじ祭り」ではありません。8月に行われる郡山「うねめ祭り」ですよ、教授も気を悪くしないでください。

駅の正面から見える大きなパチンコ屋さん、新装開店のようだ。「風評被害ぶっ飛ばせ出血大サービス!!」の電光掲示板が嫌がうえにも目に入る。いまやパチンコ店が数少ないスポンサーになった教授には、心中穏やかではない?

駅を出たところでニコニコ不動産の若い女性スタッフが週末の新築住宅オープンハウスのチラシを配っている。教授は何気なく受け取ってしまう。チラシには幼い女の子の写真。「この街にずっといたいな!」といった吹き出しが付いている。

会場へは主催者の車で向かったが、道すがら先のチラシで紹介の現場を案内するタテ看板がどうしても目に入る。チラシの「住環境」の項目を教授はついデェックしたりしてしまう。

会場に着くと「職業柄」からか、主催側の運転手にここの駐車場の線量を調べさせた。「毎時0.12マイクロシーベルト」の数字が出た。つい教授は「水で洗い流しているんじゃないの」とどこかのフリージャーナリストみたいなことを言う。運転手は大きく首を振ったのはいうまでもない。

駐車場ではバザールを開催していた。地元直送の野菜も品揃え豊富だ。「安心野菜をご賞味ください」といった張り紙も見える。目をこらしてみるとその脇にやや小さく「武田基準大きくクリアー」とも書き添えてある。武田基準とは武田教授が提唱する食品の安全基準で、セシウム濃度キロ40ベクレル以下をいう。さすが教授、めざとくそれを確認した。

その隣にはカレー店の屋台、究極の50バイカレーなんて大げさだ。そんなに辛いのかと思って客が食べても普通のカレーだという。よく見ると「50パイ」であった。店長曰く、「一度食べたら続けて毎日食べたくなりそれが50日続く」ということらしい。その裏話も知らず教授は50倍の数字が頭から離れなかった。以前「福島の甲状腺ガンの発症は通常の50倍」といったトンでもない大誤報をブログで流して青ざめた(赤っ恥かいた?)経験があった。

会場があるホテルに入ると法被姿や浴衣姿の子どもたちであふれていて騒がしかった。聞けば、当日教授と別の会場で、来月行われる「うねめ祭り」の練習会があるようだ。しかし、よく事情を知らない子どもが間違って教授の会場に入ろうとして係員に制止されるのを見かける。祭りを楽しみにしている子どもたちの歓声がいつまでもやむことはない。

教授は複雑な気持ちで会場の控え室で講習の開始を待っていた。そして、時間になって進行係が教授の登場を促す。いざ演壇に上がろうとした瞬間、ちょうど太鼓の音が鳴り響く。折悪く同じ時間に子どもたちの練習会が始まったのだ。太鼓に合わせて音頭を踊るわけだ。その太鼓が教授の会場でも響き、教授自身思わず両手を上げてちょっと前屈みの格好になってしまった。そんな自分に気づいてあわてて教授は手を下ろしたが聴衆にはしっかり見られた。

講習会の結果は、はたしてどうだったろうか。教授が少し疲れぎみに見えたのは気のせいだろうか。よく見ると来週の催事の案内が書かれてある。「放射能の影響を正しく考える市民の集い」(日大工学部放射線研究会主催)とある。副題は「風評被害はなぜなくならないか?」となっている。「正しく考える」「風評被害」という言葉に教授が過敏に反応している様子がありありと見えた。

しかし、夕方の関係者とのディナーは食事もお酒もおいしく教授は上機嫌だった。ただし、レストラン側スタッフたちはいつも忙しいのでネットなど見ている暇がない人ばかりであった。まして教授のブログなど存在すら知らない。レストラン側は腕によりをかけて客人をもてなした。おいしい福島米、福島牛、地元の野菜、当地の川でとれた鮎、とれたての福島の桃そして当地の地酒(もちろん全く汚染とは無縁のものばかりだ)。すぐほろ酔い気分になった教授はシェフによる食材の話にもただうなずき大いに食も進んだ。昼間のわだかまりはすっかり吹き飛んで教授が熟睡(爆睡?)したのは確かなようだ。


追記:続編があります。7月1日「武田郡山講演の真相」