粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

魚も問題ない

2013-06-04 12:55:08 | 福島への思い

あまり目立たない記事であったが、産経新聞6月3日「魚からの被ばくは低水準、原発事故で米チーム」というのがあった。このチームは、「原発事故後にマグロなどの魚介類や海水中から検出されたセシウム134と137の濃度を分析。市場に流通している魚介類を日本人の大人が1年間に約57キロ食べると想定し、体内に取り込まれる2種類のセシウムによる被ばくを計0・032ミリシーベルト」と推計した。

無類の魚好きの日本人が食べても年間被爆が0.03ミリシーベルト程度であるから、普通に魚を食べるなら0.001ミリ前後の超微量の被爆であろう。これを果たして「被曝」と呼んでいいのかさえ疑問だ。

記事によると0.03ミリ被爆は自然界で生成されて魚に多く含まれる放射性ポロニウムの数十分の1程度だという。あの毒性の高いポロニウムが普通の魚に含まれているとは知らなかったが、それが問題のないレベルならこの程度のセシウムなんて無視してよいのではないか。

最近は国内の環境省や大学の研究チーム以外に海外の成研究成果が続々発表されている。どれも原発事故による放射能の影響を極めて低レベルと評価する報告ばかりだ。特に国連の世界保健機関(WHO)や科学委員会といった権威ある機関の報告が目立つが、今回はアメリカの大学チームだ。大いに評価すべき情報といえる。

原発事故当時は、被曝の危険を煽るものばかりだった。思い出すのは、週刊文春の取材チームが反捕鯨団体グリーンピースと共同調査したら東日本近海の魚に高濃度の放射セシウムが検出されたという類いの報道だ。名前だけで判断すべきではないが、どうもあの反日団体の話にはとちょっと違和感を覚えた記憶がある。今年に入っても一部メディアで福島の高濃度に汚染された近海魚が捕獲されたなんて話題を見聞きする。

しかし、こうした報道は特殊な例であって、市場に出回っているものは今回の調査のように何ら問題がないレベルだ。別に騒ぐほどではないのに、特定の大学教授やジャーナリストがことさら煽る。こうした一部反原発ジャーナリズムには、国内外の権威ある機関の科学的な研究成果で確実に反証していくしかない。意図的なデマや不確かな噂は一一つ一つ潰していくだけだ。