粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

全然盛り上がらない「辺野古ゲート前」

2017-02-18 16:38:51 | 沖縄の虚像と実像

沖縄県民の「民意」はどこへ行ってしまったのだろうか、と沖縄タイムズの昨日17日の記事を読んで首を傾げてしまう。

市民ら抗議「辺野古の海を守れ」辺野古ゲート前

 

名護市辺野古のキャンプ・シュワブの工事車両用ゲート前で17日午前、機動隊が新基地建設に反対し、座り込む市民ら約20人を強制排除した。工事車両の出入りに伴って、2回排除した。

市民らは早朝から「新基地建設阻止」「辺野古の海を守れ」などと書かれたプラカードを掲げて抗議の声を上げた。

 一方、市民によると、海上では作業船がコンクリートブロックを少なくとも9個、海中に投下したのが確認された。

 

>座り込む市民ら約20人…20人とは、あまりに少なすぎる。しかも「約」などとわざわ付けるとは。これくらいの人数なら記者も「目視」ができるはずではないかとケチをつけたくなる。それに「市民ら」とはどういうことなんだ。「市民ではない」人間も坐りこみしているというのか。ひょっとして、記者本人やカメラマンも坐りこみ要員に加算されているのかといぶかしんでしまう。

ちなみに沖縄タイムズのホームページで「辺野古ゲート前」を検索してみる。埋め立ての本格工事開始が明らかになった今年に限定すると17日を含めて8件ヒットした。ほとんどの記事内容が工事に反対する「市民」の抗議の模様だ。そして抗議人数を比較すると100人1月25日記事が最高だ。ただこの時は「集まった」人数であり、「座り込んだ」人間がどれだけかはわからない。記事からは全く「やる気」が伝わってこない。

ともかく辺野古での抗議活動はもはや20人程度の「坐りこみ」に終始しており、機動隊によって簡単に排除されてしまう体たらくだ。わずか数ヶ月前、沖縄北部の高江で反基地活動家たちが大騒ぎして全国的な話題になったことを思い起こすと隔世の感がある。

これを見れば、沖縄の反基地抗議活動がいかに皮相的で実際の沖縄県民とは遊離したものであるかは明白である。高江では、ヘリパット基地反対のプロ市民たちは抗議活動と称して乱暴狼藉の限りを働いていた。最後はその指導者と目される人物も大逮捕されてしまった。地元住民はこうした外部からの活動家によって日常生活を阻害されて彼えらに強い反感を抱くようになった。

こうした無法状態は、ネットで嫌というほど動画や記事で暴露され沖縄そして全国へ拡散していった。最近では、今年の年初に「ニュース女子」という東京のローカル番組で、その実態が地上波で放送され、これまたネットでは沸騰した。真相の報道を快く思わない左翼メディアなどは当初、「沖縄ヘイト」などと称して反「ニュース女子」キャンペーンを仕掛けたが、すぐにネットの大反撃を受ける始末、まさにブーメラン現象そのものだ。

沖縄の反基地活動は県民の民意を反映しているといったお題目がいかに空虚で実態とはかけ離れたいることを証明しているといえる。それが沖縄県民にもようやく理解されてきた。その結果、今年は「辺野古ゲート前」の惨状となって現れている。

2年前、翁長雄志沖縄県知事が「辺野古に基地をつくらせない」と大号令を発して沖縄の反基地活動が最高潮に沸騰したかに見えた。この動きは「オール沖縄」の総意として左翼メディアなどによって盛んに喧伝された。しかし、それも昨年後半から急に崩れ始めた。

一つは前述したような活動家たちの背後にある実態だ。活動家のほとんどは官公庁の労働組合員や組合や左翼政党の組織員、あるいは革マルや中核派といった過激派といってよい。しかも、県外ばかりか韓国など国外からの活動家も多いことが明らかになってきたことだ。

二つには「オール沖縄」トップで号令をかける翁長雄志沖縄県知事の権力基盤が危うくなってきたことだ。昨年末最高裁で、知事が決めた辺野古埋め立て取り消しが違法と判断されて、知事は取り消しを取り下げざるをえなくなった。その後「あらゆる手段で埋め立てを阻止する」と公言しながらも何ら具体的行動に出ていない。

知事の無策が彼を支持する県内の新聞や政党特に社民党の不信感を増幅させている。それが今年行われた二つの市長選で露呈した。二つともオール沖縄の候補が政権与党の候補に敗れてしまった。しかも宮古島市長選挙では何とオール沖縄が候補者を一本化できず分裂のまま共倒れする始末だ。

翁長知事は過激な反基地活動を支援する社民党や社会大衆党に距離を置くようになっている。これが逆に沖縄のメディアや社民党や反基地活動家たちの反発を招き。オール沖縄は深刻な内部分裂を引き起こしている。

そんな県政のゴタゴタや反基地活動の無法状態に多くの県民が嫌気がさしてきている。基地問題の実態を冷静に見つめるようになってきたといえる。県民の民意を振りかざす知事をもってしても簡単に踊らされない。また、いくら甚大な影響力を持つ地元新聞など沖縄メデゥアが煽っていても、その神通力はもはや衰退を止めることはできない。「辺野古ゲート前」は白け鳥の溜まり場になりつつある。


追記:諸般の事情ですでにブログの更新が2か月半も途切れてしまいました。今後はできるだけ間を空けないようにしたいと考えています。


高江の山賊たち

2016-09-28 20:48:20 | 沖縄の虚像と実像

沖縄北部の高江では今、反日左翼がヘリパット建設を阻止しようと乱暴狼藉を働き無法地帯と化している。そもそもこのヘリパット建設は、米軍がこれまで所有し使用していた膨大な北部訓練場の半分を日本側に返還する条件として米軍より提示され、日本側が了承したものである。返還される土地は約4000ha(40k㎡)であり、その代償として東村高江地区などに造られるヘリパット6か所の総面積は3.6haに過ぎず桁が三つ違う。(ウィキペディアより)

6か所のヘリパットのうちすでに2か所は完成しているが、残り4か所の工事を始めようとした今年になって、同じ沖縄の辺野古などで反基地活動をしている連中が高江のことで騒ぎ出した。「新基地反対」などと叫んで政府に全面対決している左翼活動家すなわちプロ市民がその北部にある高江にそのまま移動した状況だ。

約4000haの土地が返還されるのだから、沖縄のとっては喜ばしいはずに違いない。これに反対する理由がわからない。森林が破壊されるとか、オスプレイが危ないといか屁理屈を言っているが全く理由にならない。沖縄ではすでに自然破壊が進んでおり、米軍基地にこそ自然が残っているといってよいほどだ。今時オスプレイが危険だと騒いでいるのは沖縄の基地反対派だけであり、世界では安全性が極めて高いというのが常識だ。彼らにとっては日米同盟の軍事的存在が疎ましいだけであって、結局反対のための反対に過ぎず、絶えずその舞台を探しているわけだ。

高江では工事を進める防衛省関連の工事車両の搬入を阻止すべく、反対派の車両が工事現場入口の県道片側車線を塞ぐ。その周辺を活動家たち(多い時で200名程度)が監視を続けている。工事車両を見つけると車の前に立ち塞がり侵入を阻止しようとする。

沖縄県警や県外の機動隊も随時出動して反対派の妨害を排除しよとするが、その抵抗は言語を絶する。路上に座り込むだけなく、なんと工事車両の車体の下に潜り込んでそのまま伏す。彼らを排除するのに警官数人がかりで一人の活動家を引くずり出さなければならない。活動家と言っても組合 OB高齢者が多くて排除で負傷でもしたら警察の批判を免れないからだ。

しかしそんな座り込みも序の口だ。活動家たちはもっと機能的な?行動に出た。なんと「検問」を始めたのだ。県道や農道に「検問所」を設置し通過する車両をチェックして「怪しい」車両は通過させないようにする。ここに至って高江は無法地帯というより治外法権化してしまった。そこに君臨するのは反日左翼プロ市民という名の山賊である。沖縄がここまできたのかと仰天せざるを得ない。

これで一番迷惑を被るのは地元高江住民だ。高江は辺野古とは違い県道は1本だけが走りあとは農道だけという山村で、人口も200人程度でコンビニなどない。そこに反基地活動家が集計したのだからたまったものではない。日常の農務などでは車が不可欠であるが、反対派が道路で騒いでいるのでその通行がままならない。高江側は住民車両を証明するステッカーを貼って通行を認めてもらうことも考えた。しかし、実際高江の住民はヘリパット建設を容認していたのだから、今度の検問に及んではその怒りは沸騰した。検問で退却を指命じられて怒った高江住民が「検問員」を殴る事件も起きている。これも基地反対活動家の乱暴狼藉のなせる業であり、怒った高江住民に同情を禁じない。こんな山賊行為を許す気にはいかない。

江戸の昔、松尾芭蕉奥の細道(尿前の関)で昼間でも薄暗い東北の樹海を死ぬ思いで通過したlことを記していた。屈強の若者の先導があったとはいえ山賊の集団に遭遇したら命の保証はない。芭蕉は「今日こそ危ない目にあう日に違いない」と覚悟をしたという。現在の山賊こそ命の心配はないだろうが、その不気味さは300年前と変わらない。現代に芭蕉がこの沖縄を訪れたら、こんな句を詠んだかもしれない?

荒くれや道に横たふプロ市民

(芭蕉さん、失礼しました!)

 


こんな知事いらない!鹿児島と沖縄

2016-09-17 13:50:23 | 沖縄の虚像と実像

反原発と反基地、左翼メディアが強力に後押して当選した二人の県知事が県政を今や混迷へと陥れようとしている。これら知事はいわゆるシングルイシューの公約で住民のポピュリズムを煽って当選した。原発は再稼動させない、沖縄に基地をつくらせない…しかし、こんな子供だましの手法が実際の行政でいつまでも通用するはずがない。

まず、今年7月に当選したばかりの三反園教鹿児島県知事。すでに昨年から稼動している川内原発に対して九州電力に運転停止を求めた。避難計画が十分ではなく「安心が担保されない」などと言っているが、よく考えればこんなのは理由にならない。

知事は今年発生した熊本地震でのことを挙げて「川内原発の稼働に住民不安が高まった」とも述べている。しかし、今度の熊本地震では川内原発は何の影響も出なかった。また、知事にいわれなくてもより強い地震が起きれば原発が自動停止するようにできている。電力会社から見れば「余計なお世話」だろう。

結局「熊本地震による原発への住民不安」は左翼反原発メディアが意図的に煽ったとしか、言いようがない。その主導的役割を果たしたのが朝日新聞、そして同系列のテレビ朝日である。三反園氏がテレビ朝日のキャスターであったことを考えれば、知事の公約は「マッチポンプ」「自作自演」とも言ってよいのではないか。

当然、九州電力は知事の稼働中止要求を拒否した。停止権限がない知事には「不満」を表明したが、如何ともしがたい。しかし、この公約を安易に下ろすわけにはいかない。今後のいろいろと手を打ってくるに違いない。左翼メディアや一部反原発市民の支援を受けている以上、その看板を下ろすわけにいかない。そうしなければ、自分の知事としての任期を全うできないのだ。

しかし、こんな反原発知事のスングルイシューに付き合わされる鹿児島県民はたまったものではない。これは公約ではなくイデオロギー行使に近いからだ。したがって、知事が「避難対策」を九州電力に要求しているが、これは反原発からの観点から考えるべきもではない。原発とは関係なく一般の災害対策として認識すべきものであsる。そして、知事自身が政策を立案し実行すべき性格のもののだ。九電よりもまず県民である。対峙する相手を間違えていてはまさに本末転倒といってよいだろう。

次に翁長雄志沖縄県知事だ。三反園知事の「先輩格」といってよく三反園氏の「末路」を予感させる。この翁長知事も選挙にスングルイシューで当選した人物だ。「辺野古に基地をつくらせない」の一点張りで国の政策に反対ばかりしてきた。前知事が承認した辺野古埋め立て承認を翁長知事が取り消したことで最初から国とは泥沼の対立が続いた。一時が国が譲歩して話し合いが持たれたが、県側が埋め立て承認取り消しの姿勢を変えないため国は司法の判断を仰いだ。

そして、昨日、高裁で国の全面勝訴の判決が出た。当然といえば当然の話だ。県は長年基地負担を強いられてきた被害者だと、感情を論振り回すだけで何ら取り消しが正当である根拠を示せなかった。結局「県民が民意が反対」では話にならない。

昨年埋め立て承認取り消しを表明した前に、翁長知事は検証のための第三者委員会を設置した。しかし、そのメンバーが翁長知事の息のかかったものばかりで最初から結論ありきの形式的な検証に過ぎなかった。まさに茶番でしかなかった。辺野古に基地をつくらせないというシングルイシューの公約を実現するためのワンプロセスに過ぎない。

翁長知事が就任して2年近く経ったが、沖縄の政治の話題といえば、この基地問題一色といってよい。翁長知事のエネルギーは基地問題に集中して他の業務がおろそかになってしまった。この問題で政府との折衝で度々上京したり、アメリカの政府要人に訴えるために訪米したりした。また、こんなに裁判所に出頭する知事も珍しい。あげくにはスイスのジュネーブにある国連人権理事会で「沖縄の自己決定権がないがしろにされている」と、まるで沖縄独立を示唆するような発言までしている。多額な経費と時間を伴って。

この翁長知事を支えているるのが沖縄左翼だ。特に沖縄タイムズ、琉球新報という2大県紙が沖縄の世論を牛耳っているといってよい。それも「反基地」という強力なイデオロギーによってである。これに呼応して革新政党や組合、市民団体、さらには過激な左翼団体が結びついて沖縄をイデオロギー闘争の巣窟にさせてしまった。

翁長知事はこれらの左翼勢力の力を借りて知事に就任した。以前は辺野古移設に賛成であったばかりか、旗振り役でさえあった。しかし、知事として権勢を振るいたいばかりにそれまでの敵役とまで手を結んだ。だから、政府とは決して妥協することはできない。許されないのだ。妥協すると途端にこれが左翼勢力が翁長知事に牙をむく。これは知事生命を危うくするものだ。

こんな知事のイデオロギー先行の政策に沖縄県民は大迷惑であろう。県の産業が育たず依然観光に依存し生活水準が本土と比べて低い。多額な振興金でハードのインフラは充実しているが福祉や教育などソフトが立ち遅れている。あるいは中国の軍艦が沖縄の海を侵犯し脅威が身近になっているいるのにこの有様だ。

しかし、沖縄メディアの厳しい言論空間で県民の本音はなかなか表には出てこないのが現状だ。翁長県政もこうした支持勢力の顔色を伺うばかりでとても県民の方に向いているとはいえない。そして今度の敗訴で対決する国からも厳しい攻勢を受ける。前途多難というより八方塞がりの状況だ。

三反園鹿児島県知事がこの沖縄県知事の後を追うとしたらまさにこんな知事はいらない!シングルイシューのイデオロギー先行の県政に早く終止符を打って、県民の声をしっかりと汲み取る本来の知事に交替してほしい。

 


全国反日左翼プロ市民沖縄大会

2016-06-21 20:07:00 | 沖縄の虚像と実像

今月19日沖縄で行われた女性殺害事件に抗議する県民集会は、例によって超水増しの動員数が左翼メディアで盛んに喧伝されていた。主催者発表では6万5千人を豪語していたが、なぜか、参加者全体を映し出す航空写真や映像がほとんどなかった。週刊新潮や産経新聞などにかかれば簡単に「実数」を見破れてしまうことを主催者や左翼メディアは恐れていたのか!?

おそらく実際は「4掛け」程度の2万5千人前後だろう。沖縄の集会の実態を熟知している人が以前、主催者発表のカラクリを暴露していた。彼によれば、沖縄特に左翼集会では、動員された人々がそれぞれ複数の組織に加入していているという。つまり、政党、組合、有志連合などだ。それぞれの組織の動員数を合算すれば、当然例によって異常に水膨れするという勘定だ。

そして、動員数以上に問題なのは、参加者の構成内容だ。これについては保守系メディアが指摘するように、オール沖縄とは名ばかりで共産党、社民党など左翼政党が主導していて、自民党や公明党の関係者は参加を拒否している。沖縄の自治体の首長たちも同様だ。理由は、事件の犠牲者哀悼に名を借りたイデオロゲー色が強い政治集会だということだ。つまり、日米安保を否定し米軍基地撤去を叫ぶ極めて過激な主張に基いているといえる。

だから、参加者は決して一般の沖縄県民とは言えず、左翼政党管理下の組織・団体に所属するプロ市民と見るのが妥当だろう。さらに、集会の動画を見ると、演説者の発言では「沖縄県内外、国外からの来場者」といみじくも参加者の出身地をほのめかすような物言いがあった。昨年の「県民」集会でも他県から総勢動員されたことが指摘されたが、今回も同様だ。そういえば動画では会場で関西弁と思しき怒号が聞こえた。

ところで、この県民集会の直前は中国の軍艦が沖縄の海を傍若無人といってよいほど侵犯していて、本土のメディアが盛んにその模様を伝えていた。しかし、沖縄のメディアは全くと言ってよほど中国の侵犯を伝えていない。当然、この集会でも話題になることもないし、むしろひたすらこの問題を無視しようとしている、集会の親玉に成り上がった?翁長雄志沖縄県知事も全く中国を批判していない。翁長知事が日頃強調する「沖縄は日本とアジアの緩衝地帯」という言葉の意味がこれでわかるはずだ。中国に媚を売り日本政府に敵対する反日といってもよい姿勢だ。

これは翁長知事に限らず、この集会に出席した人々に共通した立ち位置であろう。中国の軍事的膨張に対峙する日米安保を否定し、米軍基地撤去を叫ぶプロ市民たちによるこの集会がどんな性格かはこれで自ずとわかるだろう。オール沖縄ではなく「オール反日左翼」だ。それも全国のプロ市民が沖縄に大挙した集会、本当の一般沖縄県民は果たしてどれくらいいるのだろうか。

追記:警察の調べでは集会の出席者は2万人程度、やっぱりね!一般の沖縄県民は0.6%、プロ市民は73.8%、(プロ市民に付き合わされた人間は25.6%)、こんな感じか!?どこかで見た数字だ。


翁長知事の悪のり

2016-05-25 19:25:21 | 沖縄の虚像と実像

沖縄の女性殺害事件に端を発した反基地騒動は本当に目に余る。沖縄に基地があることが犯罪の原因だと決めつけ、在沖米軍に常規を逸したヘイトスピーチを繰り広げている。そして、今やそんな運動の「親玉」に昇格した翁長雄志沖縄県知事がそれを煽って自ら憎悪を増幅させるような挙に出る。これでは沖縄が殺伐とした異常空間になるのも致し方ない。

そもそも、女性を殺害した米国人は2年前に米海兵隊対を退役して、今や日本人の妻と暮らす沖縄県民である。新聞では軍属などと書いているが、もはや米軍に監督下にある人間ではない。基地で営業する民間会社の会社員にすぎない。勤務外の犯罪で当然日本の警察に逮捕されに日本の裁判で裁かれる。いわゆる地位協定による特権などあろうはずもない。

それを基地があることが問題だ、地位協定を見直すべきだと翁長知事が盛んに吹聴し、対面した安倍首相にも訴えているのは非常にピントがずれている話だ。早い話がやっていることは政治利用でしかない。日頃「沖縄に新基地をつくらせない」と、馬鹿の一つ覚えにように言っている知事の政治的プロパガンダのために都合良く利用しようとしている。

そこには、無惨な死に見舞われた女性への厳粛な哀悼の気持ちなどさらさらない。自分の政治的野望を実現するための格好の武器にしようとしている。被害者の遺族は事件での取材を自粛するよう求めているようだ。これ以上若い女性の死を反基地運動などに政治利用されることを憂慮しているのだ。しかし、翁長知事を始め地元マスコミや左翼プロ市民活動家たちが、無理矢理ひとつの方向に沖縄そして日本の世論を誘導しようとするのは由々しき事態だ。

そして、翁長知事はこの余勢を買って安倍首相に対して知事がオバマ大統領に沖縄基地問題で直接対話できるように求めた。政府側がこの要請を断ったようだが、当然といえば当然だ。こうした二国間の外交問題は政府間、最終的には政府首脳同士で決めるものだ。それを一介の地方の知事がしゃしゃりでるなどあり得ない話だ。

たとえば、北方領土問題で北海道知事が安倍首相に対してプーチン大統領に面会して地元の現状を訴えたいなどと要請するようなものだ。こんな話、安倍首相が受け入れることはないし、プーチン大統領が応じるはずもない。

まさに翁長知事の「悪のり」といってよいのだが、この言動をメディアがまるで政治家の良心のように囃し立てるのが異常といえる。しかしそこは安倍首相の方が翁長知事やメディアより上手だ。サミットで訪日するオバマ大統領とは予定を前倒しして会談を設けるようだ。そして、この会談では沖縄の事件を取り上げ大統領に基地問題の改善を求めるという。外交は政府の専権事項だということを早速誇示する結果になった。

沖縄の今後でいえば、6月に行われる県議会選挙と7月の参議院選挙の動向が注目される。今の沖縄の雰囲気では反基地を唱える翁長知事や左翼性力に有利に働きそうである。いわゆる辺野古への移設を容認する保守勢力の苦戦が予想されるが、少なくとも現状維持が果たされれば保守勢力の事実上の勝利とも考えてよい。知事のさらなる悪のりなど見たくない。