粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

沖縄の政治が変わる転機

2016-01-23 18:21:04 | 沖縄の虚像と実像

翁長知事も志村候補者も本当に馬鹿なまねをしたもんだと思う。沖縄県宜野湾市長の選挙期間中になんと市内の家に戸別訪問して志村候補者への投票を依頼する様子がNHKのニュース動画でしっかり映し出されていた。

選挙中の戸別訪問は公職選挙法で禁止されている。これに抵触すると30万以下の罰金ないし1年以下の禁固に処せられる。候補者が自ら行えば、たとえ当選したとしてもその資格が失効する。翁長知事も有罪となれば知事の座にも重大な影響を及ぼす。知事辞任も十分ありうる。まさに致命傷といってよい。

現在、中央政界で甘利経済再生相の違法献金問題が大問題になっている。しかし、この市長選戸別訪問疑の方がある意味で悪質ではないかと思える。甘利氏は収賄という受動的な疑惑であり、これを仕掛けた主導者は業者の方である。しかし、翁長氏らの方は自らの意思で有権者の家に乗り込むという行為に及んでいるのだ。

こんな露骨な違反行為を知事と候補者が率先して二人三脚で行っているいること自体、沖縄の民主主義が麻痺して異常事態であることを物語っている。昨年の名護市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙では基地反対の左翼勢力が連勝したが、勝利の裏で悪質な選挙違反が横行していたことは公然の秘密となっている。

この無法を地元の新聞やテレビは全くといってよいほど報道しないばかりか、隠蔽する態度を取っている。あるいは、暗にこれを助長する姿勢さえ窺えるのは正に沖縄メディアの病状を物語っている。

しかし、今回は天下の公共放送NHKが真正面から堂々とこの選挙違反を報じていることは衝撃的だ。NHKの沖縄局内部にメディアの異常、特に反基地運動を支持する偏向報道が横行している、を憂いる良識者が動き出したということだろうか。

知事や候補者が平然と違法行為を行えてきたのは、沖縄のメディアが自分たちの協力者であるという意識があったのだろう。それによって当然見逃してくれるだろうという傲慢と甘えが増殖していいった。しかし、NHKが「マトモに仕事をした」ことで潮目が大きく変わった。この選挙を期に沖縄の政治状況は大きく転換していくものと思う。いや、そうなっていかなくては沖縄は危ない。


「職業としての売春婦」は全くの正論

2016-01-15 17:46:35 | 厄介な隣国

♪本当のことを言ったらお利口になれない…。47年前の流行歌(「フランシーヌの場合」歌手新谷のり子)にそんな歌詞の歌があった。自民党内での会議で桜田義孝・元文部科学副大臣が戦前の慰安婦を「職業としての売春婦」と発言して問題になり、最終的にその発言を撤回したようだ。

「売春婦は職業としての娼婦(しょうふ)、ビジネスだった。これを何か犠牲者のような宣伝工作に惑わされ過ぎている」

「…そんなのは職業としての売春婦ということをね、もうちょっと、私は遠慮することはないと思うんだよね。そういうことを遠慮しているから、間違って日本でも韓国でも広まっちゃうんじゃないかと思うんですね」

桜田元副大臣の発言それ自体その内容は事実であり正論そのものである。慰安婦は売春婦であり、それ以上でもそれ以下でもない。元副大臣からすれば「本当のこと」をいったことでバッシュングをうけた。「お利口になれない」ことをしたと嘆息しているかもしれない。

桜田氏に難点をつけるとしたら、時期が悪かったということに尽きるだろう。昨年末の日韓合意で日本政府が慰安婦問題で韓国政府に対して謝罪と補償を表明したことで韓国がこれ以上、慰安婦問題を蒸し返さないということの言質を得た矢先にことだったからだ。日本政府としても今はこの問題で本音を吐くことで韓国政府の反発を招くことを何よりも恐れているのだろう。

それはこの発言に対する菅官房長官の記者会見にも現れている。「政治家一人ひとりの発言に政府としてコメントは控えたい」「自らの発言については自らが説明責任を有するのは当然だ」つまり、桜田発言の是非については触れず、本人で騒ぎを始末するよう求めている。桜田発言に関わりたくないという気持ちがありありだ。

そして桜田氏も「誤解を招いた所があり、発言を撤回する」といかにも事務的な文言で「説明責任」を行果たした。ここでも発言内容を撤回するというよりもむしろ日韓合意で敏感になっている政府首脳部に配慮したということにすぎない。自分の発言そのものは間違っていないが、この時期に発言してしまったという反省だ。

昨年末の日韓合意は公式の合意文種なるものはなく、日韓外相間の口約束に近いもののようである。だから、日本も韓国も自国の都合の良いように解釈していることは明らかだ。「軍の関与」とはいっても日本側は肯定的側面を強調したいだろうが、韓国は逆に慰安婦の人権を侵害する元凶のように解釈している。

桜田発言に対し韓国外務省が早速非難声明を出した。

日本の帝国主義膨張の過程で、強制連行された女性を対象に広範囲に行われた戦時の性暴力であり重大な人権侵害で、国際社会の共通認識だ。

強制連行された女性」「性暴力」「重大な人権侵害」といった手垢のついた捏造用語が並び果ては「国際社会の共通認識」という壮大な宣伝戦略で締めくくられている。こんな居丈高で欺瞞に満ちたプロパガンダを信じるわけにはいかない。しかし、昨年末の日韓合意は日本が韓国に再びその口実を与え日本を叩くための絶好の材料を提供してしまった。

ただ、韓国現政府は合意直後ということもあり、多少は遠慮する部分もあった。韓国外務省はこの非難の後に「「歴史の前で恥も知らない国会議員の無知蒙昧な妄言に、いちいち言い返す価値も感じない」「いちいち言い返す価値もない」ということでこれ以上この発言に拘ることはしない態度を示した。韓国側も「問題を蒸し返す」ことには控える気持ちがあるのだろう。

日本政府も韓国政府もこの合意の真相を国民に触れられたくないという姿勢がありありだ。いわば日韓内密での大人の対応ということだ。しかし、時間の経過とともにいずれ合意内容を巡って日韓の間でのすれ違いや齟齬が大きくなっていくだろうと思う。そうなったときに世論調査では日韓合意を支持している日本国民の意識も変わってくるだろう。「本当のこと」を理解して日本人自身がもっと「お利口」にならないといけない。

 

日韓合意と慰安婦の本質

2016-01-10 13:56:46 | 厄介な隣国

以前、あるビデオを見ていたら、ナチス占領下のパリが解放されてその戦勝を祝ってパレードする模様が映し出されていたが、特に印象に残った場面があった。占領時代のパリでナチスの愛人となった女性が大衆の面前で頭を丸刈りにされた上、パレードの車に乗せられ人々から罵声を浴びせられていたのだ。女性はその辱めのため終始泣き崩れていて、喝采をあげる観衆と対照的であった。

昨年12月28日に突然発表された慰安婦問題に関する日韓合意報道に接してなぜかあのパリのシーンが思い出された。日本政府は、慰安婦問題を戦時下の女性人権問題ととらえて、韓国政府に、旧日本軍関与で慰安婦の苦痛を与えたことを謝罪し、事実上賠償を支払うことを決めたが、慰安婦自体ナチス愛人のパリ女性とどれほどの違いがあるのだろうかとも思った。

もちろん、慰安婦そのものは貧しさから自分の意志に反して恥辱をなめた女性も少なくはなかっただろう。しかし、彼女たちは、一般兵士の何十倍ものを高額な報酬を受ける戦時下の売春婦であった。その収入から退職後に故郷で豪邸を建てた朝鮮人慰安婦も少なくない。また、労働環境も必ずしも劣悪とはいえず、休暇があって自由な余暇を過ごしていたようだ、

そして、肝心なことは軍の関与があるといっても、それがむしろ肯定的な側面が高いということだ。慰安所を運営する民間業者が慰安婦たちを虐待していないかたえず監視をして彼女たちの保護につとめていた。また定期的に軍医が検診して性病予防などに注意を払っていた。

だから、高額の報酬を手にして労働環境も決して悪くといえない慰安婦がどうして性奴隷といるのか。むしろ、慰安婦は旧日本軍に擁護された受益者といってよい。そんな彼女たちが旧日本軍に対して必ずしも悪い感情を持っていなかったことも推測される。当の軍人と結婚した朝鮮女性もいたくらいだ。

したがって、最近出版した慰安婦関連書が元慰安婦の名誉を毀損したとして、韓国で起訴された女性大学教授が著書で「慰安婦と日本軍が同志的関係があった」と記述しているのも納得できる。慰安婦と日本軍は敵対関係ではなく、協調関係といわないまでも同じ共同体の一員という意識があったと考えるべきでないか。

1965年の日韓基本条約で慰安婦問題は全くいってよいほど問題にされなかった。元慰安婦が韓国政府に「被害」を申し出なかったのはその待遇面もさることながら、日本軍に身を投ずることで恩恵を受けたという自覚があったといえる。

戦後の韓国は朴正煕政権で大統領自身は親日的とはいっても国民感情として日本統治を否定する風潮が強かっただろう。したがって、元慰安婦たちは日本に身を捧げた売国奴と国民から糾弾されることを恐れたと考えられる。いわば韓国を裏切ったと。(パリの丸刈り女性と違うのは戦前の韓国は日本統治下であり朝鮮女性も日本人であった。)

しかし、この慰安婦問題を日本のマスコミや左翼弁護士が火をつけた。それも日本軍が女性を強制連行して性奴隷として虐待したという捏造が一人歩きして騒ぎが大きくなってしまった。これが韓国の反日組織にさらに悪用され韓国国民の反日感情を刺激し韓国政府もこれを政治的に利用するようになった。

その結果、慰安婦は過去の実態から大きく逸脱して旧日本軍による可哀想な被害者に180度転換してしまった。元慰安婦として名乗り出た老婆のなかには年齢的に日本統治時代に仕事したとはとても思えない女性も見かけるし、果たして過酷な境遇を経験したとは疑わしいものもいる。正直いって、現在マスコミに登場するのは元慰安婦の大半は反日団体挺対協の指示のもと、「被害」を演出しているとしか思えない。

そんな韓国による政府挙げての日本たたきに日本政府がつきあう必要があったとはとても思えない。この合意で韓国政府が今度慰安婦問題を蒸しかわさないという言質を得たとしても、それが本当に歯止めになるのか。政権が野党勢力に移れば、この合意は反故にされる可能性は高い。

安倍首相は韓国が今後約束を破れば国際世論が許さないと語っていたが、国際世論なんて当てにならない。たとえば日本の政治家の不用意な一言の発言を韓国政府が鬼の首を取ったように騒ぎ立てて「合意違反」などと理屈をこねること必定だ。安倍政権の今回の合意は問題が多すぎる。その判断が悔やまれて仕方がない。