粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

基地県外移設など到底無理

2013-06-08 12:04:05 | 沖縄の虚像と実像

橋下徹大阪市長がオスプレイの飛行訓練の一部を地元大阪で引き受けると提案したが、すぐに猛反対にあっている。その移送先の飛行場がある八尾市の市長が受け入れに反対しているからだ。おそらく人口密集地での飛行訓練は住民の反発が予想されるので八尾市長として決して譲歩できないのであろう。

オスプレイだけでもこの騒ぎなのだから、基地の移設などとてもではないが、進んで受け入れる自治体などないだろう。比較するのも変だが、放射性廃棄物の最終処分場よりも困難かもしれない。処分場は安全管理をしっかりしておけば住民になんら影響がない。しかし飛行場としての基地なら付近住民は騒音や振動に悩まされるだろう。

鳩山民主党政権時代でも、橋下氏は当時大阪府知事として、普天間基地移転問題で一部肩代わりを突然表明したが、ただのパフォーマンスにしか国民には見られなかった。同じ頃、鹿児島の徳之島でも普天間基地移設の候補先として話題になったが、すぐに島民の反対運動が起こりあっという間に立ち消えになってしまった。

普天間飛行場の辺野古移設も橋本内閣時代から10年以上歳月を掛けながら進められてきた。その間鳩山内閣時代の「ちゃぶ台返し」で混迷はしているが、その修復に向けて努力が続けられている。すでに辺野古の地元の住民も移設に大筋で合意し、漁民も同意している。

苦渋とも言える県内移設がなんとか始動しようとしているが、沖縄の県や市町村の上層部は未だ県民の総意と称して「県外」の旗を降ろさないのは不可思議という他ない。現状では県外移設は困難であることは、基地問題を冷静に見ている人間ならわかるはずだ。そして最悪なのは移設が進まず普天間基地が固定化することだ。

社民党などの野党や市民団体が反対するのはもはや仕方がない。彼らの目は決して沖縄県民の方を見ていない。自分たちの主義主張を通すだけの目的で県内移設に反対しているだけなのだ。最も不可解なのは政権与党自民党の沖縄県連が参議院選挙の地域公約で「県外」を、明記しようとしていることだ。これは党本部の「県内」方針と真逆である。県連はいまだ「県民の声」という呪縛にとりつかれていて、なかなかそこから脱出できない。

「外なる敵」は当然いるが「内なる敵」ほど始末の悪いものはない。県外移設が幻想だということは、今回のオスプレイ大阪一部肩代わりが不可能であることではっきりしている。基地問題の解決を阻害しているのは誰なのか、しっかり見極めるべきだろう。