粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

武田教授の読み比べてほしい二つの記事

2013-06-10 10:20:33 | 煽りの達人

武田教授は小生の疑問に答えてくれたのだろうか。自分の6月5日のブログで「あの武田邦彦中部大学教授も、もはや甲状腺の『こ』の字も出てこない。」と教授の甲状腺がん問題の沈黙を指摘した。教授が甲状腺がんに言及したのは教授のブログ「原子力被曝 福島で甲状腺ガン50倍。国は子供の避難を急げ」(2月14日)が最後であった。まるで号外のような「武田スクープ」が踊っていた。

しかしその後環境省が福島県以外の甲状腺検査をした結果が福島とほとんど差がないことが判明した。最近では国連の科学委員会による「(福島県内の)住民が被曝した放射線量は低く健康に悪影響は確認できず、今後も起こるとは予想されない」といった権威ある調査結果が明るみに出た。これには武田教授もお手上げ状態で「勝負あった」と思い、自分自身も「ごの字も出ない」と軽口を叩いてしまった。

ところが自分の6月5日のブログに教授は発奮したのか、当日彼のブログで「反撃」してきた?(そんなことないか!)「福島、子どもの甲状腺ガン 増加傾向」(6月5日)という記事だ。でもおいおい、この「増加傾向」とはなんだ。4ヶ月前の「50倍」はどうなった。明らかな「訂正記事」である。お詫びの一文があってしかるべきではないか。

武田教授のブログで一番笑ってしまうのは「去年の甲状腺がん患者が3人から今年12人と4倍に増えた」と音声で語っていることだ。昨年の検査対象3万8千人が今年が17万4千人に4倍以上にに増えたのだから、患者は4倍になるのは当然だろう。決して増加率が高くなった訳ではない。小学生もわかる理屈だ。どこに「増加傾向」があるのだ。

福島県医大の「原発事故とは無関係」という発言に教授は「『科学』」や『医学』の知らない人の発言ならわかるが、非常識だ」と書いている。教授に非常識と言われても福島の担当者は苦笑していることだろう。

今回の国連の科学委員会の報告も、教授はWHO(世界保健機関)がチェルノブイリ事故2年目に安全宣言をしたのに4年後の病状が発覚したした例を挙げて疑問を呈している。今度も「4年後はまだわからない」と強弁している。4ヶ月前の「50倍」はどうしたんだ。教授は現状をどうとらえているのか立ち位置がさっぱりわからない。

もともと低線量被曝と疾病の関係は明確ではないのに、政治的に被曝を増やす発言や発表が続いている。私たちは「わからないのだから、法令を守るべき」という原理原則にもとづき子どもたちに対する責任を果たそう!!

結局教授は「(この甲状腺ガンに関して)わからない」と本音を白状しているようなものだ。自分自身、これまで武田教授に対して特に厳しく何度もブログで書いてきた。読者から、それについて「冷静さを欠いている」とクレームをいただいたりする。そんな人には是非、教授の2月14日と今度6月5日の記事を読み比べてほしい。訳のわからない煽り記事を冷静に分析し、「より安心(「絶対安心」ではない)」モードにシフトすべき時期ではないか。