粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

しまらない怪談話

2012-05-09 15:53:58 | 煽りの達人

例の武田教授「三重警告」ブログについてやはり今週号(5/17号)の週刊新潮で取り上げていた。さらば黄金の日々(12)「武田邦彦」センセイ曰く「あと3年で日本に住めなくなる」

ただしコンビニで一読したが、あまりにも「期待はずれ」の記事内容にがっかりして、レジに向かう気にならなかった。といって記事がつまらないということでない。新潮の舌鋒は相変わらず鋭いのだが、対象となる武田教授ブログの程度の低さは遺憾ともしがたいのだ。記事に登場する専門家3人のコメントも「論ずるに値しない」ともはや呆れ顔といった感じだ。鉄砲の球が飛んでくると思ったら、水鉄砲だった。

「何も知らないオヤジの井戸端会議」(高田純札幌医科大学教授)ということに尽きる。もともと武田教授の専門は「資源材料工学」であり、放射性医学や原子力工学などは素人で、もちろんこれらの科学論文の発表経験もない。また、武田教授が「年間5ミリシーベルト被曝すると白血病になる」と主張したのに対して、松原純子元原子力安全委員会委員長代理も自身数万倍のシーベルト単位の被曝を受けているのに全く問題ないとしている。つまり専門家でないおっさんがただ煽りに煽っているということなのだ。こうなるともはや武田教授の話は、怪談話といってよい。あるいはネットで誰かがつぶやいていたように、学研のオカルトマガジン「ムー」の世界であろう。ただその内容は、炭酸の抜けたビールのように味気のないものといってよい。

しかしいまだ、一部メディアには重宝がるところがあるのが不思議だ。関東のある民放ラジオ局では武田教授を始め、上杉隆氏、岩上安身氏など他のメディアがもはや相手にしない「論客」をゲストに使っている。このラジオ局に時々登場する「週刊金曜日」編集長がマトモにみえるくらいだ。考えようによっては、民主国家でこんなメディアがひとつくらいあってもよいのかも知れない。「放射能ストレス」の受け皿としてガス抜きになるだろう。ただし「怪談話」としてだが。