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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【23航海目】!

2015年11月21日 | モバイル
11月19日・女川港での水揚げ後、時化休みが決まったようで

9時30分・女川出港、気仙沼廻航
12時・気仙沼入港、時化休み!

来期の為の個人的な作業の用意がほぼ整った事から、
時化休みを利用して少しずつ始める事にした。

切り揚げまでには、自分なりの配置図作成の予定をたてて…。

…20日朝5時30分・僚船と共に気仙沼出港!

目指すポイントは那珂湊沖、ついに南海区が調査ポイントに…。



豪華客船と並走しながら、東からのうねりが残る南三陸沿岸を南下、
8時・金華山灯台通過…!





14時50分S/B。

S/B時から雨が降りだした…

あいにくの雨だが、公海の操業ポイントでは日が暮れていた時間でも明るい…

海水温も気温も高く、緯度・経度が変わった違いが歴然…!

17時30分頃より操業開始も群れは薄い…

薄群れを数回操業していた20時頃、突風と共にゲリラ豪雨…

操業中に南から北に風が変わり、しかも突風…
揚網態勢が逆になった…

船尾側の網を急いで揚げて、舵が効くようにして場を凌いだ…

南洋で云うスコールが約1時間程続き、突風がおさまった後も、風は残った…。
サンマが見えなくなり、薄群れ操業は夜明けまで…

そんな南海区も夜明け頃にはすっかり良い凪になった…。

夜が明けて、僅かな漁獲に終わったが銚子向け南下帰途航走。

21日朝7時30分頃、入港予定。

【22航海目】!

2015年11月19日 | モバイル
11月14日の女川水揚げ後、時化休みが決まり気仙沼に廻航!

冷水を冷却した後、久々に帰宅の機会が出来た…。

帰路途中の道は、もう落葉の時季…
11月も中旬…

庭の広葉樹も紅葉を終えて落葉が進み、冬近しの季節感…。

…夕食時、末っ子との語らいの中に、「あるサイン」を承けとった…

……子供なりに悩み事があって、父親でなければダメな時がある…

父親であり、船乗りであり、漁師であるジレンマが心痛い…

…15日朝、一緒の朝食後、後ろ髪を引かれる思いで船に向かった…

12時・気仙沼出港、うねり風共に強く、微速で沖へ…!

気持ちを切り替えて仕事だ…!

沖出し航海・機関部当直中に、

エゼクターポンプ吐出側パイプのフランジ溶接部から僅かな漏水…

ほんの小さな穴を見つけた…
造水機を停めて水を抜き、外して診ると電蝕である…

箇所を乾燥させて応急処置…
造水機再起動。

16日、14時50分・S/B。
ポイント到着時、風はかなり弱まったが、うねりは残った…

17時30分頃より操業開始!

纏まった漁獲で始まったが、次第にサンマは見えなくなった…

北よりに調査。
少しずつうねりもおさまり、良い凪に…!

薄群れを操業しながら調査範囲を拡げ、

日付けが変わって01時頃、再度纏まった漁獲があった!

網には今期初めて、付着したサンマの卵が確認できた…!

すっかり良い凪になり、寒気もゆるみ気温も高くなった…。

久し振りに汗ばみながらの操業も、05時過ぎ、東の空が白み 夜が明けた…

夜明けより微速で30哩程南下し、漂泊。

17日、15時・S/B。

日暮れから南よりに調査も、サンマが見えない…

操業を始めた船の付近を調査して行くも、反応がなく、更に南側へ…!

18時頃から操業開始も、群れは薄く、サンマの反応も深い…

薄群れを数回操業しながら調査範囲を拡げて行く…。

どうもサンマが浮かないよう…

23時頃から3時間程、南西側に調査範囲を拡げるも群れるサンマがいない…

次第に霧に囲まれ、久々の濃霧…

03時、僚船と共に西へ!

04時頃に調査終わり、漁灯を仕舞い、荒天準備しながら帰途航走…。

残った冷水をシフト・船首側のFOは船尾側にシフト、時化に備えた。

船は女川向け、Co255°!
19日・01時頃の入港予定。

【21航海目】!

2015年11月13日 | モバイル
強い南西の風で時化模様の海を北上し、11月9日朝04時、釧路入港。

水揚げ・氷の積み込み後、まだ残る風を懸念して、

16時頃の出港予定時間が組まれた…。

甲板は網のメンテナンス、機関部は各配管系統のメンテナンス作業。

冬海となって、揺れに揺れる船、再点検の機会がほしかったので、

良いチャンス(機会)が出来た…!

点検・メンテナンス作業の後、各々の個人仕込みも出来た…。

出港予定時間の30分前にエンジン始動も、即出港となった…

まだ風が残っており、左舷から風を受け船は大きなローリングを繰り返す…

微速で南下、10日、15時・S/B。

付近には外国籍船団が見えるが日本漁船は僅か…

どんよりとした空、北東の風強く、うねりも高い時化海…

支えながら漁灯を拡げ、甲板を操業準備。
船の周りはグレーと白の世界…

11月も中旬になるが、公海…
サンマ操業海区は、まだ沖なのだ…

この時期、沖よりの海区は季節風に追われ、陸よりの海区での調査になるのだが…

気象の風予報の想定圏外も、予想以上に海は荒れている…!

凪る時間を待つように、微速で調査しながら東へ…。

漁灯の明かりで見るうねりは白波となって、容赦なく船に打ち付ける…!

打ち付けた波が飛沫となり、強い風に乗って船首側から船尾側まで一気に飛び抜ける…!

波によって甲板のデッキが濡れると、滑りやすく、揺れる船上は足元も悪くなり、

新しい船とて、危険な職場に豹変する!
要注意だ…!

風が冷たく、雨も降りだして合羽越しの体は一気に冷える。

上部機関室の気温も、20℃をきった…

下部機関室エンジンルームとの気温差も少ない。

暑い暑いで始まったサンマ漁も、寒い寒いの時季になった…!

エンジンによる震動に加え、波が船に打ち付ける震動で、

機関室内見廻り時は、普段以上に神経を使う時化海…!

…S/B時に見えていた外国籍船団からは離れ、

本船を含め日本漁船8隻での調査。

19時・1回目の操業は、高いうねりと強風で体を支えながら…

漁撈機械にも網にも負荷がかかる為、時化海操業は労力的にも神経的にもキツい…!

微速で、時に支えながら調査範囲を拡げ、1回操業しては調査航走のパターン…

次第に漁り火が増えた、外国籍船団が調査範囲を拡げてきたようだ…

若干うねりが低くなってきたが、風はまだ強い…。

日付けが変わった頃、日本漁船の漁り火も増えてきた…!

5回程の操業、僅かな漁獲に終わったが、時化海での操業…

トラブルがなかったので、夜が明けてほっとした…。

11日、15時・S/B。

次第に風が弱まり、寒さもやわらんだ…

16時30分頃から操業開始!

やや纏まった群れを数回、その後、南側に調査して行き、

魚体組成の良いサンマの群れを数回操業するも、群れじたいが薄く、漁獲は伸びない…

夜明け近くには、うねりもおさまって良い凪となったが、

漁獲が伸びないまま夜明けをむかえてしまった…

夜明けより漂泊。

12日、15時・S/B。

日暮れから纏まった群れを操業し、早い時間に終わる勢いだったが、

うねりが高くなり、ほどなく季節風が来た…!

20時過ぎからはサンマが見えなくなった…

広範囲に調査も、操業できるような群れには当たらず…

日付けが変わってから、ライトを点灯させたまま固定、西よりに…

雨が降りはじめ、次第に風が廻った…。

03時・調査止め!
甲板を整理し、漁灯を仕舞い帰途航走となった…。

東北東の風を右舷船尾側に受け、追い風で西へ…

13日・22時頃の女川入港予定。

【20航海目】!

2015年11月09日 | モバイル
11月6日・19航海目で3つ目の目標をクリア!

偶然だが、昨年も11月6日・花咲水揚げ、23航海目が3つ目の目標クリアだった…。

ただ昨年より航海数が4航海少ないが…


サンマ漁には、毎年目標を持って挑んでいますが、

なかなか思うようにはいかないのが、第一次産業である「漁」!

「漁」は、いろんな事があり、いろんな事に左右される安定しない仕事でもある…!

そんな中、今期もとりあえず目標を3つクリアした事は素直に嬉しい。

最終的には後2つの目標があるが、これは厳しいよう…

いろんな事を考えながら…
いろんな事を思いながら…
いろんな事に直面しながら…
うまくいかない時もあったり…

それを含めての漁であるが、漁期間を無事に乗りきる為には
ある意味「運」もある!

無論、乗組員みんなの頑張りも大切です!

そして各人が、その仕事で得るキャリアというのは大きい…

人それぞれ置かれた立場や配置されたポジションによって

やるべき作業や、覚えなければならない仕事がある…

船に初めて乗船してから、漁種を代えた時、乗組員が代わった時、

担当作業が代わった時、立場が変わった時、甲板・機関と異動した時…

その時に学習しなければならない最低限の項目がある…!

それを先伸ばしすると、後に当たる壁がある。

海技免状取得後、一等機関士として配置された時、

当時の機関長に告げられた、「今年は、操機長に教えるので来年教えるから!」…

…その言葉には、納得も理解も出来なかった…

その時に学ばなければならない最低限の事があった…。

ここにいてはダメだと思った!

その船は下船し、模索した。

徐々に学んでいく事と、すぐに学ばなければならない仕事は違う…

自身、船乗り生活が34年を数えるが、キャリアというのは、まだまだ足りない…

経験・体験した事がない事がまだまだある…!

作業しながらも、日々学ぶものがある。

経験・体験した事のない事が起きた時の対処が一番恐い気がする…。

漁も後半戦、この辺で更に気を引き締める為に、敢えて解禁前の緊張感を思い返す…!

何かを忘れていないか?
時期的な事も踏まえて、再チェックだ…!

…道東・花咲港が、公海のサンマ漁場から一番近い…。

水揚げ・氷の積み込み後10時花咲出港、南下。

23時・S/B。

漁灯を拡げ、ライトも点灯、調査開始!

暗闇の遠い水平線に薄明かりが見える。

花咲港から我々より先に出港して行った根室船団数隻の漁り火…

沖よりに調査して行き、操業中の他船団の付近で02時頃に操業開始!

久々に魚体組成が良いサンマの群れ…

1回操業しては調査航走しながらも、夜明けが近づくにつれ、

季節風が強まり、うねりも高く、寒さも本格的な冬海…



画像は、ライト当直に向かう防寒仕様・若人Y

僅かな漁獲に終わり、夜明けより沖よりに微速で航走。

季節風とうねりで、船は揺れに揺れる…

7日、15時・S/B。

冷たい季節風が強く、厳しい寒さ、うねりもまだまだ高い…。

他船が南側に調査して行く中、本船と1隻が操業を始めた。

次第に季節風は弱まり、サンマも群れはじめた…

まだうねりは高く、サンマを汲み上げている時に網が破損…

箇所がさいわいして、サンマは逃げなかったが…

回数操業中、網の破損は数箇所を数えた…。

時間の経過と共に漁獲が纏まり、南側に調査して行った船が戻り、

本船を含め、9隻が同ポイントで操業。

日付けが変わってからは、うねりもおさまり、良い凪となったが、

夜明け近くには、更に寒さが厳しさを増した…

満船とはならなかったが、纏まった漁獲で夜明けより帰途航走。

手がかじかむ寒さの中、傷んだ網の交換作業を経て

船は釧路向け、9日・04時頃の入港予定!

【3つ目の目標クリア】!

2015年11月06日 | モバイル
6日、03時45分・花咲入港。

05時から水揚げ、この水揚げで3つ目の目標クリア!

昨年も11月6日・花咲港での水揚げで同じ目標クリアだった…。

昨年23航海目に対して今年は19航海。

今期は航海数で4航海足りていない…

残る漁期間も、頑張っていかなければ…!!

20航海目・10時花咲出港、南下中!