18日朝、久慈港での水揚げ後、
いよいよ最終航海の出港、Co100°
FAX天気図を見ると夜半から海況悪化が予想される。
15時スタンバイ、16時40分から操業開始!
水温10.6℃ 他船なし。
19時頃、雷光が合図のように冷たい雨が強く降り始め、
一時的に粒の大きな雹が、甲板に音を立てて落ちてきた。
20時頃からは北西の風が強くなって、海面には白波が立ち、
風波でうねりも高くなった…
それでも順調な漁獲を続けていましたが、
21時、更に風雨が強まって嵐になり、
操業をあきらめて集魚灯を仕舞い荒天準備!
あと操業1回、不足分4~5トンというところで…
「もし、朝方凪れば操業を再開する」との事で
漁労長は船を風上に向け「支え」中
(不定期に折れる高波やうねりに合わせ
微速航走からクラッチを中立、航走をストップさせて
船にぶつかる波からの衝撃をかわす) 我々は室内で待機!
平成20年のさんま漁最終航海は
トラブルが多かった今シーズンを象徴するかのように嵐に邪魔され、
スムーズな操業終わりとはいかなかった…
夜が明けても嵐は治まらず、ずっと舵を持ち続けた漁労長に変わり
船長が舵を持ち、「支え」ながらも、船を少しずつ西へ…
19日11時頃から微速で航走、昼過ぎから風が弱まり、
夕刻トドヶ崎沖の陸寄り、
山のシルエットが見える辺りまで来ると、うねりも落ち着き、
コースを変え、全速力で南下帰途航走、女川向け!
16日11時に久慈港入港。
水揚げ後15時15分、集魚灯を出しながら久慈港出港 Co115°
20時45分スタンバイ、数隻が操業していたが
漁模様はよくないようで、すぐに各船航走した。
操業準備後、Co90°でライトを点灯させ固定したまま調査航走。
船団の操業ポイントは更に沖!
23時頃にポイント着、23時20分頃から操業開始、水温12.5℃
薄群れを操業しては北東側へ調査のパターンを繰り返し、
ようやく連続で操業できる壺サンマにあたり、
6回程操業も群れは薄く纏まった漁獲とはならず…
操業時の集魚灯の切り替えで赤灯のみとなった時、
東の空が薄明るくなってきているのに気付いた。
もうそんな時間に…
その後1回操業し、6時10分、夜明け。
残念ながら魚艙3ヶ所が残り、沖泊まり。
1時間程潮昇せの航走後漂泊!
洋上での久々の朝日は重くなった瞼に眩しく感じられた…!
17日は、15時から漁労長による水温調査が始まり、
16時 航走ストップ、魚探(魚群探知器)のモニターには
色が薄いが水深30mまでの反応があり、16時30分から連続操業!
ライトには全く跳ねない為、
ライトはゆっくりと深いサンマを廻すように動かす。
操業毎に底の方から反応の色が濃くなり、
底から湧き上がるような、群れの濃い壺サンマ!
4回目には網の下のサンマに揚網前の網が持ち上げられる…
昨晩とは漁模様も魚体組成も一転、
この時期には珍しい形の良いサンマ!
操業前、12.3℃だった水温は13.4℃に上がっていた!
18時30分、終わり。
これまで積んだ事がない程の積み荷で船足重く帰途航走、
18日朝の水揚げに向け久慈港へ!
14日18時、石巻入港。15日朝から水揚げ、
水揚げ後の氷を積み込む前に、金華山沖の鱈縄漁に乗り組む
「三陸海人」さんが船に訪ねてくれましたが揚げ出しの為忙しく、
ゆっくり話している余裕がありませんでした。(申し訳ありません)
10時40分、石巻出港北上! 16時スタンバイ
各船も揚げ出しで、先を走っている船は
前航海の操業ポイントより南西側で操業を始めたらしい。
19時30分頃から操業開始、水温12.5℃
1回操業しては北上調査航走というパターンが続きましたが、
なかなか壺サンマにも大群にもあたらない…
更に北上し、水温10.1℃ の澄んだ青色系の水色で
集魚灯の灯りの下には「ジャミサンマ」が多く集まった…
調査航走が続き、
3時を過ぎた頃からめっきり気温が下がり、寒さが厳しくなった!
操業回数は15回を超えた4時半頃にようやく終わり。
帰途航走は久慈向け、
16日11時頃に入港し、今回も揚げ出しの予定。
12日19時に女川入港、接岸後に
潜水士が潜って船底を確認してみると、
栓(網目の蓋)が外れて無くなっていたという事で、
栓を新しく取付ける作業が潜水士によって行われました!
4ヶ所がボルトで締められているのですが、
ボルト穴がふけていて溶接で固定、
どうやら大丈夫になったようです!
「水中溶接」で上架せずに済みました。
13日朝女川港での水揚げは、11日晩に一緒に操業した3隻。
水揚げ中、女川港に係留していた僚船や各船が
一斉に出港して行った。
我々も水揚げ後、10時15分に女川出港、凪良く北上。
いよいよラストスパート(予定は後、4航海)!
15時のスタンバイ後、
夕食を済ませていつものように各自、合羽や手袋をはめていると
「目指すポイントまでは、まだ40哩程あるので休んでいるように」
と漁労長。
19時頃から北東の風が強まり、
良かったはずの凪が一転、海面が波立った!
21時、スタンバイのベルが鳴り、操業準備。
操業中の船団は前航海の操業ポイントよりも
更に北側へ調査しているようだ!
21時45分から操業開始、水温9.3℃ 冷たい雨も降り出し、
厳しい寒さの中、壺サンマを6回程連続操業して更に北上!
日付けが変わった頃から風向が北に回り、
海が次第に凪始め、
水温が9℃台から13.8℃~14.7℃と一気に上がった
N39°59, E143°53, 付近から
ライトの探照先でサンマが跳ね始め、
集魚灯の灯りの下、船の周りで暴れるサンマの大群!
久々にライトの探照動作に素直に従い、
サンマが跳ねながら次々と勢いよく船に向かって来る!
ライトを持つ手が冷たくかじかみ、
寒くて震えていた体が一気に熱くなった!
操業再開、大群操業!黒崎の沖合い約90哩。
「12月中旬、この時期までのサンマ漁はこれまで
あまり多くは経験した事はないが、
北ほどジャミサンマ(小)が多くなり、
房総沖での操業が主だったのですが、
今年は三陸の沖合いで形の良いサンマが多い、
シーズン序盤に見たあのジャミサンマの大群は?
あれから急激に成長したとは思えないが?
そういえば今年は、網に付着してくるサンマの卵を見たのは
10月中旬の1航海だけ(例年は数回見るのですが?)
サンマ(回遊魚の)生態系は不思議で謎だらけです… 」
冷たい雨の中での操業は3時に終わり、
僚船に群れを預けて南下帰途航走、石巻港向け!
14日夕刻の入港予定。