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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

さんま漁35 航海目!

2008年12月12日 | モバイル

銚子港に出入港し、先月末から

房総沖で操業していた福島船団は、

房総沖のサンマの魚体組成が

「ジャミ」(小サンマ)主体となった事で北上、

三陸沖に操業ポイントを移し、女川港には再び水揚げ船が増え、

10日の女川市場は約950tの集中水揚げだったようです!

11日朝8時、女川出港北上、帰港中の船が女川港に向けて行く、

目指すポイントは、女川港から北北東に約80哩程。

綾里崎沖から沖よりにコースを取り、

沖合い(緯度線は釜石の東沖)向け。

昼頃から南風が強まり、うねりも高くなって

船の揺れも次第に大きくなった。 予想外の海況悪!

スタンバイ時間を遅らせるとの事で、

15時過ぎから夕食を済ませて待機…

17時、航走ストップ、他船は2隻。

19時から北上再航走!

20時30分スタンバイ、21時から操業開始。

水温は10.1℃ 3回目の操業時、

エンジンの異常を知らす警報が鳴り響き、

機関室内の警報盤は「C/W温度上昇」

各機関の海水冷却圧力が低下しており、

海水冷却のラインを点検、ストレーナー(濾し器)を開けてみると、

サンマが詰まっていた!

船底の海水取り入れ口(キングストン弁)

の網目の栓が腐食したか? 外れたのか? が原因のようです。

メインエンジン、各補機の船外から海水冷却の

キングストン弁開閉バルブ前のストレーナーまでの管内を

通水しながら、何度もストレーナーを掃除、

2時間以上の時間を要し、1時過ぎから操業再開、

しかし、あまり船の周りにサンマを集め過ぎないように

集魚灯は船尾側の半分を消したまま。

それでも、サンマは入ってくる。

警報が鳴ると先に機関長が機関室に走り、

網からサンマを汲み終わると機関部従事者も入り、

急いでストレーナーに詰まったサンマを取り、

その作業が終わると操業…

と目が回るように忙しかった操業は朝5時終わり!

航走前に再度ストレーナーを掃除してサンマを取り除き、甲板へ!

気が付くと南風は西風に変わっていた!

強い西風の中、夜明けから微速で帰途航走、女川向け。

12日19時頃の入港予定!