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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

さんま漁36 航海目!

2008年12月14日 | モバイル

12日19時に女川入港、接岸後に

潜水士が潜って船底を確認してみると、

栓(網目の蓋)が外れて無くなっていたという事で、

栓を新しく取付ける作業が潜水士によって行われました!

4ヶ所がボルトで締められているのですが、

ボルト穴がふけていて溶接で固定、

どうやら大丈夫になったようです!

「水中溶接」で上架せずに済みました。

13日朝女川港での水揚げは、11日晩に一緒に操業した3隻。

水揚げ中、女川港に係留していた僚船や各船が

一斉に出港して行った。

我々も水揚げ後、10時15分に女川出港、凪良く北上。

いよいよラストスパート(予定は後、4航海)!

15時のスタンバイ後、

夕食を済ませていつものように各自、合羽や手袋をはめていると

「目指すポイントまでは、まだ40哩程あるので休んでいるように」

と漁労長。

19時頃から北東の風が強まり、

良かったはずの凪が一転、海面が波立った!

21時、スタンバイのベルが鳴り、操業準備。

操業中の船団は前航海の操業ポイントよりも

更に北側へ調査しているようだ!

21時45分から操業開始、水温9.3℃ 冷たい雨も降り出し、

厳しい寒さの中、壺サンマを6回程連続操業して更に北上!

日付けが変わった頃から風向が北に回り、

海が次第に凪始め、

水温が9℃台から13.8℃~14.7℃と一気に上がった

N39°59, E143°53, 付近から

ライトの探照先でサンマが跳ね始め、

集魚灯の灯りの下、船の周りで暴れるサンマの大群!

久々にライトの探照動作に素直に従い、

サンマが跳ねながら次々と勢いよく船に向かって来る!

ライトを持つ手が冷たくかじかみ、

寒くて震えていた体が一気に熱くなった!

操業再開、大群操業!黒崎の沖合い約90哩。

「12月中旬、この時期までのサンマ漁はこれまで

あまり多くは経験した事はないが、

北ほどジャミサンマ(小)が多くなり、

房総沖での操業が主だったのですが、

今年は三陸の沖合いで形の良いサンマが多い、

シーズン序盤に見たあのジャミサンマの大群は?

あれから急激に成長したとは思えないが?

そういえば今年は、網に付着してくるサンマの卵を見たのは

10月中旬の1航海だけ(例年は数回見るのですが?)

サンマ(回遊魚の)生態系は不思議で謎だらけです… 」

冷たい雨の中での操業は3時に終わり、

僚船に群れを預けて南下帰途航走、石巻港向け!

14日夕刻の入港予定。