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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

秋刀魚の旬!

2009年10月18日 | 私事

4日程前に気仙沼市場入港船情報を見て一瞬、

秋刀魚水揚げ船と鰹水揚げ船との表示が被ったのかと思った!

見慣れない船名がズラリと並んでいたからであるが、

見直すとトン数表示が少ない!  北海道の小型船・・・!

もう南下して来たのか? と岩手県の情報を確認すると、

岩手各港にもやはり小型秋刀魚漁船が多数入港していた!

その晩、女川港に入港した友達との電話で聞くと、

「小型船のほとんどが津軽海峡を越えて来た」との事でした。

自分なりの目安(10月15日迄に黒崎沖に漁場が形成される)

で南下が遅いのかと思っていた秋刀魚は

台風18号通過後で海が凪た途端、一気に南下、

小型魚が主体だがまとまった漁獲がある

と聞いていた道東沖は漁模様そのものが低調気味となり、

ほとんどの小型船が一斉に南下秋刀魚を追ったようで、

それに伴い、三陸各港へ水揚げが集中して浜値が暴落・・・

この週末は自主的に漁を休んで調整する船がいるようです!

最近の南三陸は吹く風が秋らしく爽やか…

子供の頃の秋刀魚の旬は丁度今頃だったように憶ている…

今は秋刀魚が店頭に出回るのが早いが、

(24年前に私がサンマ漁船に初めて乗った時には

8月下旬の解禁で、9月下旬頃まで宮城の各市場には

なかなか秋刀魚を運んで来れませんでした。)

これは流通の進歩と各秋刀魚漁船の近代化と

鮮度保持への研究、努力によっての成果…

それでも私は今の時期の秋刀魚が一番旨いと感じるし、

秋刀魚の旬だと思っています!!

そんな中、私が乗り組んでいた「第二源榮丸」から

秋刀魚が届いた!

20091018

仲間である後輩二人が運んで来てくれた。

久々に見る「源榮丸の秋刀魚」は輝いており相変わらず鮮度抜群!

仲間達みんなに感謝しながらも、漁労長に電話でお礼を言い、

みんなによろしく伝えて下さるようにお願いし、

早速旬の秋刀魚をご馳走になりました。

我が家の子供達はみんな魚が好きで特に長男は焼き魚が大好き!

せっかくだから外で七輪に炭火をおこして焼こうとなった。

私が子供の頃は祖母が焼いてくれ、

そして焼き方のコツも教えられた。

そんな体験を息子に教える機会は滅多にないので

いい機会と思って団扇を使って、炭火のおこし方、

焼き方、身の焼き加減までを指示し、実体験させてみた!

炭火に秋刀魚の脂が滴り落ちて ジュゥゥー という音と共に

立ち上る煙からは焼き秋刀魚の薫りが広がり、食欲を誘う…

自分で初めて焼いた秋刀魚を食べて美味いと笑った息子、

「やっぱり秋刀魚の旬はこの時期だ」 とあらためて思った。

ただ、子供達は秋刀魚の旬を感じてくれただろうか?

子供の頃の夕方、何処からともなく焼き秋刀魚の薫りが

風にのってきて家路を急いだこの時期、

秋刀魚が美味い秋…

秋風にすすきの穂が揺れる…

船のみんなに感謝、秋刀魚に感謝、

この美味い秋刀魚が今後何年も三陸沖で獲れる事を願いつつ…