いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせすん (T様所蔵)
この47文字は、1文字も同じものを使わず、実はふかーい思想を
詠みこんだ歌だそうです。
平安時代末期に流行したと言われ、涅槃経の
「諸行無常 是正滅法 生滅滅己 寂滅為楽」を表すと言われていて、
改めて意味を調べてみると・・・
色は匂へど 散りぬるを
色美しく香を放ち咲き誇っている花も、やがては散ってしまう。
→諸行無常(しょぎょうむじょう)
我が世誰そ 常ならむ
この世に生きる私たちも、永遠に生き続けられるものではない。
→是生滅法(ぜしょうめっぽう)
有為の奥山 今日越えて
この無常の、迷い多き奥山を今日乗り越えて
→生滅滅己(しょうめつめつい)
浅き夢見じ 酔ひもせず
悟りの境地に辿りつけたなら、もはや儚い夢を見ることなく、
現世に酔うこともなく、安らかな心境である。
→寂滅為楽(じゃくめついらく)
とありました。
書では手習いの手本として身近な存在であり、魅力的なモチーフでもあります。
北大路魯山人、高村光太郎、棟方志功、勅使河原蒼風、上田桑鳩、桑田笹舟、
大澤竹胎・・それぞれに個性的で、何度見ても、いいなあって思います。
さてと。
この八月一日から毎日、一日一書を目標に一ヶ月、頑張ってきましたが、
明日からは早くも九月。
夜は虫の音に変わり、少しづつ秋めいてきました。
九月は書的に、まずは大好きな木簡のことを綴ってみたいと思っています。
時々のぞにきてやって頂ければ幸いです。