昨日は母と、東京新聞ショッパー社主催の写経会に初めて参加させて頂いた。
小雨の降る中、こんなところにあるの?と思いつつ、静かな雑木林を抜け、
奉納された赤い幟がはためく参道を行くと、ひっそりと佇む福王寺薬師堂が見えてきた。
写経会は、古くてりっぱな本堂で厳かに行われた。
丁度雨に湿った土と草の香りも心地よく、静寂の時と空間に、自然と正座をして
五感がゆっくりと深呼吸をしていた。
ご住職様から写経の進め方のご説明を頂く。
あたたかい笑顔のご住職様が、頭を深々と下げられる姿に胸が熱くなり、
なぜか目頭が熱くなった。
「速さや上手さは問題ではありませんよ。人は人、我は我ですからね、
焦らず自分のペースで、ごゆっくりどうぞ」と。
小さな丸硯の上で墨を磨り、下敷き代わりの般若心経が印刷された紙の上を、
丁寧に写経していく。
私は書の会に属していた頃は、毎年春に行われる写経会に参加していた。
そこではいつも、参考作品として、自由な般若心経作品を提出していた。
だから、こんな風にきちんと書いたのは、たぶん人生で二度目。緊張した。
書き終えた写経は、高野山に奉納して下さるとのこと。
そして、高野山に写経を送った枚数ごとに、10巻分で心経お守り1体、
50巻分で白檀片手念珠、100巻分で弘法大師御影軸が頂けるとある。
なんだか、子供の心のようにワクワクしてためてみたくなった。
今日は、高校時代ブラスの同級生だったはっちゃんの命日。
彼女は24歳の若さで天国に召された。 時を経ても、今日の日を忘れたことはない。
彼女はクリスチャンだったけど、今年も心を込めて、これからまた写経します。