心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

光と影

2010-02-28 | つれづれ
昨年12月に、ご自宅をギャラリーにして 作陶展 をされた藤澤重夫さんから
こんな写真が届き 写真はその展示会の DM

中野昭さん が裁断された紙に、藤澤さんの陶板と、私の『叶』の文字とのコラボ。

「フーっと風を吹いている風小僧のようなこの『叶』、お気に入りのひとつです」と。
ありがとうございます。。。

この写真、タイトルに「光と影に」とあり。

光と影に、叶う、叶わない、叶うとき、叶えれば・・と気持ちの揺れを感じたり。
そこに、一見無造作に蒔かれた陶片たちが、見守るように寄り添うように。

光と影の境目がきっぱりとしているようで、春を待つ日差しには滲みがあって。
そう、たぶん、私の境目にはいつも滲みがあるような 

ずっと答えを探しているはずなのに、
本当は答えなんてなくてもいいのかも・・なんて、ふと

見つかる、見つからない、見つけたとき、見つけたら。
凡人の私には、そんな曖昧さが、時には楽に生きるヒントだったり 

なんて、怠け者の言い訳に似たり。。

それにしても藤澤さんの写真、というか演出家としての藤澤さんにも
いつも刺激を頂いておりますです。

藤澤さんのブログは左のブックマークにもありますが
こちらからもどうぞ→ 藤澤重夫の器を游ぶ


あ。そして。まだちょっと先のお話ですが、いえいえもうすぐ。。

4月9日~4月27日まで、藤澤さんの地元、加賀・丸八製茶場ギャラリーで
「黒の器・白の器」~お茶を愉しむ~ が開催されます。


その展示会に、器・書・人形のコラボレーションということで、
人形の小川静代さん と、恐れ多くも、私も参加させて頂くことになりました。

緊張感とわくわく感もふつふつと。詳細はまた後日。


コメント (6)
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東京五美術大学連合卒業・修了制作展へ

2010-02-27 | 書展・展覧会情報

昨日の続き。。

現日選抜書展巡りのあと、同じく 国立新美術館 の1階、2階と野外展示場での
東京五美術大学連合卒業・修了制作展にもお邪魔して。(明日28日まで)

多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部、武蔵野美術大学。
どことなくそれぞれの大学のカラーを感じたなり。

繊細で都会的、自在で洒脱、純朴で清廉、奔放で豪快などなど。。
日本画・油絵・版画・彫刻・立体・映像など、それぞれに楽しめました。

母が既にくたくただったので  全部は拝見できなかったけれど
好き  って感じた作品を何点かご紹介。

これって写真載せていいのかなぁ・・と思いつつ。
(これまたNGでしたらご連絡下さいまし)

やっぱり、「色」には叶わないなぁって思う部分も正直あり。
それでも、書の作品を色で表現するには、どこか抵抗もあり。

色を追うと黒が恋しくなり
黒だけを纏うと、色に逃げたくなることもあり。

まだまだ修行が足りないってことか。。
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現日選抜書展へ

2010-02-26 | 書展・展覧会情報
                              越智麗川氏 

昨日は母と、3月1日まで六本木の国立新美術館で開催中の、現日選抜書展へ。


以前このブログで 神奈川新進作家展 をご紹介した時に
ステキだなって思った作品を勝手に掲載させて頂いたご縁で、
その後の書展でお目にかかることができた、越智麗川氏からもご案内を頂き 

この作品ステキね、と母が私に示したのが、偶然にも越智氏の作品で 

今回の作品は、太宰治の「人間失格」より。
神に問う 信頼は罪なりや 
果たして無垢の信頼心は罪の源泉なりや

4×4の中での大胆な構図と、ひとつひとつの文字に、そして線、空間、行間に、
この文言への思想、一貫とした集中、気迫を感じ。

単なる書の作品ではなく、作家の深奥からの心意、魂を吐き出したような姿に
ずんと、迫ってくるものを感じ 

ことばが生命を与えられた喜びのお返しに
見る者に投げかけてくるものの重さに圧倒された。

ただ文字を羅列し、体裁のいい薄っぺらな衣装を纏った書ではなく
私もいつの日か、こんな生命ある作品が書けたら・・って思った 

そのためには、もちろん書の鍛錬も大切だけど
なによりも、自分自身を生きるということが大事なのかな・・と 

越智氏の作品は、そんな風に私の心を震わせたのでありんした。
ありがとうございました 
またお伺いせずに写真も載せちゃってごめんなさいです

越智氏は、3月30日(火)~4月4日(日)銀座・鳩居堂4階での
第50回現日書展記念行事 「proiogue現日の力」にも出品されます。
また後日ご案内します。


そして・・ステキだなって思った作品を何点かご紹介。
NGでしたらご連絡下さいませ 


上:梅津鳴上氏 中:城所湖舟氏 右:山田篁園氏
下:幡野虹舟氏 中:浅野誉子氏 右:松村光風氏(部分)


順番は逆になったけど、先にお邪魔した町田市民美術展には、
蘭秀会から河野奉令さんが、半切軸作品の「幽讃天地」を出品されていて。
古典的な作品が多い中、個性的でした。




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雨ニモ負ケズ

2010-02-25 | つれづれ
                                 (はがき)

雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ   by 宮沢賢治

ずっと書いてみたいと思っている宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」
全文は→ こちらから


小学3年の時担任だった竹原先生は、本をたくさん読みましょうと
いつもおっしゃっておられて 

そんな先生のお蔭で、あの頃放課後は毎日、図書館にいたっけ 
宮沢賢治の作品も随分読んだ気がする。

風の叉三郎、注文の多い料理店、セロ弾きのゴーシュ、銀河鉄道の夜、よだかの星・・
(今となっては物語を忘れているものが多いけど  )

先生は今思い返すと、文学青年だったのかもしれない。
穏やかで静かな方だった 

友達と休み時間に、ラダー(確かそんな名前。はしごを横にした遊具で腕でぶらさがって進む)で
遊んでいた私は落下、右手首の骨にヒビが入る怪我をして。

とりあえず保健室で、大人しく痛みに耐えながら腰掛けていたんだけど
担任の竹原先生が様子を見に来て下さったら、急に涙がポロポロと 
今もその瞬間の、ほっとした気持ちを覚えている。

いい先生だったなぁ・・と、宮沢賢治を読むたびに。
数年前、風の便りで急逝されたと伺い、もう一度お会いしたかったなぁと


you tubeでこんなの見つけたので  
東北弁朗読「雨ニモ負ケズ」

こんな風にさりげなく大らかに、雨にも負けず風にも負けずと生きたいものでありんす


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獨坐大雄峯と書くには

2010-02-24 | 漢詩
                            (大判はがき)

獨坐大雄峰 (どくざだいゆうほう)
大雄峯に向かい一人座禅す。

書では割とよく書かれる文言。碧眼録より。

羊毛でじっくり粘って書いたつもりだけど、
ことばの意味合いからすると、伸びやかさも足りない。。

やっぱりこのことばは、せめて半切位の大きさに
で~んと広がる中国の山並みのようなスケールで表現せねば。。

イメージはこんな感じ(↓中国・黄山)



あれは・・もう20年近く前、私の師が団長を務められた書の団体での
中国ツアーに母と一緒に参加して、この断崖絶壁のような 黄山 にも登った。

途中、誰が運んで作ったのかと信じられないような長く傾斜のある石段が続き、
年配者は途中から、強力(ごうりき)と呼ばれる青年二人が背負う
時代劇に出てくるような籠に揺られたり、おぶってもらって登る人もいたり。

運悪く頂上に着く手前で、雨は降り出すし寒いし、霧で何も見えなくなるし。
それでも、この写真のような景色の感動と、登りきった達成感もあって
辛かったという印象は残っていなくて 

黄山には仙人が住むと言われているそうだけど、
訪れる人たちを、仙人がどこかで見守っていてくれるのでせう。

う~ん。久々に黄山の景色を見ていたら、イメージ沸いてきた。
Kさん、そういえば蘭秀会展にこのことば選ばれたような 

「獨坐大雄峯」を書くには、まずはこんな景色を眺めて、感じるなり~。
でもって、私も次回はもっと堂々と悠々と雄々と・・書いてみたいでありんす 

黄山の景色はこちらのブログで拝見できます→中国ぶらぶらある記
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人生の正体は「喜」

2010-02-23 | つれづれ
                            「天真」 (はがき)

生きている今の自分の心の持ちようによって
ものごとは、いい面が見えたりその逆にも見えたり。

よく負の連鎖なんてことばを聞くけれど、
つまりはたぶんそういうこと 

棟方志功がこんな感じのことを言っておられた。

 美の正体とは、ありとあらゆるものの中にひそむ「喜」。
 小さな自己への執着をやめ、もっと大きな宇宙観での作品づくりをしたい。


・・・美の正体は「喜」。
そのことばに、なんだかドキドキした 

そして。
人生の正体も、日常の中にひそむ「喜」であるような。

人は人生で、どれだけの「喜」と出会えるのかしらん。

「喜」は、あまりにもさり気なく傍にいるもんだから、気づかないこともあるけれど
なるべくならば見落とさないように、心は天真を保っていたいでありんす 

そんな思いで・・「天」は伸びやかに、「真」はお茶目に書いてみたつもりなり~

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もっと時間を感じながら

2010-02-22 | つれづれ
                             (はがき)

冬来たりなば春遠からじ

季節のちょっとした変化にも気づかずに、日々を慌しく、騒々しく暮らしていると
こんな思いも抱かずにあっという間に、日一日、一年・・と過ぎて行くような。

人は自然とともに生きるのが、一番しあわせなのだと、
このことばを書きながら、しみじみと

目には見えないけれど感じるもの、
そこに目を、心を届かせるのが本当の書の見方である・・と思う。

そして、技を駆使した典麗を纏ったものよりも
見えないものの中に無限の深さを持つものが
本当にすばらしい書である・・と思う。

それは書に限ったことではなく
私たちの日常という中でも言えることである・・ような

もっと、「時間」を感じながら生きたいなぁ。
もっと、感じる心を見つけられるように 



今日は、きーちゃんの一周忌。
一緒に暮らした12年間を思い出しながら偲ぶなり



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私のうしろに道はできるのか・・

2010-02-21 | 書の話
                            (半紙)

いばったって駄目だ。
見る人が見れば見え透いてしまう。
飾ったって駄目だ。
嘘をついても駄目だ。
無心にその人の力量だけ出していればよい。
そういう素直な心が出るだけで書はたのしいのだ。

洋画家であり水墨画、書、陶芸、随筆など多彩な作品を残した中川一政氏のことば。

彼の書展を初めて観た瞬間に、書を学びたいと思い、
更にこのことばは、私にとって書への夢や希望を抱くには十分なものだった。

書は、ただ文字を並べて意味のわからない漢詩を書くだけじゃない。
この線が、この空間が・・と講釈を並べて、理屈を競うだけのものじゃない、と。

もっともっと。
まだまだまだ。
何をしても中途半端な自分に、気力も自信も見失う日も多々..

何が余計で、何が足りないのか
たぶんもっともっと自分自身を曝してえぐらなければ
書の、人生の、本当の楽しさには到達できないのでありんすかねぇ 


僕の前に道はない 
僕のうしろに道はできる  (高村光太郎)


*中川一政氏の作品はこちらから→真鶴町立中川一政美術館
左のブックマークにもリンクはってます。

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箱ねこたち

2010-02-20 | 
                          隠れてるつもりのみーにゃ

猫はなぜだか箱が好きなのであ~る

箱を見せると、早く早く・・ちょっと!と、目をまん丸にして
中を覗き込んで隠れてみたり、ご満悦の表情になるのでありまして。
 
でもって、飼い主はそんな猫たちを見ては、和むわけでして

某アメリカ版巨大スーパーに行くと、梱包用に置いてあるダンボールに
キレイでちょうどいいのがもらえるので、友人が買い物に行くと聞くと、
ダンボールもらって来て~と。

そんな猫ハウス、いくつか常備。
なんてったって・・猫ですから、すぐ飽きるんです。
特にみーにゃ様は、こだわりがあるようで。

今はダンボールハウスじゃなくて、
押入れのアンカを入れた衣類用収納ケースがお気に入りでございます。
お蔭で中身の引き出しの行き場がなく、部屋の隅に邪魔者扱いとなっとります

猫は狭くて暗いところが好きみたいだけど、妙に落ちつくのかな。

こちらも箱ねこ。見返り美人?のぷくぷく



週末は久々にちょっとお天気回復とか。
皆さま、どうぞよい週末を~

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Nina Simone にむせび泣き

2010-02-19 | つれづれ
                         「残心」 (はがき)

さっきまで、久々にNina Simone のCDを聴いていて。

You tubeで彼女の歌を探していて、見つけた10分27秒の画像。
久々にむせび泣き。。

今日はただ、その画像だけをお届けしたくて。

最初のぶっきらぼうな表情
からだ、指先、表情を通して伝わってくるひとつひとつの音に込められた
鳥肌が立つほどの・・搾り出すような情感・・

やっぱりNina Simone はすごい。
すごい・・の後に、心の中に説明できない何かが沸々と。


事の成り行きをそれぞれに想像しながら・・10分27秒。
お時間あったら、じっくりどうぞ 

Nina Simoneの  Feelings


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