心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

長楽無極

2015-03-30 | 書の話
                        (半紙)


長楽無極(ちょうらくむきょく)
楽しいことが長く無限に続きますように、の意。

極細面相筆で。
点は丸っこくして統一感をば。

長の点々は上の方にくっつけて、楽の木の点々は離すことで
呑気な表情にならないかな、と

無は長の縦長に対して横に平らめにして、無の上部の余白を、
また、極を小さく書いて、無との字間を広くすることで
全体の余白も広く感じられないかしらん、と 

書は、線と空間(余白)が大事って思うのでして。
私の書の師の世界は、まさに線と空間の極み。

先日、同門だった笛吹花さん がウィーンから一時帰国されたので
90才になる師のお宅に一緒にお邪魔しました。

花さんとは20年ぶり近くになるとのことで。
彼女の現在のウィーンでの作家活動についてのお話を聞いたり、
作品集をご覧になりながら、とてもとても喜んでおられて 

私が出会ったのは師が60代、作家としても教えることに対しても
まさに油が乗った攻めの時代、教室では先輩諸氏が熱く厳しく
切磋琢磨する中で、興奮と感動と刺激に満ちた日々だったなぁ 

懐かしいなぁと、何度も何度も微笑んでおられる師にお目にかかれて
花さんと二人、改めて感謝の気持ちで満杯になりました

花さんは現在、黒と白、線と空間の表現を発表されていて
著名な作家と並んで展示されたり、美術館収蔵作品も多く
アーティストとして活躍されています。

十数年ぶりの再会でしたが、出会った頃と全く変わっていない風貌に
モノづくりをしていると年を取らないのかな・・と 

私はいろいろ中途半端だなぁと、反省しきり。。
師と花さんから、私にも湧き出るモノがあったということを
思い出させて頂いたので、おっし!

がんばるぞ~っと 

その日は、ちょうど師の郷里の越前蟹が届いたからと、ご相伴に預かり~。



その日は師がお一人だったので、私はというと勝手しったる場所なので、
お茶の用意やらもっぱら御給仕係。

3時間程お邪魔して、懐かしの駅そばのお店で花さんとまたぴーちくぱーちく。

同じ志を持つ友や、自分の知らない世界を持つ人との交流は
新しい活力をもらいますね。

春到来。
皆さまも外に出て、まだまだ知らない自分を探しに出かけませう。


花さんの作品集のご紹介は次回。
お楽しみに~ 

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萬物新たなり

2015-03-26 | つれづれ
                      (半紙)

萬物新(ばんぶつあらた)
よろずのものが新しくなる候じゃのおって意味。

ようやく春到来。
ベランダの植物たちも、知らぬ間に新芽がにょきにょき、嬉しそう。

陽気に促されて、気持ちも新たに生こうぞよってスイッチを入れられるよう
久々にぶっとい線で大胆に書いてみたつもり~。

先日、外猫のことで相談をした、我が家の猫さまたちがお世話になっている
動物病院のK先生がこんなお話を。

 今をいきませう。
 人にできる最大のことです。
 背負えるキャパが生きざまですよ。


やだ、いいことおっしゃる~ 

不安要素を後生大事に抱えて閉じ籠っていたら、
足腰、脳や気持ちの気の流れが悪くなるばかり~と、
父母を叱咤激励しつつ、私も春に誘われて動き始めるぞ~っと


今日の1曲は、以前よく聴いていたTrain の Drops of Jupiter
動画は、一人、一人と集まって
新しく何かが始まる予感のわくわく感があって、いい~



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第12回醜美舎展れぽーと

2015-03-25 | 書展・展覧会情報

22日まで銀座かねまつホールで開催されていた醜美舎展は蔵元訓征氏主宰。
臨書作品と自由な創作作品が並びます。

それぞれ作品をクリックで拡大します。

   
蔵元訓征氏 

   
柿田辰巳氏   水内温子氏  (お名前あとで追記します)

  
「光」 (お名前あとで追記します) 

  
若松春翠氏「大吉」

同じサイズ、同じ形式で並ぶ臨書作品。
以前は私もいろいろな臨書をしていたのに、最近は木簡、隷書、甲骨・金文ばかり。。
教室では隣の席の母組が、米芾や顔真卿、趙子昂などを臨書していて、
嗚呼・・落ち着いて臨書に没頭したいなぁと改めて 

画像クリックで拡大します↓
 


毎年、蔵元先生はじめ陽気で楽しいメンバーの方々との一杯も楽しみに
お邪魔しているのですが、今回は駆け足観覧で残念でした。
毎日飲んでるから疲れたよなんて仰いながら、相変わらず満面の笑みの蔵元先生に
お目にかかれて、なんだかHappyな気持ちになりました~ 

過去の展覧会の模様→醜美舎 ">醜美舎HP とここここからも


作品を創り続ける中で、表現したい、伝えたいという強い思いがないと
観る者に、刺激も感激も感動も喜びも届けられないということをしみじみ 

ある人が、私は感性がないから・・とよくぼやくのだけど、
感性は筋肉と同じだと思う。

感じること、そして感じたことをことばや形にしていく作業を繰り返したら
感性の筋肉がムキムキしてきて、感じることがもっと楽しくなるはず。

自分は感性がないと思っている人は、そのやり方やきっかけがわからないだけ

え?そうなの? じゃあそのヒント、教えて~という方がいらはいましたら、
是非一度、インテリアの書の教室に遊びにいらして下さいませ~
あちらのブログはすっかり更新が追いついていませんが、
新しいこと始めたいと思っています

お問い合わせはコメント欄か、左バー上になる「メッセージを送る」をクリックして
お気軽にどうぞ~ 

コメントは非公開で受け取れます。 
メッセージを送るからの方は、連絡先アドレスもお忘れなく~

・・っていきなりのご案内、春なので、私もまた新たな感性探したいです 
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塩川素子さん個展レポート

2015-03-23 | 書展・展覧会情報

22日が終日だった2つの展覧会のレポートをば。
まずは同門だった 塩川素子さん  の個展 ink art by SHIROKI から。

会場のアメリカンクラブは会員制の施設だそうで、高級感漂う落ち着いた雰囲気。
地下に降りてすぐの空間に、躍動感溢れる作品が一堂に。

海外でも展覧会を開く彼女の作品は、今回もおそらく越前和紙を使い、
墨は実験を繰り返した結果の独自のもの。

絵画的でありながらも、余白、空間、呼吸といったものには、書の流れを感じ、
その融合が、特に海外の方には、和でありながら絵画的という魅力を感じるのでせう。










中には銀箔を使ったものもあり、奥行きのある和モダンな作品で素敵でした。
その写真が残念ながらピンボケで、とほほ・・

以前お邪魔した個展の時もそのマチエールに想像力をフル回転させても、
どうしたらこういう線が生まれるのかわからなかったけれど、
一瞬の中にある無限の可能性を探す作業、そこに強い生命力のようなものを感じるのでして。 

文字のデザインのお仕事や、広尾5丁目にあるお寺での書道教室を主宰するなど
益々活躍の場を広げる彼女には、色々と刺激をもらってばかりです。

私ももっと自分らしい世界を探すぞ~っと 


次回は醜美舎展をレポートします。


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うれしくても悲しくても

2015-03-22 | 山頭火・放哉・良寛
                             (半紙・習作)


山頭火のこの句は好きで何度か書いて いるのだけど。

うれしいことだけが、草を育てるというわけじゃなくて、
かなしいことも肥やしになるぜよ、って意味なのかと、
最初は深く考えもせず、単純にそう思ったのだけど。

うれしいことがある日も
かなしいことがあった日も
草はおかまいなしに、坦々と芽を伸ばすんだよなぁって
ことかいな、と


それくらいがいいって、
そんな風に、人生で起きるあれこれも
達観して、くっくっくって鼻で笑ってやり過ごせたらって思うのでして。

現実はそう簡単にはいかないこともあるけどね 

そういう思いとは裏腹に、どうも最近は細い線ばかり書いてしまうのは、
今の「気」がそうさせてるのかしらんと、以前書いたものを見て、ふと

心の免疫力をつけるには、よく食べ、よく笑い、よく歩き。
でもって、好きなことを見つけて愉しむべしし~。

書が好き、何かを描いていることが好き。
もっと貪欲に、好きを行進させたいものであ~る。

さて、今日の1曲は~。
やっぱり「好き」を行進させたらここへ帰るのかな  

この曲を聴いてたら、全然違う「うれしいことも悲しいことも草しげる」が
浮かんでくるのでして 

Tom Waits- Waltzing Matilda




うう・・なんていいんだろう

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写真と書の共鳴するところ

2015-03-19 | 書展・展覧会情報

気づけばこの週末は春分の日。
春一番が春分まで吹かなければ、その年の春一番は来ない、と今朝の天気予報で。

自然現象で季節の変わり目や、次の季節を感じる日本人としては
春一番のない春なんて、という思いもしないでもないのでして。


さて。
昨秋から日々を駆け抜けるように過ごしてたので、
伺った書展や写真展、楽しい出来事を記録できずにおりましたが
今更ながら、この場に残していきたいと思います。

今日ご紹介するのは、2014年12月22日~12月28日にブログつながりの
のぼるさんも出品されていた JRP50年・現研40年記念写真展。
 *JRP=日本リアリズム写真集団

土門拳、木村伊兵衛氏などの作品も展示されていました。
期間中、岐阜からいらはるというので、写真展にご一緒させて頂きました。



会場に着くと、入口に大きなポスターが貼ってあって、
なんと、のぼるさんの作品が大きく載ってました。



それが最初の画像、右上のかっこいい女性がサングラス越しに
こちらを見ている写真です。



のぼるさん曰く「気が付くと女性を撮ってる」

あ、これオフレコ? 

女性と言っても美人に限るという訳ではないとかで、
「インパクトのある」存在感を感じた時、シャッターを切るそうで。

ほとんどがモノクロの写真、そしてきっと一瞬のタイミングで撮られた写真、
その一発勝負の感覚は、一次元の書の感覚とも似ている気がします。

写真と書、全く違う世界のようですが、それぞれの在り様を知ると
共感する部分もたくさん見えてくるのでして。

実は私も写真を撮ることが好きで、特に人や動物の表情を探すのが好きなのでして。
でも頭が理系でないので(?)カメラの操作がどうしても覚えられずいつもオート撮影。

のぼるさんや、みのりさんの写真を拝見するたびに、
一度カメラの教室に通ってみたいって思っています。

のぼるさんのブログは⇒父ちゃん坊やの普通の写真

一瞬の光と影を捉えるのぼるさんの感性に、私も刺激を頂いています 

のぼるさん、遅ればせながらのレポートとなりましたが、その節はありがとうございました 
日々の写真も、次回展も楽しみにしています♪
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滲む

2015-03-18 | 前衛・抽象
                          (半紙)


    「滲む」って、いい言葉だなって、ふと。


    やさしいから。

    静かだから。

    湿度は慰めるから。

    恩着せがましくないから。

    結果じゃなく、過程だから。


    滲むような思いは、遠く歩くと

    その先の世界と、知らず知らずにひとつになってゆくから。



    久々に今日の1曲は Ed Sheeran - One

    つい最近まで爽やかな青年のイメージだったんだけどなぁ 
    でもパワーアップしてて、どんどん好きになって中 
 
    この滲む感じが好き  

    
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展覧会情報 若冲と蕪村とか 

2015-03-17 | 書展・展覧会情報

少しづづ日が長くなって春の気配も感じる今日この頃。
花粉症の季節でもありますが、私は幸いにも今のところ無縁 

ただ2月3月は、1年の中でも一番仕事が忙しい時期でして、
なかなか更新できずにおりますが、皆さまいかがお過ごしでせうか~。

春近しということで、展覧会のご案内がいくつか届いているのでご案内をば。

まずは、3月18日からサントリー美術館で始まる
「若冲と蕪村 生誕三百年 同い年の天才絵師」

西洋絵画にはない、筆の勢い、空間の余韻、余白。
そこには、答えなどないと言っているような、自由奔放なものを感じるのでして。

5月10日まで開催しているので、ぜひ行きたいと思っています♪



クリックで拡大→

詳細はこちらへ→ サントリー美術館


そして、毎年お邪魔している、蔵元訓征氏主宰の醜美舎展
3月18日~22日 10:30~18:30 最終日は17:00まで

ダンディでユーモアたっぷりの蔵元先生のお話は、いつ伺っても楽しいのでして~。
会場にいらしたら、メンバーの皆さまもとても気さくでいらはるので、
是非お話伺ってみてくださいまし






続いて~何度かご紹介している石田象童氏の個展が、小杉画廊で 

3月31日~4月12日 11:00~18:00 (最終日~16:00) 4/6休廊
作家在廊日:火・水・土、日



地図 クリックで拡大→



そしてTENでもご一緒させて頂いていている桃太郎氏の個展。
4月1日~4月12日 10時~16時 (6日は休廊、入廊は30分前まで)
ちばぎんひまわりギャラリーにて。



クリックで拡大→


私も6月5日~7日に蘭秀会展、翌週10日~21日まで
地元ギャラリーでの個展があり作品制作始めてます。

今日は蘭秀会展の参考作品を書き始めたら、楽しくなって1枚、また1枚。。
なかなか思うように書けないけれど、不思議なくらい書が好きという思いに感謝です

書に限らず、まだまだ知らない世界を見るのは、いと楽し~
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NAU展レポート (遅っ)

2015-03-14 | 書展・展覧会情報
山崎倖子氏の作品 「出逢いっていいね」


先月、国立新美術館で開催されたNAU21世紀美術連立展のレポートをば。
遅っ。。

美術展ということで、絵画、立体、フレスコ画、そして書と様々あり
皆さまの作品を拝見しながら、表現することの楽しさ、無限の可能性を感じました。

その中で、私が一番好き~ となったのは、
↑の山崎倖子さんの作品。

全体も、どこを切り取っても素敵




水墨画なのかな。
耳付の和紙に墨と銀箔で書かれています。

墨の滲み、穏やかな線、物語を感じる構図から、
色は使っていないのに楽しい色や、音楽や話し声が聞こえてくるような。

山崎倖子さんのブログにお邪魔したら
私もたくさん刺激を頂いている井上有一や中川幸夫といったお名前が出てきて、
わ。響くものが似ている?て、嬉しくなりました 

NAU展の時は、懇親会にもお名前はあったのにお目にかかれずに残念でした。
次回、個展を見つけたらぜひお邪魔したいと思います 

 山崎さま
 作品画像、NGでしたらお手数ですがコメント欄にご連絡下さいませ



さてさて、会場全体の模様からご案内します。






書は墨人会のメンバーの方々が、中心となっておられるようでした。

墨人会は1952年に森田子龍、井上有一、江口草玄を中心に結成された在野の書団体、
その流れをくむ作品群でした。



そして油絵の瀬戸栄美子氏の個展コーナー。
どの作品も、私の好きな世界で、ずっと眺めていたいものばかりでした。
画像載せていいのかわからないので、この1枚だけ。。



と思ったら、作品満載のサイト、見つけました~ ⇒ Emiko Seto Art Gallery

やっぱり素敵 

まだまだ作品はたくさんたくさんありましたが、
NAU展レポートはこれにて。

私も今回初めて参加させて頂き、美術の世界から見た書、
あるいは書のアートとしての可能性等々、感じるものがありました。

まだまだ知らない世界、知らない自分を探して行きたいです
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響き合いの形

2015-03-09 | 前衛・抽象
                   顔彩・ポスターカラー/半紙(部分)



色と音について、ふと。
色には音があるような。
そして音は形を作るのだとしたら。

それぞれの色に音階があるとしたら、
この絵からはどんな音楽が聞こえてくるんだろう、ってふと。

目に見えないもの中には周波数があって、
それらが知らないところで響き合って、音や形を作っているらしい。

以前お邪魔した、天からの啓示~ガムランと般若心経というライブで
植物の電位データから曲を作られているという方の演奏があり、
面白いなぁと、興味の糸がつながっているんだけど 


大学4年の時、就職に関する適正テストみたいなのがあって、
同じ足し算を何度も繰り返す問題や、何に興味があるか等々の質問に答えたり。

で、結果は「あなたに適した職種はありません、もう少し現実的に考えましょう」
みたいなコンピューターさんからのアドバイスがあり。

その時書いたやりたい仕事というのは、確か・・
音楽や色や言葉を一つに融合する仕事、みたいなのを書いたのでして。

具体的な形はわからないにしろ、
そのイメージは今も変わっていないのかもって、ふと。

日々に負けずに、自分らしい表現の形をもっと貪欲に探していきたいなぁ。


さて、久々の今日の1曲、のかわりにこちらの動画をば。
音の周波数が形を生む感激をどうぞ~ 



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