心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

我逢人(がほうじん)

2007-08-24 | 漢詩


我、人に逢うなり。

今は残念ながら廃刊となりましたが、当時、文化出版局から創刊された、
季刊「銀花」別冊 手紙 という雑誌がありました。
その雑誌で初めて出会った、相田みつをさんのことばにも
「そのときの出逢いが人生を変えることもある。よき出逢いを」
ということばがあります。

その雑誌は、編集長の今は亡き細井富貴子さんや、スタッフの方々の
並々ならぬ熱い思いを感じる「ことばと字と絵の雑誌」でした。
最初の頁には、

みんな一生懸命生きているんだよなあ。
胸の中で、せつなく思っていること、字や絵や写真にして
それをあげたり、もらったり。
(あげなくてもいいの。自分で持っているだけでもいいのよ)
そんな人間の思いを、ほら、一冊の雑誌にしてみました。

と書かれていて、130頁以上もあるのに、その頁を表す数字は、ひとつひとつ
誰かの文字を使っていて、書いた人の名前が横に活字で印刷されていたんです。

そして最後の頁には、手紙ごっこをやりましょう とあり、読者からの
思い思いの手紙、はがきが掲載されていました。

その片隅には、字だけの手紙でもいいんです。手紙くださったら、編集者からも
必ずお返事書きます。じゃんじゃん書きます。印刷の手紙なんかじゃありません。
腕さすって、待ってます。 と。

なんだか半信半疑で、でも面白そうって思って、早速私も手紙、書きました。
ちょうど中川一政さんの書に出会った頃です。いわゆる絵手紙なんて、
まだない頃です。(この雑誌がきっかけにもなったんだと思います)

そしたら、ほんとにすぐに届いたんです。細井さんから。
「てがみごっこしましょ」の手書きの文字のはがきが。
更に更に、あなたの数字が次号の29頁に使われますとあり、ワクワク
ドキドキしたのを覚えています。

この手紙ごっこをきっかけに、私は下手くそな絵と文字を組み合わせた
いたずら書きを始め、書を本格的に習い始め、郵便局主催の書と、
当時ちょっとしたブームに成りかけていた絵手紙教室の講師として、
母と一緒に招かれ、その時の生徒さんとの関係は今も続いているわけです。

人生、本当に出逢いは大事。
でも、いい出逢いを~と言われてもどうやって?と思うかもしれませんね。

出逢うこと最初に求めても、いい出逢いはないんじゃないかなって思います。
自分の心にまっすぐに、「好き」を信じて、大切に探し続けたら、
自然と出逢いはやってくるように思います。

不思議と全てはつながっているんです。きっと。
私にとって、細井さんも、「手紙」も、相田みつをさんも、出逢うべくして
出逢った、我逢人 です。

感謝を込めて・・・















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