写真は’02の作品(90cm×180cm)タイトルは「只在」
前衛書を書くということ、それは私の場合~
あまり文字を題材にはせず、その時心に響く音楽を聴きながら
イメージするものを表現していくという作業でした。
だから「心象の書」と勝手に呼んでいます。
その作業の結果は、書以上に自分の知らなかった自分を教えてくれます。
私は以前はどうも無意識に、回りを囲う線がないといられなかったんです。
ある日、同門の先輩から「あなたにとってこの囲いは何なのか考えてみたら」と
言われて、心に響くものがあり。
以来、私のテーマは「只在」~ただある~
何の囲いもつっかえ棒もなく、自分でちゃんと立っていたい、
心を開放しておおらかで自由な存在でいたいと思ったのです。
それまでのローラーは捨て、神経質な線よりも太くてたっぷりとした
温かい線を探し、内よりも外へ外へと向うエネルギーに憧れるようになりました。
人はそう簡単には変われないとは思います。
でも知らなかった自分を知ることで、変われる・・というか、
もう一人の自分に出会えることもあるのかもしれません。