心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

第37回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展

2014-02-27 | 書展・展覧会情報
                       多摩美術大学 鈴木佑海さんの「形成」


毎年、現日書展と同じ時期に開催されている、東京五美術大学の卒業・修了制作展にも
お邪魔しました。 

若くて自由で、モノづくりが楽しい!というエネルギーがあって、
こちらもいつも楽しみにしています。

女子美術大学・東京造形大学・日本大学芸術学部・武蔵野美術大学・多摩美術大学、
それぞれのカラーが出ていて、おもしろいです。


「吐く息の白さに紛れ込む衝動」 多摩美 森綾乃さん


「Private zone」 女子美 大塚弓絵さん

今回、一番共感できた作品こちら。
「特定の人、特定の機能、その痕跡」 日本大学藝術学部 菊池 遥さん。



コンセプトを読んで、書の世界にも通じるものがあるある、と応援したい気持ちに。



これはもしかしたら、芸術の世界だけの話ではなく
もっとグローバルな、経済主義への語りかけでもあるような。

これからの私自身のモノづくりへの姿勢に、大いに力をもらいました。

彫刻やインスタレーションもあって楽しかったです。
国立新美術館で、3月2日(日)まで開催中。



左上の白い女性は、ここで編み物かなにかされてました。
その横を歩くご夫婦が、一瞬驚く様が見えました

蛙さんに和みました~



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現日春季展 レポートその3

2014-02-26 | 書展・展覧会情報
                       

昨日の続き、現日春季展レポート。

伊地知星夏氏 
「さ霧消ゆる湊江の舟に白し朝の霜 ただ水鳥の聲はしていまだ覚めず岸の家」

文部省唱歌の「冬景色」だそうで。
最初の部分のアップ↓



キレのある線、リズミカルな空間には、白く清々しい凛とした空気を感じました。

そして中谷翠泉氏の「上下」。
余白の余韻は書ならではの所作。

抽象はわからないとよく言われますが、書で鍛えた線、余白美は
まさに書の真骨頂だと思います。




今回気になった左:「文」は三宅剣龍氏、右:「凸凹凸凹凸凹」は高橋楓哥氏。

書風もいろいろある現日会。
刺激をたくさん頂いてきました。 3日まで国立新美術館で開催中。



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中原中也 トタンはセンベイ食べて

2014-02-26 | 書展・展覧会情報

昨日に続き、こちらも中原中也の詩を書かれた木原光威氏の作品から。
全体はこちら。



トタンはセンベイ食べて春の日は穏やかです
アンダースローされた灰が蒼ざめて春の日の夕暮は静かです 


坦々と降ってくる淡墨が、静けさを表わしているような。
ふと、この作品には朗読があうなぁと思いました。

音のない世界に聞こえる音、
その情景を、朗読とともに体感してみたい、と。

そう思って、中原中也で検索したらちょうど今年、
中原中也記念館では開館20周年を向かえるそうでイベントが盛りだくさん。

お。ありました~。4月29日に「空の下の朗読会」。
谷川俊太郎氏の朗読と息子さんの賢作氏のピアノによるライブ。

山口県は遠いけど、行ってみたいなぁ。。
ちょっと朗読にも興味が湧いてきました。

現日書展レポートの続きはまた次回。


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汚れつちまつた悲しみは 現日 春季書展 レポート(1) 

2014-02-25 | 書展・展覧会情報

3月3日まで国立新美術館で開催中の、現日春季書展に先週お邪魔しました。

最初の「夢」は、越智麗川氏の作品の最後の部分です。


「汚れつちまった悲しみは 倦怠(けだい)のうちに死を夢む」


全文は、中原中也の詩「汚れつちまつた悲しみに」

汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革衣(かはごろも)
汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは 倦怠(けだい)のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる


この詩の意味については、解釈が色々あるようですが、
越智氏の作品の中の、墨量や筆致、行間、字間といった空間から、
私なりに感じるものがありました。

固く絞った手ぬぐいから、尚も悲しみを搾り出すような激しい思いと
時折ふと我に返った瞬間の情の深さと。絶望と倦怠と。

そして、少し離れたところにたゆたうような 「夢む」。

そこにある、忘れてしまいそうな、希望。
そこにある、いとおしい、慈しむような、希望。


この作品は、書展会場だけではなく、
本当にこの作品を必要としている方のもとへ是非、届けて欲しいなぁと
ふいに、こみ上げる思いがありました。

もうお一方、TENのメンバーでいらっしゃる木原光威氏も
今回、中原中也の詩を書かれていました。

また違った魅力溢れる作品です。
次回はその木原氏の作品もご紹介します。


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墨イズム四 ご案内

2014-02-21 | 書展・展覧会情報


東京北区にある北井画廊で、6人の作家による展覧会が開催されています。
今日はそのご紹介をば。

以下、ちらしから抜粋。


2000年以上前から東洋の書画に用いられてきた墨。
脈々とつづくその歴史に裏付けられた墨作品の必然性は今もなお健在です。
多種多様な使用素材や表現手段が混在する現代の美術において、
墨から発する制作を敢えて「墨イズム」と呼び、本展では6作家の作品を展示します。


展示作家: 國定三無 小山みづほ 武井地子  
        田中逸齋 千葉蒼玄  綱島礼子
 
会期:2014年2月15日(土)~3月15日(土)
   12:00~19:00

会場:北井画廊
   東京都北区昭和町1-9-16 齋藤ビル
   電話:03-5692-6552

   JR高崎線・宇都宮線「尾久駅」より徒歩4分
   都電荒川線「荒川遊園地前駅」より徒歩4分
   



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第54回 現日春季書展のご案内

2014-02-18 | 書展・展覧会情報


書TEN でご一緒させて頂いている
現日会の皆さまが出品されている春季書展が開催されます。

 会期:明日2月19日~3月3日まで ※2月25日(火)は休館日
 
 会場:東京尾六本木 国立新美術館 3階3B室


今年の特別出品には、信頼と尊敬を寄せる越智先生のお名前も 

TENのメンバーの方は、越智麗川氏中谷翠泉氏木原光威氏伊地知星夏氏
谷合双辰氏、岡村雞守斎氏、多田翠香氏。

初めて展覧会に伺った時に「自由と奔放 燃える現日」というスローガンに、
興奮と感激を覚えた日のことを今も覚えています。

今年もたくさんの刺激を頂きにお邪魔したいと思います 

これまでの現日書展の模様はこちらから→ 現日書展
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雪がこうして ふりつづいている

2014-02-15 | つれづれ



              はやすぎず  おそすぎず 
              ゆきのひらも おおきくなく 
             
              それでも   ちゃんと 
              めにみえる          
              やさしさを  かたちどって 

              しずかに   けっして
              やすむことなくふりつづいている   
   
              ゆきが 
              こうして
              ふりつづいている 
              ふりつづいている
                             
              こんなふうに 
              生きていって と
              だれかのこえがした

 

2年前の冬、大自然の中で暮らす友人から届いたメール。
やさしい詩のようで。

起きる全てを、生きる力に変えられる
この詩の景色を、昨日はこの曲を聴きながら、心に描いておりました 

Jose James / Winterwind







昨日関東は大雪、ここ神奈川も先週より更に暴風雪でした。
お隣の駐車場なぞ、こんな感じに。



道の向こうには雪を被った丹沢山系。




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春雪

2014-02-09 | 漢詩
                                  (半紙)


昨日はここ神奈川も、とんでもなくすんごい暴風雪でした。

我が家は玄関の外に雪が積もって、
扉が開かなくなることもあるので2時間おきに雪かき。
ついでに階段も・・と、1日雪とつきあっておりました。

駐車場なぞは膝丈まで雪が積もり、これは当分車は出せないかなという程。
さすがに車も通らず、人影もなく、なので、どうなることやら~。


さてと。
久々に漢詩なぞをば。

教室で参考に書いてみた東方虬の春の五言絶句。
面相筆で緩急、かすれなどを意識して書いてみました。

春雪満空来 觸處以花開 不知園裏樹 若個是真梅

質問:どの文字を大きくするとか決まりごとはあるの?
私 :えっと、その文字がドラマチックを望んでるって感じた時・・かな。。


静かなイメージで横バージョン。




梅の香はまだもう少し先になりそうですが、
ここまで雪が降ると、春が待ち遠しい気持ちになりました 


今日は高校時代の同級生のライブがあるので、都内まで。
はてさて、今日も雪とおつきあいざます 

 
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こんな風に

2014-02-05 | つれづれ

Maia Hirasawa(マイア・ヒラサワ)という女性の「子守唄」という歌を
you tubeで検索していたら、どうもその曲はみつからないんだけど、
これを見つけた~。

以前テレビで1度だけ見た、JR九州/祝!九州キャンペーンのCM。
九州地方限定のCMだったので、見た人も少ないのではないかしらん。
このCMソングを歌っているのが彼女だったようで。

いいなぁ いいなぁ ♪
書でも、こんな風に、人と人が繋がること、できたらいいなぁ。



撮影秘話

「子守唄」が入ったアルバムリリース情報みっけ。
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福は内 鬼も内

2014-02-03 | 季節もの
                               (半紙) 「鬼福」


今日は節分。
節分とは、元々は「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日をさしていて
季節の分かれ目を意味していたそうで。

それが、春だけを言うようになったのは、冬から春になる時期を1年の境目として
今でいう大晦日と同じように考えられていたから、と。(by 語源由来辞典)

そしてこの日に厄払い、鬼走り、といった行事が
文武天皇(706年)の頃初めて行われたと。

そんな昔から現代まで受け継がれてきているということに、改めて
時代は代わっても人の願いというものは、変わらないのだなぁと


私は毎年、福は内、鬼も内と、豆を投げているのでして。
物事なんでも陰と陽、どちらもがあるからこそ、
気づくことも、嬉しいこともあるわけで 


今日のは半紙に小筆(蠅頭小楷)だったので、ちょっと痩せすぎな鬼さんだけど
鬼と福が睨み合ってる、もとい、
見つめ合ってる風をイメージして書いてみました~


鬼の目にも涙ってことばに、なんだかあったかいものを感じるのでありましたとさ 

で、ご存じかご猫さん。5匹のおに。
なごむ~ 

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