長期に渡りWE22Aホーンと格闘してきましたが、
最近ようやくそれが報われたのか、思い通りのサウンドが何とか流れるようになってきました
私の思い通りの音とは、ボワ~ンと膨らんだり・緩んだり・滲んだりしない
所謂ホーン臭のしない「ピントの合ったシャープなサウンド」なんです
エッジの柔らかい広がりのある、独特な響きが
それがホーンの良さだという方もいらっしゃいますが
私にはそれが音がズレて滲んだ音に聞こえるのです
ホーンの音が「嫌いなら使うなよ」と言われることもありますが
コンプレッション方式の音と、効率の良いホーンの音は好きなのです
それにMONOではたくさん感動的なホーンサウンドに出会ってるのです・・・すみません
⭐︎注、結論から言えば、
ホーンスピーカーは単独で一本で使うのが一番いいんです!
それを無理やりステレオで左右二台を合わせて音像を作ったり
レンジが狭いからと言って、高域や低域に別のユニットを付け足したりしては
絶対にダメ
ピントがぼけて、魅力が薄れるだけ、いや、無くなるだけです
ホーンスピーカーが良い音だなー、と思ったら、絶対に欲張らず
唯一無二のその魅力的なホーンの音で音楽を楽しめばいいんです
左右の欲・上下の欲、これがホーンスピーカーの天敵なんです!
※注、上記はブログとは関係ない、心の叫びです無視してくださいね
やっとステレオ・マルチスピーカーでピントの合った音を描き出し始めた22A、
シャープな音は、本当のホーンの音とは違うと他人に言われても、
大きなお世話
今まで行ってきた様々なセッティングを、チョット振り返ってみようと思います
まずおさらいを兼ねて、
なぜ、この22Aホーンスピーカーは向きや角度によって音色がガラガラ変わり、そのセッティングが難しいのかについて
上記の写真のようにホーンスピーカーの代表作WE 15A等には、外側に
Sound axisという線がが引かれていて
音の軸が目でも確認できますが、それが22Aにはありません
線を引けない理由があるのか・あえて引かないのか
引かれているのは木製合板の12A・15A等の大吟醸サウンドホーンで
これらは余計な音は削ぎ落とし、正に音の芯だけを拡声し味わう事が出来る「大吟醸サウンド」と言われています(勿論私が勝手に言ってます)
でも金属製のカールホーン22Aは音を削ぎ落とさずに拡声し
16A程強くはありませんが個性の強い拡声をするホーンです
まずその個性的なホーンの音軸を、
作られたばかりの真っ新な状態で、22Aの音軸やその音の特徴を探るために単独で
ほぼフルレンジ状態の音源で、各設置方法で鳴らしてみて音軸による違いを確認しました
その設置方法には、ドライバーを上にして上から下への「縦ロール設置」
ドライバーを下にしたから上への「昇天ロール」
横に向けて、ドライバーを内から外への「外ロール設置」と
逆に外から内側への「内ロール設置」の四つの設置方法があります
☆注、勿論私が勝手に名付けたものです
この縦ロール、横ロールでの音の違いは
我が家のような5メートルくらいの至近距離で聞く場合
はとんでもないくらいに音が変わります、
当然ですがWEが人の声をより本物らしく、を目標に演奏家技術者と共に開発したときは、5メートルの至近距離でこのホーンを使うなんて馬鹿げた想定は行っていないと思うので当然だと思いますが
大きなホールの隅々までどう、この素晴らしい美声を届けるか
そんな設計思想だったと思います。
裸の金属鉄板の状態のフルレンジ再生ではその個性がよくわかりました。
まず必要なのがホーンのデッドニング(笑)
様々なデッドニング方法がありますが、私が選んだ方法は素人でもできて
両面テープがすでに張られていて、ドライヤーの熱で温めれば細かいところも自由自在に接着できます、簡単でその効果は抜群ですよ
やはり縦ロールが一番エネルギーがあってストレートな音で、
オーディオマニア好みの音だった
注、ロールと言っても私のはスロートはロールしておらず、実際はカーブホーン昇天ロールに設置すると、正直ゴミが心配、全て振動板にゴミが集まってしまう気がして気が引けました
縦ロールで設置しその角度を調整するために建築資材でホーンを吊り下げ、
様々な角度に調整できるように配置し、その角度もいろいろ試してみました
音のピントの基準となったのは以前のシステムでの音です、
私の記憶で288FCと311-90のビシッと決まったシャープな音像です
この22Aを設計したA技師がご健在だったら何というだろう・・、
A:「バカヤローそんな近くで聞くんもんじゃない、これは遠くにいる人にリアルな美声を届かせる為に苦労して作ったんだぞ」
俺:わかっていますが、今はステレオと言って、音源は左右二つに分かれていて二本の 22Aに別々の信号を入れて、その真ん中で合わせて音像を描くのが主流なんです
A:「おおバカヤローそんなことは研究済みだが、二つの音源を合わせる?、ムリムリ全然そんな事想定して作ってない、いいかい焦点距離の短い家庭で至近距離視聴するには、まず位相や定位が安定してなきゃ聞けないよ、これはそんな事全然考えて設計してないよ」
A:「だいいちねえ、あんたがやろうとしてるのは望遠レンズを使って、近くのものを綺麗に写そうとしているようなもんだよ、無駄・・・・邪道、・・・、
馬鹿なことはやめな」・・・・・・、
技術者Aさんの、そんな言葉が聞こえてきそうだが・・・、
無視!
確かに今までもこの22Aがすごいな~、いいな~、なんて思えたのはMonoシステムでの話
ステレオで良いと思ったことは・・・・・・無いかな〜
でも仕方ない、T氏に騙されて二本買ってしまったからには仕方ない、
無謀なステレオ設置に挑戦し続けるしか無いです
滲まないシャープな音像を目指して更に様々な置き方を試して見ましたが、
偏屈22Aが描く個性的なステレオ音像の難しさが、予想以上に徐々に身にしみてきていました
だんだんわかってきた事もありました、
迫力を求めるなら、内ロールがいいのはわかりました
でも音の力はありますが、声が太くなり、
女性ボーカルの華やかさがなくなる、 16Aに近い様な・・、
低域バッフルを作りさらに大型化し、迫力での音の一体化を目指しました
音のスケールも大きくなりましたが、調整はより細かくめんどくさくなりました
上に上がった分ホーンは垂直になりましたが、
でも、上に上げてより立ててみてよく分かりましたが、
指向性の強い22Aは強すぎて、いくら角度を合わせてもそのポイントは狭過ぎて
頭一つ動かせば、声が変わるほどシビア
しかもその指向性の頂点ポイントは音の強さで動く
縦ロールで作った視聴ポイントは音の量、強さで音の軸が変わる、動く、
ついでに位相もひっくり返るような気がする、
なるほど、それで22Aにこの向きにはSound axisが引かれないのだ
至近距離視聴で指向性?(音癖)の一番強い聴き方は難しい
「ステレオで内振りした縦ロールはピント合わせが困難」との結論
というか合いません!
☆注、音量が絶対に変わらない、そんな聴き方なら合うかもしれません
大迫力で楽しむ我がシステムで、縦ロールではこれが限界でした
試聴の結果、横設置の「外ロール設置」これが一番音量の差によるズレが生じない置き方だと思います、
それにWEが人の声にこだわって作り上げたと言う言葉が一番似合う気がしました
これでほぼ 22Aの置き方は決まりましたが、
この後も低域との音圧を合わせるのにかなりの時間を要しました
結局「低域コンプレッショ+ディフェーザー」で紙臭さを消して
低音に圧を掛け、同じ音圧バランスにしなければ、音のバランスはとれませんでした
もう一つ難問の597Aツイーターの位置場所、
ロードを邪魔しない空中設置しても、ホーンの中側、外側、開口部揃え等、
様々な設置を行いましたが全てダメ、
22A・597A双方の音が濁る、暴れる、音も力も伸びない、
それに定位感なんて全然よくならないです
木製ホーンの15A等では問題ないし、WEでも木製ホーンでは行っていたようだ、だが、
金属ホーン同士のWE22AとWE597Aの仮想同軸設置はWEでは行っていないです
日本の某励磁スピーカーメーカーがこの設置を雑誌に載せたことで定説化したようだが、
確かこのメーカーも木製22Aだったと思います
とにかく22Aホーンロードには何も置かず、
これでやっと、静かに安定して聴けるようになって、
いよいよ音の滲みを完全解消へと進み始めました、
タイムアライメントの完全一致
タイムアライメントを揃えるにも様々な理論が存在し惑わされました
ホーン開口部80%理論、ホーンの出口はその開口部ではなくて、
全長から計算してホーン長の80%の位置に開口部があると計算しろといったもの
屈折理論、音は入射角に比例して反射するので、その反射角で音道の長さを図るべき、
上記図面参照で我がバッフルは実際ウーハー前面からバッフッル出口まで実測60センチだが
この理論では正面のディフェーザーに当たりバッフルに戻りそれが反射して出口に向かう、
ウーハーの内側と外側で当たる位置が違うのでその長さも違ってくるが、
中心で測った場合も、平均値で測った場合も約95cm
実際の距離より35cm後方にウーハーがあるとみるべきだと言う理論
勿論クロスで波形を図り、180℃か360℃の位置で位相を合わせる、等々様々な理論をやってみました、が
結局いろいろ試した結果、
物理的に視聴位置から各ユニットのまでの距離を揃えるのが
一番音に違和感が無い事がわかった
勿論コイル位置を合わせたら、ウーハーとドライバーの位相は逆位相に配線
音は安定してきたが、その姿はとても安定しない姿となり
怖い〜落ちてきた大変、見た目も怖いしそんな恐怖との戦いもあった
まあ、そんなめんどくさい事しないで、デジタルDSPや、
デジタルちゃんデバでマルチを行ったほうが早くて正確かもしれないが
でもねそんな、化学調味料を使ったような音合わせはしたくないんです
私はそんな音で絶対に感動することは無いと思っていますから
結局不安定な設置を諦めか、
音も上から降るのではなく、ほぼ耳の高さに出来てさらに安定してきました
さらなる音の量感と一体感を目指して、今度は低域コーナー設置、
そして各ユニットの音が混ざらないよう、音の出口をの配置を再度検討
その後も事あるごとに、内ロール・外ロールを聞き比べながら
音軸・それに伴う美声ポイント探しを続けています
いかんせん完璧な設計と、
高濃度アルコールに支えられた低精度測定器をもとに
幾多の試練を乗り越えて、これからも美音追及をしていこうと思います
ご支援ありがとうございました