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ゲームブック・恐怖の神殿/イアン・リビングストン・社会思想社

2012-03-20 14:16:48 | ゲームブック

 恐怖の神殿は、ファイティングファンタジー13番目の作品。著者はイアン・リビングストンで、日本では1987年に社会思想社より発売されました。


 若きマルボルダスの暗きねじくれた力は、今や絶頂に達しようとしていた。そだて親のエルフらは、砂漠のどこかに隠された都市ヴァトスに秘められてきた竜の飾りを探し出すよう命じた。この5つの竜飾りを手にした時、マルボスダスのアランハ制覇が成し遂げられる・・・というもので、主人公は魔術師ヤズトロモより依頼を受け、どくろ砂漠にある失われた都市ヴァニスに向かうことになります。第12作目フリーウェイの戦士に続いてのリビングストン作品で、第9作の雪の女王以降、久々のタイタンを舞台としたのファンタジー作品です。


 リビングストンのタイタンものということで、ストーンブリッジの町に立ち寄った主人公は、ダークウッドの森(運命の森)で魔術師ヤズトロモの教えを乞い、彼の助けを借りて、南のどくろ砂漠を目指します。まずヤズトロモの塔にて、(バルサスの要塞/S・ジャクソンのように)あらかじめ10の魔法より4つを選択して習います。その後は、ポート・ブラックサンド(盗賊都市)に立ち寄って船を使う選択肢があったり、船の沈没に巻き込まれたり、砂漠の大砂蛇と戦う展開などもあります。ちょうど時期的に映画デューン・砂の惑星が公開された頃でしたので、この頃の砂漠ものといえばサンドワームがお約束でした。ハイドライド2にも砂漠に隠された都市があり、そこでも登場していました。前半は砂漠での冒険、後半は失われた都ヴァトスでの竜の飾り探索へと移ります。


 この作品の一番の特徴といえるのが、ヴァトスに到着と同時に現れる死の使者の存在。これは、主人公に先回りしてD・E・A・T・Hの5文字をあちらこちらに隠しており、それを見つけると呪いがかけられて、5文字全てを見つけたときに死が訪れるというもの。竜の飾りを見つけるためには、あちこち探さねばならず、必然的にD・E・A・T・Hの文字を発見する可能性も高まるというトラップでした。またヴァトスには巫女リーシャという女性の支配者もいて、マルボルダスだけではなく、こちらも相手をせねばなりません。このように、細かな仕掛けや様々な冒険がぎっしりと詰め込まれた作品になっています。


 タイタンが舞台のファンタジーものなのですが、砂漠が舞台ということもあって、どこかオリエンタルなムードも漂っています。衛兵は上半身裸に半月刀のアラビアンないで立ちだったり、巫女リーシャは骸骨兵士に守られていて、ストップモーションの巨匠ハリーハウゼンの世界や、レイダースの街中での立ち回りシーンなどをどことなく連想させます。最後は、マルボルダスとの対決になるのですが、彼は部屋の床に空いた穴より下からせりで登場してきます。イラストも地味なおっさんみたいで、若い才能や野心に満ち溢れた悪役を想像していると、肩透かしをくらいます。シリーズ中もっともかっこわるいラスボスかもしれません。


 これは4~5年前に古本で購入したもので、当時の持ち主の冒険記録が挟まってました。FCの復活の呪文とかバックアップもそうですが、これらは一種のタイムカプセルみたいなものと言えるのかも。


 個人的には、前作のフリーウェイの戦士や、サムライの剣、迷宮探索競技、サイボーグを倒せ、ロボットコマンドウなどは遊んでいるのですが、これは当時の印象は薄い作品です。この位の時期になると、オーソドックスなファンタジーものにはそろそろ飽きてきていた時期だったのかもしれませんね。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この作品は… (MOSSAN)
2016-12-21 21:21:30
ある一つの品を壊せば、マルボルダスが倒せるんですよね。
しかし、残る四つのダミーの品も見つけていないと、
マルボルダスに会った時点でアウトというのは…
それでもFFシリーズ中期の作品なので、持っているだけでも価値はあります。
私は20世紀の頃に古本屋で買いましたが、未記入の冒険記録紙も付いていて、
非常に状態が良かったです(もちろん、出費は定価未満)

因みに、私が買ったゲームブックの中で最安値の作品は↓です。
多分、6~7年前ぐらいに入手したと思います。
マイナーな作品かもしれませんが、この値段は破格でした。

http://blog.goo.ne.jp/blade-cusinart_1974/e/dd2304358aff0b428cb6541d845b31b2

残念なことに、この本を買った古本屋も、二年ほど前に閉店してしまいました…
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Unknown (80-cafe)
2016-12-22 21:40:53
このゲームブックは、2008年辺りにふらっと立ち寄った田舎の個人で経営されている古本屋で見つけたものだと思います。もう、それくらいの時期だと、ブックオフの100円コーナーにも全然ゲームブックは見付からない時期でした。

以前は、個人でされていて頑固な親父さんがやっているような古本屋がたくさんあったのですがね。そういう本屋もチェーン店に押されてほとんどなくなってしまいました。

で、今はそのチェーン店もネット通販に押されて苦しくなっているという…。時代の移り変わりといえば、仕方ないのですが、いろんな店があるという雑多さ、多様さが失われていくようで寂しいです。
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