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アフターバーナー(AfterBurner)・セガ

2011-04-27 22:30:24 | レトロゲームReview

 アフターバーナー(AfterBurner)は、1987年にセガより発表された体感型アーケードゲームです。デザイナーは、鈴木裕氏。人力でキャビネットを傾けて遊ぶハングオンに始まって、遂には地球ゴマの発想で360度動くR-360、G-LOC(1990)まで、体感ゲームの熱気がもっとも頂点に達していた時期といえるでしょう。


 SEGA MARKⅢ版の登場は、1987年。家庭用としては最も早く移植されています。一番の特徴は、スロットルを調整する機構がないアフターバーナー1の移植であるということ。他には、ハード性能の限界でミサイルの煙などの演出面のカット、ミサイルの弾数制限がない、給油が手動、ボス敵に相当する大型機の追加など。初の4メガROM使用ということや、スペースハリアー、アウトランと来て、発売されて間もない“アフターバーナー”の移植ということで、MARKⅢ自体も一番盛り上がりを見せていた時期といえるかもしれません。おまけにカセットが黒ですな。


 ゲームは、当時人気のあった映画トップガンに着想を得たような擬似3D型のシューティングゲームです。まだポリゴンは使われておらず、“アウトラン”でも採用された、巨大なスプライトを拡大縮小して3Dを表現する手法を、更に押し進めた作品になっています。音楽もエレキギターをサンプリングしたハードロック調で、派手に回転する画面、動き回る筐体、それらにシンクロするノリのいい音楽と、体感ゲームの代表作といってよい完成度を誇っていました。写真は、映画をゲーム化したコナミのトップガン。


有名な話ですが、“アフターバーナー”にはⅠ(無印)とⅡが存在しており、鈴木裕氏の『ゲームワークス』(アスペクト)によれば、セガの上場の時期に間に合わせるため、後に完成品のROMと差し替えるとの約束で出したものだそうです。 ⅠとⅡの大きな違いは、速度を調整するスロットルレバーが付いていることで、Ⅱのタイトルで回転するⅠの文字をミサイルが破壊し、砕けた球体が集まってⅡの文字を形成するのは、未完成なⅠに対してⅡこそが本物のアフターバーナーなんだという思いが込められているのだそうです。


 かなりの人気作、話題作だったため、家庭用へも数多く移植されました。セガの自社ハードSEGA MARKⅢより始まって、FC、X68、メガドライブ、PCエンジン、FM-TOWNS、32X、セガサターン、ドリームキャスト、PS2と主要な機種をほぼ網羅するような感じで移植されています。家庭用機が非力だった80年代~90年代初頭にかけては、家庭用機の性能を図る物差しのような意味合いも持っていました。オリジナルのアーケード版が、どれだけ忠実に再現されているかが、重要な意味を持っていたのです。セガサターン以降は、ほぼアーケード版を再現できるようになり、移植度が注目されることもなくなってしまいましたが。ただ逆に言うと、(性能が足りない中で)いかにそれらしく見せるか、いかに(プログラムの技術で補って)近いものを再現しているか、ということをみるのが楽しかった部分もありました。


 中でも有名なのが、初の4メガROMを使用し非力な8ビット機でローリングまで再現してみせたマークⅢ版と、そのマークⅢ版に対して期待が大きすぎたため発表前と、発表後の記事の落差があまりに大きかった“BEEP”誌のエピソードでしょう。上写真は“BEEP”復刻版ですが、これにもしっかり“アウアーアーアー”の記事が収録されています。


 個人的には、8ビット機ではあり得ないデカキャラが縦横に動くマークⅢ版“スペースハリアー”に無限の可能性を感じて、マークⅢを買ってしまいましたから、再現度だけを見ればマークⅢ版は十分に合格点だと思います。ただ当時は“アウトラン”までは夢中で“BEEP”誌などを追っかけていましたが、アフターバーナーの頃にはすっかり熱が冷めていましたので、実際に購入することはありませんでした。この頃になると、ブルート等のFCの中古チェーンが発達して、ハードもソフトも中古で気軽に買えるようになっていました。そのためあまりこだわりもなくなり、中古ファミコンを買ってきて遊んでいるといった感じになっていましたね。



※2009年1月25日分の記事に修正・加筆

参考:Wikipedia アフターバーナーの項、GAME WORKS VOL.1/鈴木祐・アスペクト、Beep復刻版・ソフトバンク


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