

『EL-SPIRITS ハングオン』は、エポック社より2006年7月にEL-SPIRITS レトロシリーズのひとつとして販売されました。 発売元は、有限会社ハンドヘルド。電子ゲーム界に(ちょっとした)驚きをもたらした、“魔界村”“バブルボブル”に続いての登場となりました。

元ネタは、セガの体感ゲーム第一弾“ハングオン”(85)。“魔界村”“バブルボブル”でさえ、電子ゲーム移植は無理があるのではと思われましたが、今回は更に無理無理な体感ゲーム。元ネタは、時期的にはFCやSEGA MARKⅢあたりの頃のものになります。無理と書きましたが、体感ゲームは電子ゲームのブームを少し過ぎた頃に、セガ&タイガー社より“ハングオン”“スペースハリアー”“アウトラン”“アフターバーナー”“サンダーブレード”等が移植されています。そうは言っても、こちらは1,000円のMINIゲームですから無理無理感が漂うことには代わりがありません。ということで、出来の方はどうだったのでしょうか。

ゲーム画面はこのような感じ。“魔界村”“バブルボブル”等とは異なりレースゲームですから、電子ゲームの題材としてはそれほど珍しいものではないと思います。しかし、数々のこだわり移植を実現してきたこのシリーズ、レースゲームに単に“ハングオン”と付けただけでは終わっていません。まずあの特徴的なBGMが再現されています。スタートシグナル音に続き、微妙に音階の変化していくアクセル音とともに、ゲーム中にもずっとBGMが流れます。次に目を引くのがコースの表現。カーブにあわせて右に左にとコースが動き、背景も同じように左右に流れていきます。きついカーブを曲がる時には、コースも端までぐぐっと寄っていき、あー確かにハングオンだなあという気分を盛り上げてくれます。

パッケージの方でも抜かりはなく、爽やかなブールのあのハングオンロゴに、本体の赤という組み合わせで(元ネタのハングオン筐体は赤)、確かにハングオンだなあとプレイヤーを(無理やり)納得させてくれます。今回もハンドヘルドいい仕事してます。

こうなると“スペースハリアー”や“アウトラン”“アフターバーナー”も期待したいところですが、このシリーズ販売元が変わって新作が止まってます。販売元が期待したほどは売れなかったのでしょうか。体感ゲームや電子ゲームに思い入れがないと、辛い部分はあるのかもしれませんが残念なところです。とりあえず、このハングオンロゴと、体感筐体を配置したパッケージは満点だと思います。

ということで、EL-SPIRITS ハングオンでした。SEGA MARKⅢ、体感ゲーム、電子ゲームというキーワードに反応する人にはお勧め。

参考:GAME&WATCH ゲームウォッチ カンストへの道
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