
ドラゴンスピリット(DRAGON SPIRIT)は、ナムコが1987年に発表したシューティングゲームです。ナムコ製シューティングゲームとしてはゼビウス以来五年振りになる、地上と対空を打ち分けるオーソドックスなタイプ。ゲームの一番の特徴としては、自機がドラゴンであり、敵も基本的に(架空の)生物であるという、ファンタジーの要素を持っていたところでしょう。

このゲームは、ミッドガルド王国の王子アムル(AMUL)が、魔王ザウエルに立ち向かうため、剣を天に掲げて“ブルードラゴン”に変身するという印象的なオープニングで始まります。地上には、青い卵(青玉)や赤い卵(赤玉)があり、これは地上用ショットで撃つことで割れて中からパワーアップのアイテムが飛び出してきます。青は首の本数が最大3本まで増えるアイテム、赤は対空用のショットが3段階までパワーアップするアイテムでした。自機“ブルードラゴン”は、ライフ制と残機制の両方をもっており、一度やられても(パワーダウンするのみで)ライフが残っている限りは死にません。

このように(ファンタジー調の)世界観にあわせて、シューティングゲームとしては少し珍しいシステムを採用していました。といってもRPGのように成長する要素があったわけではなく、首の本数が最大になる3首竜(TRIPLE HEAD DRAGON)より2首竜(DUAL HEAD DRAGON)の方が、当たり判定の面で有利であったり、対空ショットも最大の3段階めより連射の効く2段階めのほうが有利であったりしました(この辺り、バランスの取れた2番機が最強であった“ムーンクレスタ”を思い出します)。写真は、電波新聞社より出ていた『DRAGON SPIRIT ドラゴンスピリットの本』

このゲーム、80年代ナムコ黄金期のゲームとしても有名な方で、(90年に続編も出るなど)かなり人気も高かった方だと思います。移植もPC版(X68000)、PCE版、FC版(ドラゴンスピリット 新たなる伝説)など、当時の代表的な機種には移植されていました。ただし、ファンタジー調の見た目とことなり、(シューティングの得意ではない)一般の人には難しいゲームでもありました。私も、当時ゲームセンターで何度か遊んだ程度で、とてもやり込むところまではいけませんでした。ただこのゲーム、音楽が良い出来であるということでも有名で、弾むような澄んだ音色が印象に残っています。

FC版ドラゴンスピリット 新たなる伝説の広告
この頃になると、ゲームセンターが不良の溜まり場ではなくなってきており、ゲーマーと呼ばれる一般のゲームファンが中心になっていました。ナムコ直営のキャロットハウスに活気があったのも、この辺りがピークではなかったでしょうか。ゲームセンターの方でも、お客さん(常連さん)のニーズに応じて、カップ麺にお湯を入れるなどのサービスをしているところもありました。個人的にこのゲームには、インスタント焼きそば“UFO”のソースの匂いが思い出として染み付いていたりします。

それにしてもこのゲームを見ていると、ドラゴンバスター(84)、ドラゴンクエスト(86)と、この当時いかにファンタジーが流行っており、RPGがブームだったかがわかる気がします。写真はPCエンジン版ですが、移植版としてはこれが一番当時の雰囲気、(FCのブーム、ブルート等の中古ショップが大はやり、PCエンジンやメガドライブ等新しい機種が登場して賑やかだった)を伝えているような気がします。
2007年7月27日の記事を修正して再構成
参考:Wiki ドラゴンスピリッツの項、DRAGON SPIRIT ドラゴンスピリットの本/電波新聞社
ドラスピはゲームもおもしろかったけど、
やっぱり、ゲームよりもBGMが好きでしたね。
X68000版のBGMが、アーケードそのまま
の音で、かなりのお気に入りでした。
ちなみに、ビクターから発売されていた
ゲームミュージックCDがあやまってLR逆で
収録されてしまっていたらしく、X68000版では
移植の際LRを、あえて逆にするかどうかで悩んだという話も
あるそうです(笑)
X68000版は、電波新聞社が移植を担当して
いましたね。X68000と電波新聞といったら、
当時は最強の組み合わせでした。
調べてみると、X68000版のBGMは耳コピ
なんだとか。すごい時代でした。
当時X68000は、当時憧れのPCでしたね。
最近になって(モニター付き)完動品を2万5千円
程度、ジャンク品を1千円程度で見かけたのです
が、機会があれば綺麗なものが一台欲しいです。
ドラスピは細江慎治さんのデビュー作ですね。
友人のために、ドラゴンセイバーと一緒になった
サントラCDを探したことを覚えています。
良い曲が揃っていますよね。
マッピーやリブルラブルなどはいうに
及ばず、ドルアーガ、スカイキッド、
源平討魔伝と80年代ナムコのゲーム音楽
は、印象的なものが多かったですね。
一度聞いたらすぐに入ってきて印象に残
ってしまう、独特の魅力がありましたね。
実際、PCE版は名移植でしたね。
美麗グラフィックを誇ったシステム1作品を家庭用機で遊べるというだけでも、当時としては感動ものでした。
個人的にはAC版よりも、このPCE版の方が思い出深いです。
あと、Bookmarkありがとうございます。
「レゲー&古いメーカーに詳しい」との紹介文に冷や汗。いやいや「世の中、上には上が居る」と思い知らされることばかりですよ(笑)
PCエンジン版当時は、非常に綺麗で再現度も高いと
いった印象でしたが、今改めて遊んでみるとタイニー
で家庭用っぽい感じですね。しかし、そこが良かったん
ですよね。MSXの1色スプライトも、MSXの性能を限界
まで引き出した後期の作品群も、一種独特の魅力があり
ました。
『NHKの電子立国』などが非常に好きでしたからアタリ
などの古い海外メーカーにはすごい神秘的な魅力を感じ
ます。MSのように完璧ではなく、どこか稚拙であっけな
く倒産してしまったところも愛すべき部分のように感じ
てしまいます。
エンディングで感動したシューティングゲームは後にも先にもこれだけですね。
80-cafeさんの言われているように、音楽もよかったですよね。未だにサントラをよく聞いています。
X68000をお持ちだったとはうらやましい。youtubeで探してみてみましたが、FM音源と弾ける様なシンセドラム(?)の音色が印象的でした。ゲームセンターの喧騒の中で聞くのとは、また違った感じだったんでしょう。
業務用のカスタムチップをFM音源のみで再現しきったとか、あの頃の移植は夢がありましたね。