

これは、1983年にカシオより14,800円で発売されたPV-1000。ご存知のように1983年はファミコンが発売された年ですが、この時期に第2次TVゲームブームとでもいう現象が起こりました。

本体、スティック、ACアダプター、接続コード、スイッチボックス。

メガドライブみたいな雰囲気もありますが、かなり個性的な本体。

売りのひとつであった、ジェット感覚のジョイスティック。
それまではFL機やゲームウォッチ等の電子ゲームがブームの中心でしたが、各メーカーからぞくぞくと新しいTVゲームが発売されています。ファミコン(任天堂)、アタリ2800(アタリ)、高速船・アルカディア(バンダイ)、SG-1000(セガ)、TVボーイ(学研)・・・。同時に82年~83年頃は、家庭用の低価格パソコンが出現してきた時期でもありました。ぴゅう太(トミー)・MAXマシーン(コモドール)、M5(ソード)、MSX(家電各社)・・・。電子ゲームは終焉を迎えて、家庭にパソコンが入ってくる時代がやってきていたのです。結局極限までコストを抑えてゲームに特化した性能を持ったファミコンが、第2次TVゲームブームを制したのですが、これはそんな時期にカシオが出していた機種です。

多彩なソフトラインナップ、パチンコUFO、プーヤン、タービン、スーパーコブラ。

ツタンカーム、ディグダグ、スペースパニック、アミダー。玄人好み。

ワープ&ワープ、近日発売にノーティボーイが!ファイティングバグはユニバーサルから出たアーケードのレディバグ。ダーティカメレオンは、ジャレコのカメレオン。これにエキサイト麻雀を加えた全13種がPV-1000用として発売された。結局、箱に印刷(予告)されているゲーム以降、発売されたのは1本だけということで、その短命さがうかがえます。

ゲームセンターあらしにも登場した、縦型平安京エイリアン・スペースパニック。ファミコンと同時期のものとしてはさびしい限りですが、スペースパニック、ツタンカーム、アミダー、ノーティボーイ、レディバグの移植例は珍しく貴重なんではないでしょうか。

ラインナップが渋すぎて、涙がでそう。
カシオは、PCメーカーやTVゲームメーカーという印象は薄いのですが、この後MSXにも参加して低価格のPV-7という機種を出していたり、これまた低価格のポケコンPB-100などを販売していて、気軽にコンピューターに触れる事のできる機会を与えてくれていた貴重なメーカーでもあります。また電子ゲームブームの頃には、電卓にゲームを組み込んだゲーム電卓というヒット商品も出していました。(数字のインベーダーやボクシングなどが話題になりました)。そういう流れから、積極的に市場に参入しようとしていた時期のものなのでしょう。

背面。電源用と、TV出力用端子の2しかないシンプルさ。

楽がきPV-2000というホピーPCもありましたので、こちらはゲーム機に徹しようという戦略(?)なのでしょう

側面にも電源スイッチのみ。
PV-1000に話を戻しますと、性能自体はあまり特筆するようなものはないようです。ファミコンと同価格ですが、ファミコンが既に発売された後に出されていますので、結局半年くらいで市場からは消えてしまったみたいです。これしか移植がされてないゲームもあるようですが、珍品の部類に入ってしまうでしょう。またこれと同時期に、楽がきPV-2000というホビーパソコンも出されているようですが互換性もなかったようです。

ジョイスティックはオプションではなく、標準コントローラー。売りのひとつだったようですが、実際は使いづらいみたい。

とにかく箱のあちこちにこの文字が。よっぽどパチンコが好きなんでしょうな。

箱にでかでかと書かれているパチンコUFOが、これのキラーソフトがだったようです。ゲーム電卓やMSXのソフトでも出ていましたが、カシオの開発者にパチンコが好きな人でもいたんでしょうか。

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