goo blog サービス終了のお知らせ 

80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

TOP GUN トップガン・パラマウント ホーム エンターテイメント ジャパン

2013-08-16 20:46:49 | 映画・DVD・CD

 TOP GUN トップガンは、1986公開のアメリカ映画。TOP GUN(アメリカ海軍戦闘機兵器学校)で、要請されるエリートパイロットたちの成長を描いた青春映画。


 物語は、米国海軍に所属する天才肌だが、異端児のパイロット、マーベリック(トム・クルーズ)が、TOP GUN(アメリカ海軍戦闘機兵器学校)へ送られ、友人の死や挫折を乗り越えて、本物のエリートパイロットへ成長するまでの姿を描いている。監督は、リドリー・スコットの弟でもあるCM出身のトニー・スコット。主演のトム・クルーズは、この映画のヒットによって一躍ハリウッドスターの仲間入りを果たしました。


 物語の構造としては、82年公開のリチャードギア主演・愛と青春の旅立ちにとても似ています。どちらも軍隊学校をテーマに据えていますが、若者の成長と挫折、そこからの旅立ちをテーマにしています。TOP GUNならではの要素として、アメリカ海軍全面協力の元、特撮ではない実際の戦闘機や空母を使った本物の空中戦の映像と音楽と映像を連動させて、まるでMTVのようなスタイリッシュな映像を作り上げていた点。それまでの戦争映画とは異なり、まるでリゾート感覚で見れる新しい映画になってました。


 大ヒット映画ということで、ビデオやLD、DVD、ブルーレイと何度も映像化されていて、名作を通り越してほとんど古典の域に達していると思います。


 大ヒット映画となれば、当然何度もゲーム化されており、こちらはきちんと版権を取ったコナミのTOP GUN。ファミコン版でトップガンのゲーム化としては、最初期のものになると思います。


 TOP GUNの直接の映画化ではないですが、影響を受けてつくられたと思われるセガのアフターバーナー。ミサイルを何十発も積めたり、何十何百というターゲットを攻撃することができる、リアルさを追求したフライトシュミレーションではないアクションゲームとして作られていました。


 リアリティという点では全く現実味はありませんが、ノリの良いハードロック調のBGMと軽快な展開が相まって、トップガンの世界をよく表現していたと思います。


 個人的な思い出としては、80年代の終わりごろに愛と青春の旅立ちとの2本立てのオールナイトを見に行った記憶があります。落ち込んでいた時期で、その圧倒的なスピード感と、あまりにもスタイリッシュでかっこよい映像に元気付けられたよう覚えています。


 TOP GUNを語るときに外せないのが、日本のオートバイメーカー川崎重工業のKAWASAKI GPZ900R Ninjya。空中では、最新鋭の戦闘機(F-14 トムキャット/当時)を操るマーベリックの地上での移動手段として印象的な場面に登場し、まるで地上を走る戦闘機のようなイメージで描かれていました。世界的な人気はもちろんのこと、日本では逆輸入車ブームや大型免許の規制緩和の時期と相まって、ずいぶん長いこと人気を保ち続けるロングセラーになっていました。私の友人もこれに憧れてGPZ400R Ninjyaを買い、ステップアップしてしまいにはGPZ900R Ninjyaを手に入れてました。


 大ヒット映画なのに続編が作られていないのは、続編が作られることを嫌がったトム・クルーズ自身が権利を買い取ったからだとか。自身の出世作ですから、続編が作られイメージが壊されることを嫌ったのでしょうか。アメリカ海軍が全面協力したのも、当然軍のイメージUP、PRという目的があったでしょうし、テーマ曲と挿入歌もヒットを記録して、KAWASAKI Ninjyaも人気が再燃してロングセラーとなるなど、ある意味壮大なミュージックビデオ、プロモーションビデオという趣もあったよう思います。そういった意味でも、実にあの時代らしい映画だったと言えるでしょう。



参考:Wiki トップガン(映画)、トニー・スコット、トム・クルーズの項

ブレードランナー Blade Runner・ワーナー・ホームビデオ

2013-07-15 19:22:50 | 映画・DVD・CD

 ブレードランナー(Blade Runner)は、1982年公開のアメリカ映画。近未来都市を舞台とした作品で、アジアに侵食された雑多な世界を描いて、その後の様々な近未来ものの作品の原型となりました。


 原作は、フィリップ・K・ディックのアンドロイドは電気羊の夢を見るか?、監督はエイリアンのリドリー・スコット、主演は当時スターウォーズ、インディ・ジョーンズで注目されていたハリソン・フォード。SF映画の古典(金字塔)とも言われている作品。あまりにも語り尽されており、ファンも多くて解説も多い作品ですから語ることも残ってないと思われますが、ネタとして取り上げます。


 物語は、レプリカントと呼ばれる人造人間と、それを取り締まるブレードランナーと呼ばれる専任捜査官デッカードの追跡劇と葛藤を描いたもの。当時は、スターウォーズの影響でSF特撮作品が人気でしたが、ストーリーは暗く難解で、当時の観客には理解されたとは言いがたい状態でした。ビデオ化やLD化など、家庭用で見られるようになってジワジワとカルト的人気が上がり、しだいに名作と認識されるようになりました。
 

 人気が上がるにつれ再編集されたバージョンが登場し、最終的には5バージョンが存在します。①公開前の試写版、②オリジナル劇場版、③インターナショナル劇場公開版、完全版、④1992年に監督の手により再編集されたディレクターズ・カット版、最終版、⑤2007年に再び監督の手により再編集されたファイナルカット版。写真は、VHS最終版。この映画を初めて見たのは、80年代の終わりごろ。レイダース、魔宮の伝説と3本立てでした。かっこ良いけれど、盛り上がりがなく難解な映画という印象。もうその頃には、カルトとしての名声は高まっていたよう思います。


 オリジナル劇場版、完全版、最終版をひとつにまとめたブレードランナー・クロニクル。これら以外にもLD版、ファイナルカット版、DVDBOX版、ブルーレイ版、ブルーレイBOX版など数限りなくあり、細部まで研究され尽くしているといっても良いでしょう。また書籍関係でも、解説本が何冊も出ており、当時は難解といわれていましたが、現在では解析しつくされたといっても良いと思われます。例外は玩具関係で、権利関係が複雑になっていると言われ、劇中車(スピナー)やデッカードの銃(デッカードブラスター)など、ほとんど出ていませんでした。最近、フジミよりスピナーのプラモデルが出るなど、それも変わってきているようです。


 ブレードランナーの元ネタとなった1927年のドイツ映画メトロポリス。この映画に登場するマリアというアンドロイドは、C-3POの元ネタになったり、ロボコップの元ネタになったり、様々に引用されています。歓楽街YOSHIWARAが登場するなど、この映画にも雑多なアジア趣味が盛り込まれています。


 同じ近未来ものということで、引き合いに出されることが多い未来世紀ブラジル。1985年のイギリス映画。マトリックスなどに続く、ディストピア映画の古典。


 日本発の近未来ものAKIRA(1988年)。ブレードランナーの影響を多分に受けていると思いますが、原作者の大友克洋氏は、ブレードランナーにも参加していたフランスの漫画家ジャン・ジロー・メビウス氏に影響を受けており、世界観はそこから来てるのかも。


 近未来都市を舞台とした、リュック・ベッソン監督、ブルース・ウイルス主演の1997年のフランス映画フィフス・エレメント。この未来世界もジャン・ジロー・メビウス氏の手によるもの。CGが普通になってきた時代ですから、エアカーを使った近未来都市での追跡劇も(ブレードランナーの頃に比べると)賑やかなものになっています。


 2002年公開のスター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃でも、エアカーを使った近未来都市での深夜の追跡劇が行われています。こちらはCGバリバリの作品ですから、近未来都市上空を無数の光の帯が流れる派手なものになっています。これを見た後、ブレードランナーを見ると(都市上空を)動くもののあまりの少なさに愕然とします。逆にいうと、CGを使わず模型+合成であそこまでのものを作り上げたことが驚異的なのですが。


 ブレードランナーに登場するもうひとつの主役ともいうべき車ポリス・スピナー。デザインは∀ガンダムの工業デザイナーシド・ミード氏。あまりに印象的なのでデッカードの車かと思いきや、搭乗者はデッカードの監視役ガフ。警察車両という設定なのでブライアント署長の乗るバージョンもある模様。この車ばかりが印象に残りますが、劇中トンネルのシーンや、劇場版ラストの逃避行を行った、路上を走るデッカード・セダンという車両もあります。これら以外にも、(劇中にはそんなに登場している印象はないのですが)未来の車を実車で50台(実際は20数台)も用意したのだとか。ハリウッド映画はスケールが違います。


 それまでの未来都市はクリーンなものが多かったのですが、この映画より雑多で混沌としたアジア的な未来都市像が広く流行しました。この映画の設定は2019年ですが、現実の都市はクリーンでエコな時代という事でえらく清潔なものになりました。少子高齢化ということで、AKIRAのような雑多で活気にあふれたネオ・トーキョーも実現しそうにはありません。当時は日本を筆頭としたアジアに勢いがあり、日本国内でも子供が多くて活気に満ちていましたから、これらの都市像もそれなりにリアリティを持っていたんですね。


 ということで、酸性雨が降りしきる雑多でカオスな近未来映画の古典ブレードランナー(Blade Runner)でした。

参考:Wiki ブレードランナー、メトロポリス、未来世紀ブラジル、フィフスエレメント、アキラ、ジャン・ジロー(メビウス)、シド・ミードの項

ルパン三世 カリオストロの城・東京ムービー新社/グンゼ産業

2013-07-14 20:54:28 | 映画・DVD・CD

 ルパン三世 カリオストロの城は、TVアニメ・ルパン三世の劇場映画の第2弾。宮崎駿監督の映画初監督作品で、1979年12月15日に公開されました。


 物語は、偽札を追ってヨーロッパの独立国家“カリオストロ公国”に入国したルパンと次元が、謎の男たちに追われるウエディングドレスを着た少女に出くわす。この少女は、カリオストロ公国大公家の継承者クラリス姫であった。そこへ五右衛門、不二子、銭形警部も加わって、一行は偽札と公国の大公位の継承をめぐる陰謀に巻き込まれていくことになる・・・。映画の冒頭でスーパーチャージャー付きの黄色い車が印象的な活躍を見せます。


 ルパンの愛車である黄色いフィアット500。オリジナルは13~21.5馬力(スポルト)ほどしかない空冷直列2気筒エンジンの小型大衆車ですが、映画ではオープニングでルパンがレバーを引くと、後部ハッチが開いてスーパーチャージャが回りだします。シトロエン・2CVを駆って追っ手から逃げるクラリスを追いかけて、崖を駆け上るなどの七面六腑のありえない活躍を見せてました。フィアット500を知らない世代にもフィアット500を知らしめ、日本でのチンクエチェント人気を決定付けた作品。ちなみにフィアット500は、作画監督の大塚康生氏の愛車で、2CVは宮崎監督の愛車。


 こちらは、グンゼ産業より発売されていた、映画の一シーンを再現した情景モデル。オープニングのルパン&次元とフィアット500のセット。他にも何種類も発売されてました。


 このようにフィアット500のモデルに、ルパンと次元のフィギュアを絡ませます。


 こういうのは、プライズでたくさん出ていますから、新鮮味はありませんね。


 キットの中身。これ元々はファット500のスケールモデルとして販売していたものに、映画の版権を取ってフィギュアをセットしたものだと思われます。これ以外にも、通常のモデルにデカールをセットしてアバルト仕様にしたものも出てました。また、おそらく一部はより精巧なメタルキットとも共通していると思います。プラモの世界では普通ですが、金型フル流用でバリエーションを増やしまくってます。


 黄色いボディのフィアット500。映画ではクリームイエローとでもいうようなパステルカラー調の色でしたが、こちらはホンダのカーニバルイエロー(なんちゅうネーミングだ)みたいな色。残念ながらこのキット、スーパーチャージャー、オリジナルを含めてエンジンは再現されていません。


 実際のフィアット500には、スーパーチャージャーを搭載したモデルはありません。ただ、おそらく映画の元ネタとなったであろうものにアバルト仕様のフィアット500がありました。これは、もともと20馬力ほどしかない大衆車であるフィアット500を、チューニングメーカー・アバルト社の手により27馬力~38馬力ほどと倍近く高められたもの。冷却のため後方ハッチを開けたままにするなど、映画のイメージはここから来ていると思います。但し、アバルトはNAエンジンのまま純粋なメカニカルチューンのみで馬力を上げており、ターボもスーパーチャージャーも使っていません。


 こちらは、田宮の695 SSモデル。こちらもノーマルフィアット500のキットを流用して作られていると思います。箱絵のかっこ良さも含めて、何度も再販されているよくできたキット。


 アバルト仕様のため、デカールもばっちり。


 復活したアバルトも人気ですが、オリジナルのフィアット500も実物はすごく小さくて(軽自動車より小さい)、とても洒落たデザイン。


 おばちゃんが乗っているような、なんでもない大衆車をチューニングして、レースカーに仕立ててしまおうという発想がイカしてます。


 一般的に良く知られているフィアット500(ルパンのフィアット)は、実は2代目。初代フィアット500は、映画・ローマの休日で王女を付けねらうパパラッチの車として登場しています。現在のフィアット500は3代目ですが、90年代にはチンクェチェントというFFの小型車も販売されていました。2代目フィアット500は、1957年生まれですからスバルに関連付けて言えばスバル360(1958~)に近いですね。リアエンジン、空冷2ストローク直列2気筒(フィアット500は空冷直列2気筒OHV)という点や、まだ貧しかった大衆に車を普及させる国民車となった点も共通しています。


 当時の広告。失われたイノセンスとでもいうようなお洒落感。


 どこかの倉庫のような、当時の生産工場。ニュージーランドで作っていたんですね。


 なんというか、これくらいお洒落さんだったら、車はこのくらいで十分という気になります。


 こちらは、グンゼ産業のフィアット・アバルト1000TCR ベルリーナ。フィアット600ベースですが、982cc4気筒ツインキャブで108馬力と、これはスポーツカーを越えてレーシングカー。このくらいあれば、(崖の駆け上がりを除いて)映画のような活躍ができるかも。ちなにみ公式か非公式かはわかりませんが、ルパン・SCフィアットの馬力は、100馬力ということになっている模様。


 これも何らかの流用のような気もしますが、フィアット600のモデルなんてあったかしら。メタルキットでは、出ていたと思います。メタルキットから、メタルやゴム素材を省いて、簡略化されたようなキット。


 レーシングカーなので、デカールもばっちり。


 ルパン・フィアットをも超えちゃっているリア回り。


 ということで、映画の冒頭シーンを再現した情景モデルルパン三世 カリオストロの城のルパンフィアット500でした。

参考:Wiki ルパン三世 カリオストロの城、フィアット500、アバルト、スバル360の項、FIAT&ABARTH 500 600/マルコムボビット著・三樹書房

マッドマックス2 Mad Max2 /ワーナー・ホーム・ビデオ

2013-07-09 02:32:02 | 映画・DVD・CD

 マッドマックス Mad Maxは、1979年公開のオーストラリア映画。監督は、ジョージ・ミラー、主演は当時まだ無名だったメルギブソン。81年に続編マッドマックス2 Mad Max2、85年にマッドマックス/サンダードーム Mad Max Beyond Thunderdomeが公開されています。


 物語は、近未来の荒廃した世界が舞台。警察官であるマックスは、暴走族の一員を追跡中に死なせてしまったことから、彼の仲間に付狙われる事になります。休暇の家族旅行中に彼らの襲撃を受けて妻子を失ってしまうことに。スーパーチャージャーを搭載した高性能な特殊警察車両V8インターセプターを駆って、マックスの復讐が始まる・・・。という物語で、1作目はほとんど無名の監督が無名の俳優を使って取った低予算映画だったそうです。1作目のヒットを受け、10倍の予算を使った2作目が撮られ、ハリウッド映画となった3作目では、ティナ・ターナなど豪華なキャストで作られています。


 中でもインパクトがあったのが、文明が崩壊してしまった(核)戦争後の世界を舞台とした第2作目。1作目は、低予算映画ということもありストイックな内容なのですが、2作目では崩壊した戦争後の荒野をバギーを駆ったモヒカンが跋扈するSF超大作になっていました。一応続編であり物語も繋がっているのですが、監督の意向で1作目より主人公であるマックスとインターセプター以外は持ち越さないということで作られたことが理由のようです。この世界観は、当時の創作物に影響を与えまくり、荒廃した核戦争後の世紀末を舞台にした作品群が、数多く作られることとなりました。


 世界観もインパクトがありましたが、主人公とインターセプターだけが引き継がれたように、高性能車インターセプターにも多大なインパクトがあったよう思います。スーパーチャージャーがボンネット上に飛び出しており、サイドからは左右に4本ずつ排気管が突き出すなど、造型的にも高性能ということを視覚的に伝えていました。マックスが手元のスイッチを入れることで、スーパーチャージャーが回転を始め、驚異的な加速を見せることになります。実はこれは電動で動くダミーで、そもそもスーパーチャージャー自体が手元のスイッチで任意に動かすようなものではないそうです。高性能を視覚的に見せるための演出だったのでしょう。劇場ではなく、ゴールデン洋画劇場とか日曜劇場とかで見たと思いますが、高性能=大排気量のアメ車+スーパーチャージャーの図式がすっかり刷り込まれてしまいました。


 マッドマックスの影響を受けた創作物としては、北斗の拳が最も有名ですが、当時はFCブームでもありましたので、ゲームにも多大な影響を与えていました。こちらは、1985年にデーターイースト社が発表したLDゲーム・ロードブラスター(のPS移植版)。LDとはレーザーディスクのことで、流れるアニメーションの映像に合わせて、タイミングよく操作をすることでゲームを進めてゆく仕組みの作品です。


 この世界観がまんまマッドマックスの世界。新婚旅行中に暴走車を避けるために花嫁を失った主人公が、真っ赤なアメ車を駆って暴走族に復讐をするという内容。画面にスーパーチャージャーマークが点滅したときに、アクセルを踏み込むと自車が敵車にアタックをかまして攻撃をするという無茶苦茶な設定。崖などを飛び超える際にもスーパーチャージャーマークが点滅をして、上手く使うことで窮地を切り抜けるようになっています。


 ゲームの世界に登場する車には、ターボスイッチとかチャージャーとか加速をする要素が必ずと言ってよいほど盛り込まれていましたが、これほどスーパーチャージャーを間違った方向にインパクトを持って使用した作品はなかったと思います。
 

 第1作目が公開された当時は、オーストラリアで暴走族が社会問題となっていたそう。日本でも事情は似たようなもので、そのためそれなりに物語にもリアリティがあったのだと思います。2作目では、更に荒廃したモヒカンバギーが駆け回る世界となっていますが、第1作目が破格の成功を収めたことなどもあり、深刻さは薄れてどこかお祭り気分です。日本でもバブル景気を目前に控えて、世紀末のカウントダウンみたいな雰囲気で、本作の影響を受けた世紀末作品が次々と発表されていました。それらは、核戦争後の文明が崩壊した世界を描いてはいるのだけれど、開放感に満ちた新しい世紀へのわくわく感も秘めていて、どこかあっけらかんとした世界であったよう思います。

 


参考:Wiki マッドマックス、マッドマックス2、ジョージ・ミラー、スーパーチャージャーの項

マッドマックス Mad Max /ワーナー・ホーム・ビデオ

2013-07-09 02:21:25 | 映画・DVD・CD

 マッドマックス(Mad Max)は、1979年公開のオーストラリア映画。かなりの低予算で作られたにもかかわらず世界中で大ヒットとなり、続編マッドマックス2(Mad Max2・The Road Warrior/82)、マッドマックス/サンダードーム(Mad Max Beyond Thunderdome/85)が作られました。


 ということで、カーアクション&近未来バイオレンスの原点、マッドマックス・シリーズの記念すべき第一作目。主演のメル・ギブソンは、この映画が撮られた当時はまだ演劇学校に通う学生で、監督のジョージ・ミラーともども大出世作となりました。その後のカーアクション、近未来ものに多大な影響を与えた古典(金字塔)のひとつといってよいと思います。


 物語は、暴走族が闊歩する荒廃した近未来。警官であるマックスは、捜査中に暴走族の一員を誤って死なせてしまうことになります。これにより、同僚のグース、マックスの家族ともども、暴走族の集団に付け狙われることになります。グースが彼らに焼き殺され、ショックを受けたマックスは警官を辞職してしまいますが・・・。物語としては、かなりシンプルな復讐劇です。前半は我が物顔で暴れまわる暴走族を描き、我慢に我慢を重ねて、ついに妻子にまで彼らの手が及んでしまい・・・という展開。


 2作目は、更に荒廃した(核)戦争後の文明すら崩壊してしまった世界が舞台となっていますが、本作では、暴走族を釈放してしまう弁護士が登場するなど、荒廃はしているけれど文明はまだ残っています。後半のマックスの復讐劇へのカタルシスを盛り上げるため、ひたすら暗く、気の滅入るようなシリアスな展開が続いていきます。後半インターセプターとともに変わってしまったマックスによる復讐が果たされますが、ラストも救いがなく終わってしまいます。


 これは日曜ロードショーみたいな番組で、アメリカの古い映画に混じってみたものだと思います。当時の記憶はありませんが、カーアクションというよりバイオレンスものといった印象だったよう思います。


 この映画のもう一つの主役はなんといっても警察の特殊追跡車両V8インターセプター。2作目にも登場しますが、2作目ではガソリンを奪い合う世紀末世界にあわせて改造が施されていたり、フロントのエアロが外されていたりと、形が変わっています。今作では、新車同様の漆黒のボディで登場します。この車、特に武装があるわけではなく、スーパーチャージャーで驚異的な加速をするだけなのですが、マックスの片腕となり次々と暴走族を追い詰めていきます。ギューンと回って驚異的な加速をみせる、漆黒のボデイを持つ大排気量のアメ車。この車も様々な作品に引用されていきます。


 この物語、妻子を失ったマックスが復讐を果たしたところで終わるのですが、何の救いもなく、閉鎖感に包まれたまま物語は終了します。ところが現実では、この映画のヒットによりメル・ギブソンは一躍有名になり、ハリウッドへの道が開けるなど映画内の展開とはまったく逆の方向に向かいます。2作目では、1作目より更に荒廃したモヒカンバギーが駆け回る、文明崩壊後の未来が舞台となっていますが、(現実を反映してか)この未来は1作目に比べるとどこかカラリとしていて明るいです。


 第1作目のマックスは、妻子を連れて暴走族より逃げ回り(妻子の安全も考えて)警官も辞めてしまうなど、どこか優男で優等生な彼。


 そんな彼が、第2作目ではこんなにやさぐれてしまいます。相棒は犬しかも雌犬。第3作目では、遂にハリウッド製の作品となり、マックスは子供たちのヒーローとなります。インタセプターも登場しません。


 警官、近未来、復讐劇というと、どこかロボコップ(87)にも同じような共通点を感じます。ロボコップの車も少しだけ印象に残りますが、こちらはフォードトーラスで特別な活躍はしません。ちなみにロボコップの設定年代は2010年・・・ってもう過ぎてます。マッドマックスに影響されて作られた核戦争後の近未来を描いたものは、世紀末1999年だとか19××年となっているものが意外と多く、荒廃した未来はもう過ぎてたりします。バック・トゥ・ザ・フューチャー2は2015年、ブレードランナーは2019年。ちっとも車は空を飛びそうではないですね。


 ということで、80年代、90年代を席巻した近未来バイオレンスの原点、マッドマックス(Mad Max)でした。



参考:Wiki マッドマックス、マッドマックス2、マッドマックス3サンダードームの項