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ブレードランナー(Blade Runner)は、1982年公開のアメリカ映画。近未来都市を舞台とした作品で、アジアに侵食された雑多な世界を描いて、その後の様々な近未来ものの作品の原型となりました。
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原作は、フィリップ・K・ディックのアンドロイドは電気羊の夢を見るか?、監督はエイリアンのリドリー・スコット、主演は当時スターウォーズ、インディ・ジョーンズで注目されていたハリソン・フォード。SF映画の古典(金字塔)とも言われている作品。あまりにも語り尽されており、ファンも多くて解説も多い作品ですから語ることも残ってないと思われますが、ネタとして取り上げます。
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物語は、レプリカントと呼ばれる人造人間と、それを取り締まるブレードランナーと呼ばれる専任捜査官デッカードの追跡劇と葛藤を描いたもの。当時は、スターウォーズの影響でSF特撮作品が人気でしたが、ストーリーは暗く難解で、当時の観客には理解されたとは言いがたい状態でした。ビデオ化やLD化など、家庭用で見られるようになってジワジワとカルト的人気が上がり、しだいに名作と認識されるようになりました。
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人気が上がるにつれ再編集されたバージョンが登場し、最終的には5バージョンが存在します。①公開前の試写版、②オリジナル劇場版、③インターナショナル劇場公開版、完全版、④1992年に監督の手により再編集されたディレクターズ・カット版、最終版、⑤2007年に再び監督の手により再編集されたファイナルカット版。写真は、VHS最終版。この映画を初めて見たのは、80年代の終わりごろ。レイダース、魔宮の伝説と3本立てでした。かっこ良いけれど、盛り上がりがなく難解な映画という印象。もうその頃には、カルトとしての名声は高まっていたよう思います。
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オリジナル劇場版、完全版、最終版をひとつにまとめたブレードランナー・クロニクル。これら以外にもLD版、ファイナルカット版、DVDBOX版、ブルーレイ版、ブルーレイBOX版など数限りなくあり、細部まで研究され尽くしているといっても良いでしょう。また書籍関係でも、解説本が何冊も出ており、当時は難解といわれていましたが、現在では解析しつくされたといっても良いと思われます。例外は玩具関係で、権利関係が複雑になっていると言われ、劇中車(スピナー)やデッカードの銃(デッカードブラスター)など、ほとんど出ていませんでした。最近、フジミよりスピナーのプラモデルが出るなど、それも変わってきているようです。
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ブレードランナーの元ネタとなった1927年のドイツ映画メトロポリス。この映画に登場するマリアというアンドロイドは、C-3POの元ネタになったり、ロボコップの元ネタになったり、様々に引用されています。歓楽街YOSHIWARAが登場するなど、この映画にも雑多なアジア趣味が盛り込まれています。
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同じ近未来ものということで、引き合いに出されることが多い未来世紀ブラジル。1985年のイギリス映画。マトリックスなどに続く、ディストピア映画の古典。
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日本発の近未来ものAKIRA(1988年)。ブレードランナーの影響を多分に受けていると思いますが、原作者の大友克洋氏は、ブレードランナーにも参加していたフランスの漫画家ジャン・ジロー・メビウス氏に影響を受けており、世界観はそこから来てるのかも。
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近未来都市を舞台とした、リュック・ベッソン監督、ブルース・ウイルス主演の1997年のフランス映画フィフス・エレメント。この未来世界もジャン・ジロー・メビウス氏の手によるもの。CGが普通になってきた時代ですから、エアカーを使った近未来都市での追跡劇も(ブレードランナーの頃に比べると)賑やかなものになっています。
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2002年公開のスター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃でも、エアカーを使った近未来都市での深夜の追跡劇が行われています。こちらはCGバリバリの作品ですから、近未来都市上空を無数の光の帯が流れる派手なものになっています。これを見た後、ブレードランナーを見ると(都市上空を)動くもののあまりの少なさに愕然とします。逆にいうと、CGを使わず模型+合成であそこまでのものを作り上げたことが驚異的なのですが。
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ブレードランナーに登場するもうひとつの主役ともいうべき車ポリス・スピナー。デザインは∀ガンダムの工業デザイナーシド・ミード氏。あまりに印象的なのでデッカードの車かと思いきや、搭乗者はデッカードの監視役ガフ。警察車両という設定なのでブライアント署長の乗るバージョンもある模様。この車ばかりが印象に残りますが、劇中トンネルのシーンや、劇場版ラストの逃避行を行った、路上を走るデッカード・セダンという車両もあります。これら以外にも、(劇中にはそんなに登場している印象はないのですが)未来の車を実車で50台(実際は20数台)も用意したのだとか。ハリウッド映画はスケールが違います。
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それまでの未来都市はクリーンなものが多かったのですが、この映画より雑多で混沌としたアジア的な未来都市像が広く流行しました。この映画の設定は2019年ですが、現実の都市はクリーンでエコな時代という事でえらく清潔なものになりました。少子高齢化ということで、AKIRAのような雑多で活気にあふれたネオ・トーキョーも実現しそうにはありません。当時は日本を筆頭としたアジアに勢いがあり、日本国内でも子供が多くて活気に満ちていましたから、これらの都市像もそれなりにリアリティを持っていたんですね。
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ということで、酸性雨が降りしきる雑多でカオスな近未来映画の古典ブレードランナー(Blade Runner)でした。
参考:Wiki ブレードランナー、メトロポリス、未来世紀ブラジル、フィフスエレメント、アキラ、ジャン・ジロー(メビウス)、シド・ミードの項
最初に映画館で観た時は衝撃でした。こんな世界観は今までなかったですからね。
小島秀夫さんのスナッチャーや麻宮騎亜さんのサイレントメビウスも、これの影響を多分に(というか、そのままw)受けてますよね。
ゲームの場合だと、自分が主人公になりますので、そうすることで映画の世界に入っていけたという部分もあったかと思います。