ぼちぼちやりま!

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。
事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
焦らず慌てず、静かに時の来るのを待つ。

人生成り行き

2013-08-30 18:25:38 | 日本芸能
立川談志の半生を描いたドキュメンタリードラマがNHK・BSであり、土砂降りの今日、「雨の日は天が与えた休日」という談志語録にしたがって、菓子つまみつつ録画を見た。

柳家小さんの門をたたいた16歳から没する75歳までの談志を、3人の俳優が演じ分ける。落語一直線の「青春篇」では小出恵介が、紆余曲折の「家元篇」では中山秀征が、そして口もきけなくなった最晩年の寂しい姿を田中泯が、それぞれ好演した。
立川談志をいかに形容するか。この番組では「生涯、落語を愛し続けた男」という答えを出してきた。たった一人でさまざまな人間の喜怒哀楽を表現できる話芸に、談志はとことんほれ抜いた。笑点を立ち上げたのも、参議院議員になったのも、落語協会を飛び出したのも、家元になったのも、すべては<落語>のためだった。100年に一度の天才、落語界の革命家、常識破りの異端児、そして反逆児…さまざまな表現で語られてきた男は、全身全霊で<落語>を追求していた。

   ***

番組は「らくだ」「蜘蛛駕籠」「芝浜」など、談志自身の映像も加わって、ドキュメンタルな深さを出している。
弟子の志の輔がいう。--談志は「人生成り行き」となげやりに色紙に書いているけど、ありとあらゆる努力をし尽くした挙句に、やっとたどり着いた言葉なんです。高座では「人生、努力なんてしちゃダメだよ」と笑わせながら、楽屋では弟子に向かって「テメーラ、ドリョクしてんのか!」といつも怒ってます--

番組のエピローグは、談志のこんな言葉で締めくくられていた。
『・・・現実の砦はとても厳しく、挑戦しては社会的に叩かれ、その繰り返しの人生だったような気がする。敵は多数、味方は一人というのは、オレの自惚れだろうか・・・。』
自らを風車に向かうドン・キホーテのように語っているが、天才か異端児かは別にして、とてつもなくビッグで粋でオモロイ男であったのは事実。残念なことに、この手の男、最近とんと見なくなってしまった。

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