知的幸福の技術
自由な人生のための40の物語
橘玲
幻冬舎文庫
を読み終えた。
いつの頃からか、橘玲氏の本に興味を持つように
なった。
夢だけを見て生きていくわけにはいかない。真実だけを
突きつけられる世界は息苦しい。
社会を支える相反する二つのルールと上手に折り合いを
つけるところに、人生の知恵は生まれるのだろう。
と語っているが、凡愚のわたしには、その知恵がなかなか
身につきそうにない。
この歳になっても。
しかし、彼の見る「真実」は、性善説の人間にとって、悪魔
的とさえ言える。冷徹であり、爽快でもある。
息苦しさに耐えかねて、真実を知らないのは、危険でもある。
不都合の真実は、念頭におく必要がある。
ただ、その頃合いが、いつなのか、自信がない。
でも、お互いの年代になって、この真実を知らないというのも
どうかとも思ったりする。
わたしは、性善説を前提とする現場で、仕事をしてきた
ので、この真実を知ることは、辛すぎる。
しかし、そうでもなければ、少しでも若い時に、この本を
読んで、相反する二つのルールと上手に折り合いをつけら
れる人生を選択するのも、善きことかも知れない。
過剰に性善説に拘らない人生を選択するのであれば、
この本を若い時に読むのは、勧められることかも