今日の朝刊にあった記事である。
以下、その記事。
放出セシウム広範囲に拡散
東日本に22%
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性
物質は、東北だけてなく関東や甲信越など広範囲に
拡散し、ヨウ素131の13%、セシウム137の
22%が東日本の陸地に落ちたとの分析結果を、国立
環境研究所(茨城県つくば市)の大原利真・地城
環境センター長らが25日までにまとめた。
大原さんらは、大気汚染物質の拡散を予測する
モデルを使い、3月11日の事故発生から3月下旬
までに、放射性物質が東日本でどう拡散したかを
分析した。
放射性物質は風に乗って移動し風や雨の影響で
地面に沈着。
北は岩手や宮城、山形の各県から、南は関東を越え
静岡県にも届き、新潟や長野、山梨の各県にも到達
した。
以上。
このような記事があったのであるが、その前に放射能
拡散のマップみたいなのが公開されていた。
次にある地図がそれである。
サンデー毎日 2011.8.21-28号にあった図面である。
実は、今日の朝刊の記事に書かれた内容は、前に発表になった
上の地図とに若干のズレがある。
このズレが気になるのである。
コンピューター処理なので、「〇〇モデル」を使いなんて
というのが、曲者である。
いずれの発表にせよ。
実際にくまなく現地調査したわけではないし、やろうと
しても、物理的に不可能だろう。
結局、本当の汚染なんて、実際問題は誰も分からない
のではなかろうか。
住んでいる人間が、自分の生活空間をしらみ潰しに
調べて、それをつなぎ合わせるしかない。
しかし、それでも、完全に調査することは、物理的
に不可能だ。
どこに、隠れホットスポットがあるかである。
結局、放射能という「地雷」に冷や冷やしながら、
わたしたちは、生活していくことになるのだろう。
原発事故直後に、下のようなニュースがあった。
東京電力の福島第1原発(福島県)の事故を受け、
アメリカ政府が同原発の半径50マイル(約80キロ)
以内にいる米国民に対し避難するよう勧告した。
その80キロ圏とは、次ようになるようだ。
福島県大熊町と双葉町にまたがる福島第1原発から
80キロ圏の南北を地図上で単純に測ってみると、北は
宮城県南部の岩沼市付近、南は茨城県北部の北茨城
市付近のエリアとなる。
アメリカのその反応に、わたしは驚いてしまったが、
必ずしも、的外れでもなかったかに、思えたりして
複雑な気分である。
と、書き終えようかと思った。
┄が、放射能について、新たなニュースが、発表された。
<福島第1原発>放出セシウム…広島原爆の168個分
毎日新聞 8月26日(金)22時28分配信
経済産業省原子力安全・保安院は26日、東京電力福島
第1原発1~3号機と広島原爆から、それぞれ大気中に
放出された放射性物質の核種ごとの試算値を公表した。
セシウム137(半減期約30年)の放出量を単純比較
すると、福島第1原発は広島原爆の168.5個分に相当
する。
◇保安院が試算
試算値は衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に
提出された。原爆は「原子放射線の影響に関する国連科学
委員会2000年報告」、福島第1原発は、6月に国際原子力
機関(IAEA)に提出された政府報告書の試算を基に作成
された。
セシウム137の放出量は、福島第1原発1~3号機が1万
5000テラベクレル(テラは1兆)に対し、広島原爆は89
テラベクレルだった。ストロンチウム90(半減期約29年)
は、福島第1原発が140テラベクレルに対し、広島原爆が
58テラベクレルで約2・4個分。ヨウ素131(半減期約
8日)は、福島第1原発が16万テラベクレル、広島原爆は
6万3000テラベクレルで約2・5個分に相当した。
保安院の森山善範原子力災害対策監は「原子爆弾は一瞬に
爆風や熱線、中性子線を放出し、破壊するもので、単純に
放出量で比較するのは合理的ではない」と述べた。
である。
今まで、広島原発、30個分相当の放射能だという
話だったが、広島原爆の168個分という話しでは、
桁が違いすぎる。
今後、想定外という話しが、どれだけ起こってくる
のだろう?
今回の事故で溢れ出たであろう膨大な高濃度汚染水は、
地下水となって、どこまで流れていき、どのような汚染
を引き起こすのだろう。
そして、それは、いつの日のことであろう。いつまで続
くのであろう。
想定できない時限爆弾を抱えたのかも知れない。