ヤフーのニュースである。
「手に職があれば安心」も今は昔。技術職の
仕事単価は10年前の約半額に
週プレNEWS 11月30日(水)12時51分配信
現在、就職市場では「正社員志向」が高まっている。
だが、たとえ正社員で採用されたとしても、この不況の
ご時世だとリストラに遭ったり、または会社がいつ倒産
してもおかしくない。
そんなときに心強いのが「手に職」を持っている技術系
労働者だ。だが彼らの仕事も、軒並み単価が下がる傾向
にあるという。
かつては安定の代名詞だった「国家資格」保持者の建築
設計士の42歳男性は、こう憤(いきどお)る。
「こんなギャラじゃ、とてもじゃないけどやってらんねえ!
工務店の依頼を受けて戸建住宅の設計図面を作ってるん
だけど、10年前じゃ売出し価格の10%が取り分だった
のに、今じゃたったの3%だぞ。1000万円の戸建てなら、
ギャラが100万円から30万円に減ったってことになる。
生活苦で辞めていった同業者もたくさん見てきたよ。
俺たちの技術を安く見んじゃねえ!! 理由? そりゃ仕事
が減って競争がきつくなったから……。
いや、違うな。俺たちが苦しんでる分、間違いなく誰か
が甘い汁吸ってんだろ!」
また、テレビカメラマンの36歳男性も「仕事量は減少
傾向」と苦しい現状をこう明かす。
「僕らの仕事は1回のロケをワンチェーンと言って、かつて
はカメラマン、音声、アシスタントの3名体制で平均受注金
額が13万円ぐらいだった。それが、今じゃカメラマンと
音声の2名になり、受注金額も8~10万円。
これだけ聞くと『ひとり当たりのギャラは変わんないじゃん』
と思うかもしれないけど、実は、以前はワンチェーンで1本
撮りだったのが、今は3本撮りも当たり前。
しかもカメラの性能が良くなっちゃったから、制作会社のディ
レクターがハンディカメラでロケに行くことも多く、仕事の
本数自体もかなり減っちゃった。もうやってらんない!」
スチールカメラマンの37歳男性は、「全仕事平均で単価が
4割減」だと話す。高収入が期待できた広告写真のギャラで
さえ「10年前と比べたら、今の単価は50~70%減。
リーマン・ショック後に1段下がり、最近もう一段下がった」
とのこと。
一方で、仕事の単価が減少したのは、「景気がいいときに
ボッタクリ過ぎたから」という声もある。WEBデザイナーの
38歳男性は2000年代前半の「ITバブル」に、さまざま
な企業がクライアントの無知を逆手にとって法外な料金を請求
してたとして、事情を次のように話す。
「昔は発注する企業側がネットのことをよくわかっていなくて、
こちらの言い値でけっこう通った。ひどい制作会社だと、バナー
をちょっと右にズラすだけで『5万円です』とか(笑)。
確かに、単価は下がったけど、それは一般の人たちもどんどん
ネットに詳しくなって、ボッタクリの実態がバレたということ
だと思う。
本当に大変なのに『このぐらい簡単でしょ?』って言ってくる
クライアントが増えたのは困ったもんですが……。」
技術職の仕事単価が減少した理由はさまざまな背景がある
ようだが、少なくとも現在は「手に職」があっても安心できる
時代ではないようだ。
(取材/頓所直人、興山英雄、小山田裕哉、河合桃子)
以上。
この記事を読んで思うのだが、同業者が増えたことは、
想定されているだろうか。
また、素人でも、できるような人が増えてきた。という
ことは、想定しているだろうか。
技術が進歩すればするほど、たいていのことは、素人でも
こなせるようになってきた。
なんとも、皮肉な話しだ。
「手に職があれば安心」という言葉は、私たちの若いころ
は、十分に生きていた。
今や、その言葉が、死語にならんとしているということだが、
若者の就職率が下がる一方、なんとも憂鬱なニュースだ。