森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

シンポジウム

2006-11-05 23:42:39 | 時事ネタ

先日、紹介したシンポジウム「日本林業再生の道 part II」に参加してきた。

出席者と内容は以下の通り。
・「森林組合による地域森林の管理」 湯浅勲(京都府日吉町森林組合)
・「合板用のスギ材活用の現状と展望」内藤和行(林ベニヤ産業株式会社)
・「ロハスな暮らしを作る国産材の内装」 藤田佐枝子(もくの会)
・「森林調査の必要性と矢作川森林調査から見えたもの」蔵治光一郎(東京大学大学院農学生命科学研究科附属愛知演習林)

昨年ほどの盛り上がりではなかったものの、結構な熱気と濃い中身である。

私の感想としては、一番話が面白かったのは、蔵治氏の市民によるゲリラ的森林調査で、一番ためになったのは、内藤氏の合板業界の内実である。そしてもっとも驚いたのは、湯浅氏の森林プラン。
森林プランとは、ようするに放置された森林の所有者に、現状報告と森林施業計画と見積もりを示して、「ちゃんと間伐しましょうよ」と口説く?営業するものなのだが、この手で全国一視察の多い森林組合と言われるほどになった。まあ、そのことは私も知っていたのだが、驚いたのは私の「森林プランによる成約率は」という質問への答。

なんと「100%!」なのだ。つまり、この手で口説けなかった山主はいないという。不在地主ほどOKするらしい。まるで森林に興味を失っている山主に、1枚の用紙だけで仕事を取れるという魔法の方法だった。

では、この方法を各地の森林組合が真似ているかと言えば、その例はほぼゼロ。この落差はなんなんだ。

 

結論。森林を救えるのは森林組合だけで、でもその森林組合の大半がダメダメ組織。そして、やる気のある森林組合に変える手だては…見つからない。これがシンポジウムの感想である。

 

この後、知人らと場所を変えて会食。そこで3時間半も話し合った森林・林業・木材産業の話は、シンポよりもためになったかも。