私が林業の勉強を始めたころ(大学ではない、吉野に通って実地で学んだ時のことだ)、林業の要諦は間伐にある、と教わった。
林業家は、その森をいかなる姿にしたいのか、その木からどんな木材を得たいのか、そしてお金をいつ得たいのか、すべて考えて伐る木を決める。そして、植えるよりも間伐こそが林業家の技術と見識が発揮される場なのだという。
また、徐伐のような切り捨て間伐は、山の「修理」と言うそうだ。
昨日は、間伐は必要あるのか、と問いかけたが、現実に山に行けば、鬱蒼と密生し、林床に何も生えず土壌流出が始まっている森もある。植林後何十年もたっているのに、ほとんど生長を止めたような線香林もある。
あるいは高級材を育てたいという意図もあるだろう。
そうしたところは、間伐が必要なのである。必要だった、と言うべき手遅れ林もあるが。
では、その区別をどうするか、ということだが、それは現場に素人の私にはわからない。ただ、そうした酷い状態になっているのは、植えた本数というよりも、そもそもその場所が、スギやヒノキと言った植栽木の生育にふさわしくなかったのではないか、と思う。本来生えないところに無理に植えたのだから、なんとか育つように世話しなければならない。その手段の一つが間伐だろう。
そう考えれば、間伐が必要な人工林がわかる。
一つは、高級材の生産地。
二つは、間伐材を収入に換える場合。
三つは、植栽木生長不良・土壌流出地。
四つは、景観を優先して、美林に仕立てる場合。
ほかにもあるかもしれないが、とりあえず、この条件に絞ればどうだろう。おそらく、間伐が必要なのは、全人工林の半分以下になるのではないか。
逆に考えれば、見た目だけで森が混んでいるからと間伐する必要はない。何がなんでも間伐、間伐と言って税金ばらまかなくて済む。
再び、記す。林業の要諦は間伐にあり。何のための間伐か、考えよ。
岐阜県、長野県でも多いです。
間伐の手遅れ林は、災害発生の危険、雪害や台風による折れやシオレ、林地の土砂流出などの恐れがあり、森林が単一樹種で覆われている所が多いです。
対策として、強め間伐をして、林地に広葉樹を自然発生させ、混交林にする。
強め間伐は、列状間伐を勧めます。(桧林でも)
1・線下集材でコスト安、収入を見込める。
2・点間伐から列状間伐により、材のかかり木対策による災害発生危険度の減少。伐倒単価の低減。残木の擦れ被害減少。
3・線下を広くする事で、草木が生える。土壌流出を防ぐ。
と思いますが、それにしても材価格が安すぎます。
この部分が優先される間伐と思います。
造林事業で今の問題を引き起こしたことから、国が責任を取る必要があります。
国が行うことは補助事業でなく、国の事業として間伐に取り組むことです。
その方法はまず植林地の山主の管理責任を明確にします。
その上で、山主の負担がなく間伐などの維持管理を国の手で行います。
ただし、この間伐などの維持管理は治山上のためであることから、その後の山の利用は当然制限が加えられます。自由に山の木を切ることはできません。今の保安林みたいなものです。
さらに、その間伐により生産された材は現行の取引以外に流通されるものとします。
利用は新たな用途に限るものです。
バイオマス燃料の原料、発電など材価を下げないように工夫します。
現行の、補助事業は当然やめなければなりません。
某県は、間伐補助を100%にしたそうですが、すると「間伐は国と県がするもの」というイメージができてしまって、森林所有者は逆にあまり動かなくなったそうです。
ただ、自腹を切って間伐をする所有者も少ないので、仮に公的機関が間伐を代行する場合は、私権の制限などペナルティを課すことも考えないと。
そのうえで、その森林が間伐が必要かしなくても大丈夫か審査機関がないといけない。
国はまず造林事業の失敗を認め、それによる問題点を公表することです。
その上でどのようにすればよいのか国民に判断してもらうことです。
問題点と解決方法を大学などの研究機関を含めさまざま提案してもらうことです。
開かれた中での議論を経て必要で許されるならば税金投入を行うことになります。
森を環境の面、木材資源の上からも山の所有者だけのことでなく、日本の将来の国民全体の問題としてはからなければならない重要なことと考えています。
国は林業家はもちろん、大学、経済、いろんな方からなる審議会や検討会をいくつも持っている。
パブリックコメントや、HPへの投書などで一般の方からのダイレクトな意見も受け入れている。
それでも、森林に関心のない人も多いし、関心が非常に強くても意見を出さない、届かないことも多いと思う。
国は声を聞く努力をもっとしないと。国民も、地域で活動するとか、本を書くとか、国に意見をあげるとか、何かしら行動しないと…
待っているだけでは何も変わらないと思うから、私もできることをしようと思います。bweさんはどんなことをされていますか。
間伐から話がそれちゃった。ごめんなさい。
間伐の必要性、必要度はみな同じではないから、やっぱりそれに応じてできるような仕組みにしないといけないですね。
私が取り組んでいることは、大きくハッタリで林業を産業化することです。
日本は木材が育ちやすい環境にあり、木材の利用が環境の保持と、持続性の可能性があることから将来性のある産業と感じています。
問題は経営的に成り立つようにするのはどうすればよいかということです。
目標と現実とは大きなギャップがありますが少しずつ行います。
今は、太い木を生産します。太い木でも機械力で運搬できます。また、電柱の需要は無くなりましたが、加工技術が進み板や集成材の需要がまだあるのです。ご存知のように間伐を行うたびに1本1本の木は太くなります。本数は減りますが、山全体の材積は減らず、より板の生産に適した木が生産できるのです。
現在110年生の林がありますが、20年前90年生のとき間伐した木の胸高での周囲の長さは平均110cm、10年前は120cm、現在は130cmになりました。
戦後植林された人工林にとっては、かなり先の長い話になりますが、昔より強度の間伐を行いより太い木を生産することは現状に即しているのではないでしょうか。
太い木を生産することは大切ですが、その前段階に伐った間伐材の使い道を見つけることが重要です。それまでの生長を無駄にしないためにも。
細い柱や電柱などに変わる需要はないものでしょうか。板加工や集成材も有望だけど、価格がなあ。