育成林業が最初に始まったのはいつか、ということを考えた。
天然林から木材を取り出す収奪型林業なら、有史前から行なわれていただろうが、ちゃんと植え育てた木を利用する林業である。
奈良県川上村は、文亀年間(1501~4年)にスギやヒノキの植林を始めたとある。これが日本最古の記録であり、おそらく世界でも有数の古さだろう。
もっとも古事記にも、スギの枝を地面に刺して育てる、いわば挿し木の逸話がある。林業とは言えないが、木を育てることは、意外と古くからやっていたのだろう。
が、このほど、もっと古くて、もっと確実な育成林業を発見した。
それは縄文時代だ。場所は、 青森県の三内丸山。
この遺跡は、4000年以上前に1500年も続いた集落跡だ。この周辺にはクリ林があったことが知られている。縄文人は、クリを食料にしていたのだろう。だが、クリの実を食べるだけではなかった。遺跡から出土した建物の痕跡から、使われた木材はクリであったことがわかっているのだ。ほとんどの建物がクリであり、さらに皿などの器にもクリ材は使われていた。そして炭もクリ材。
つまり、ここの縄文人は、クリの家に住み、クリの器でクリの木炭で焼いたクリの実を食べていたとされているのだ。
ここからが、肝心。クリのDNA分析によると、いずれも似通っていて選別して植え育てたことが推測できるのだ。集落周辺のクリ林は、おそらく縄文人が植えてつくった森林なのである。
もうわかるだろう。植え育てたクリの木を木材として利用しているのだから、あきらかに育成林業ではないか。これこそ、日本林業の出発点である!
……こんな趣旨の論文書けないかな。
クリの生木は割りやすいので石器で割ることができたけど、針葉樹は鉄を使えるようになって加工できるようになったと
今は…乾燥とか言うととても使えない気がする…
そのくせ、乾燥すると非常に硬くなるから、加工が楽で、その後腐朽しにくい便利な木だったんでしょうね。
ただし、乾燥すると、ものすごくゆがむから、今では使いにくいでしょうね。昔はきにしなかっただろうけど。