森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

疏水百選

2006-03-18 14:33:01 | 政策・行政関係

農林水産省が、「疏水百選」を選定したそうだ。

 「疏水」とは、人間が灌漑や水運などのために通水させた人工的な水路のこと。運河、用水路と言ってもよいが、トンネルを掘ることもある。その延長は40万kmにも達しているそうで、単なる利水を越えて、景観や文化、そして自然環境も育んでいる。

今回の選定は、全国から公募した499地区を有識者とインターネット等による投票によって最終的に110地区に絞ったもの。百選と言っても、100を越えている。

農水省だけではないが、官僚は「○○百選」がお好きなようだ。たしかに棚田百選、名水百選などのように、選定によって注目され、また選ばれた地域にとっては誇りとなり、その後の保全が進むようになった例もある。その効果を狙っているのだろう。先人の建設したものの価値を再評価することで、現在建設中のものにも目を向けてもらうことも考えているはずだ。

そのうち雑木林百選、人工林百選も登場するかもしれない。さらに悪のりして、ダム・ダム湖百選とか、護岸工事百選も選び出すのではないか。

選ばれた中で有名なのは、琵琶湖疏水だろう。だが私は、三重県のまんぼが気になる。これは、地下を掘り抜いた疎水で、中近東の砂漠にある地下水道カレーズを思わせる。一度、あの中を歩いてみたい。
昔は自然の洞窟ばかり行っていたが、今では人工の穴の方が、作った人々の思いなどロマンがあるように思えてきた。森も、天然林より人々が関わった森の方が想像が広がる。


 


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読めない… (田中淳夫)
2006-04-11 11:05:35
日経ビジネス読めないのに、投稿はできない…。



でも、世の中思い通りには進まないもので、国産割り箸に向かう前にプラ製に行ってしまう可能性大。
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割り箸禁輸 (あがたし)
2006-04-10 21:35:49
とおもったら,その後の日経ビジネスの読者投稿欄に,「これはチャンスかもしれない.安い国からの輸入をやめて国内産業育成に努力の方向を向ければ」といった意見がでました.



田中さんが投稿者かと思ったです(笑)



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割り箸輸出禁止! (田中淳夫)
2006-04-07 11:31:19
中国は、割り箸の値上げどころか輸出禁止に踏み込むかもしれない、というニュースもあります。



たしかに森林破壊が進み、木炭の輸出も禁止した中国が、割り箸を輸出するのはおかしい。(中国も外材で割り箸作っているという話もあるけど。)



国産材割り箸の復権につながればよいのですが。
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ふむ・・ (になみ)
2006-04-07 08:06:13
私も割り箸のニュース、テレビで見ました。

そのときはただ見てたのですけど、

コンビニとかお弁当屋とか、影響が出ているようなのを知ってから

よーく見たら、お店で売ってる割り箸も値段が変わってないけど入ってる数が減ってたりしました。
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割り箸の生産地 (田中淳夫)
2006-03-29 10:39:56
あっ、ここでしたか。でも中身は読めないんだ…。



本当に割り箸生産は中国一辺倒ですから、中国がごねたら太刀打ちできないでしょう。

でも、値上げはよいことかもしれません。森林資源のためにも、日本の業界のためにも。



最近はまた間伐材割り箸などが注目されていますが、どうかなー。
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割り箸値上げ記事 (あがたし)
2006-03-28 21:01:07
「時事超流」(真ん中よりちょっと上)にある,



>リアルチャイナ 割り箸が一斉値上げ

> 弁当、コンビニ業界に新たな“中国リスク”



ですね 本誌では1ページでした. 日本の割り箸輸入は「中国一国に依存」なんだそうです. なんでも,いままでは大幅安だったのが実はそれは「安すぎ」で,最近になって中国のシキリ会社がどんどん値上げしているのだそうです.





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選定意義 (田中淳夫)
2006-03-26 21:59:59
百名山も、血道を上げて登っている人がいますが、本来の意義を逸脱するとおかしくなります。コレクションみたいになる。



まあ、どんな百選も気軽に楽しんでいただければよいのですが。



※ 「割り箸値上げ」の記事、見当たらないのですが…。
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百選 (安形氏)
2006-03-26 19:10:53
「棚田百選」は130以上ありますよね.



私の本業?の名水関係だと,名水百選は,「水自体の価値」もさることながら「水と人とのいい関係」に価値を見いだして,「その水を守り伝えてきた地域の人の顕彰」を目的としたものですね.



どの百選にも選定意図というものがあるわけで,それをきちんと理解するのが大事ですよね.



ところで日本百名山は,日本のどこにどういう山があるのか知らない人にそれを知ってもらうには絶好の教科書ではあります.そして,「山の自然学入門」(古今書院)や「日本の山はなぜ美しい」(同)あたりにステップアップ,と.そのとっかかりにはなりますね. 登るかどうかはまた別の問題ですけど,とりあえずそれら「代表的な山」を登ると,それ以外の魅力的な山々も分かってくるもの(かなり希望的観測).深田久弥氏が数百の山を登った上で選定した100選ということをわきまえて登ればいいんじゃないでしょうか.



田中さんへ私信>日経ビジネスに「割箸値上げ」記事が出ていますね.

http://nb.nikkeibp.co.jp/free/backnumbers/2006/20060327.shtml

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百選百選 (田中淳夫)
2006-03-23 10:35:56
「百選」の百は、100という数字ではなく、「選ばれたもの」といった意味合いで使っているんだ、と弁解しているのを聞いたか読んだ記憶があります。

数ある中から選ばれた存在という点が、観光的にも意味があるのでしょう。百選に選ばれて、急に行政が保全活動をスタートしたところもあるようです。

名水百選の中には、一気に名所となり水を売る産業になったところもある。



森林関係では、森の巨人百選というのもあったような。



日本にどんな「百選」があるか、たくさんあるのなら「百選百選」を選んでもらいたい(^^;)。
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100以上 (になみ)
2006-03-23 08:02:11
かつて森林関連の百選の本を見ていて

なんで100以上あるの?って思いました。

子供じみた疑問かもしれませんが、どうしてなんでしょうかね・・・



地域的な百選もあったり、独自な百選もあったり、あちこちにいろんな百選がたくさんあるので

「これは○○の百選のひとつで・・・」と説明されても、ふぅん・・・という感じで、その価値がわからずにいましたが

注目や誇り、そして保全が進むようになったという効果もあるのですね。



じんさん、確かにありましたね!おととしくらい

でしたか、

読売新聞主催環境省共催?で、里地里山・・確か、30選だったと思います。
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たしかに一時的には注目度アップ (じん)
2006-03-23 07:03:56
このエントリーを知っていれば、組織票で入れたいものがありましたが、逃してしまいました。

森林関連も、すでに○○選みたいなのがけっこうありますよね。

でも、百名山ブームの功罪ってのを振り返ってみると、観光としてのコマーシャルベースにどのくらい利用されるかが命運になるのかなという感じです。

読売新聞社の里山50選というのもあったと記憶していますが。
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