湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

物の詩パート13

2016-04-22 00:06:46 | オリジナル
共通テーマ「物」でAが書いた詩を投稿します。

シュガーポット

あの子が手にとったとき
わたしは滑り落ちました
食堂の床に転がり見上げると
あの子はママに怒られていました
―なにやってるの、砂糖がもったいないじゃない!
あの子はうなだれました
涙を落としたら甘い砂糖たちが吸ってくれるわよ

あの子はしゃがんで
わたしを拾い上げほほえみました
―怪我はなかった? よかったわ
それはわたしがあなたにかけたかった言葉よ

あの子のママはまだ怒っていました
―紅茶もこぼしてる、早く拭きなさい!
あの子はわたしを元に戻し
食卓を拭き
床を掃除し

出て行きました
コメント
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