湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

疑問形俳句

2018-05-31 23:45:59 | 文学
昨日投稿した活用形俳句。疑問形を使った迫力ある秀句として、こんな例を教わりました。
幽霊も鬱なるか傘さして立つ 高柳重信
虫の音の夜夜澄むは飢極まるか 高橋睦郎

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活用形俳句

2018-05-30 17:57:37 | 文学
初級俳句教室の次回テーマを、受講生で出し合って決めています。
たいていは次の日程の季節に合わせた上で部門(時候・動植物・人事など)のバリエーションをつけた季語を選びます。
でも兼題が季語でなければいけないということはありません。
そこでAが最近毎回提案しているのが活用形バリエーション。たとえば…
仮定形で一句 嘘ならばどうしてやろう木下闇(こしたやみ)
疑問形で一句 それは今言うべき事か金亀子(こがねむし)
Aがこうした活用形で作ると、なんだか歪んだ人間関係を思わせるドロドロ句ができがち
でも、発想の転換になって面白いですよ。さて、次回は推量(推定)形です。どんな(ドロドロ)句ができるかな?
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緑の詩パート4

2018-05-29 15:34:28 | オリジナル
共通テーマ「緑」でSが書いた詩を投稿します。

おお 牧場は緑の

娼婦の(ような)顔をして
売春をして
ほそい糞をする
おお 牧場は緑の

隠し事のある
役割のある
偉大な自然の
素晴らしい自然の

二十年で老いぼれる
とうに肉を食べなくなったパンダが
竹を!(アーメン)
水没したジャングルの
緑の腰に
魚が!(アーメン メメント・モリ!*)
偽名を使って
どこへも入り込める緑を
わたしは抱きしめない

良い警官のように良い緑
良い犬のように良い緑
極め付はうつくしい緑色のバラか?
  
*死を想え

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通の詩パート6

2018-05-28 15:29:03 | オリジナル
共通テーマ「通」でSが書いた詩を投稿します。

通りゃんせ

素顔で素手で
 通りゃんせ
  道はみんなだれかのお古だが――
ああラテン語なんて
いいじゃない今どきラテン語なんて――
1975年3月15日
深夜の路上の命乞い
月は出ているあるいは出ていない
歩いたが歩けない路を
 通りゃんせ
私の私小説
私の妻には男はいない
私の夫(つま)には女はいない
? アッ! 行き止まり
通れない通れないが
通りゃんせ
分からないが分かるまで
儀式は大事ラテン語で
愚者多数
いつも愚者愚者多数
通りゃんせ
欲しいものありますか分かりません
何もないしなんでもあるし何もなかって
おろおろおろおろ
わたしにもみんなにもアリバイがない
通りゃんせの唄が聴こえるばかりだが
 通りゃんせ
  どうかいそいでいますぐに――
半数が死んだ
それが何?
呼びもどしてください どうか
命乞いの女の胸を刺した男の
あの男の母親の窓へ続く路
通りゃんせの 路――
川明り 川明り
江戸時代?小田原?人柱?
ロンドン橋?
通りゃんせ 通りゃんせ 通りゃんせ
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通の詩パート5

2018-05-27 07:11:57 | オリジナル
共通テーマ「通」でTが書いた詩を投稿します。

白昼夢

外人墓地裏の坂を下りていると
足早に通り過ぎた女性から
「時の流れ」の香りがした

12歳の時
「おみやげだよ」
おじから手渡された小瓶
ラベルの文字も分からず
首を傾げて振ってみたりした
「香水だ。つけてごらん」
スプレーを押すと
初めての美しい香りがひろがった
「レールデュタン。日本語で時の流れだ」

夏の終わりの陽射しに射抜かれて
子供の私は庭に倒れた
息を吹き返し
その日から香水のスプレーを押すたびに
私は背が伸びた

長い間
私の香りだったレールデュタン
時は流れて
「モリンガの花」のかすかな香りが今は好きだ

抜け出した私の影が前を歩いている
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密の墓で漢字を考察

2018-05-26 14:50:09 | 三浦半島
久々に国道134号線芦名付近をサイクリングしたら、浄楽寺の近くに凄いポストが!

石造ポスト背面に「前島密没後九十五年記念…平成二十六年十月」と彫ってあります。近くの石碑にはこんな説明が。
天保六年(一八三五)、現在の新潟県上越市に生まれた前島密は、近代郵便制度を創設し、全国に郵便局のネットワークを構築、郵便為替、郵便貯金などを含めて郵便事業の基礎を築きました。また、電信電話事業、教育・福祉事業、鉄道・陸運・海運事業、新聞事業など幅広い分野で多大な功績を残し、生誕地に建てられた記念碑には「日本文明の一大恩人」として称えられています。
東京遷都、駅制改革、国字改良など、先見性に満ちた数々の提案は、大久保利通、大隈重信、渋沢栄一など当時の実力者に大きな影響を与えました。
晩年は当地芦名に隠居所「如々山荘」を設け、村人や子供等と親しみながら穏やかな余生を過ごしました。大正八年(一九一九)八十五歳でその生涯を閉じ、この地(浄楽寺)に眠っています。

文中の「国字改良」とは、浄楽寺にある墓所に置いてあった「前島密業績絵画」というパンフレットによると、漢字廃止のことみたいですね。国民の間に学問を広めるためには難しい漢字の使用をやめるべきだという趣旨の建議書「漢字御廃止之議」を徳川慶喜に提出したのだとか。この一項目だけ見ると「いや~、漢字は日本語の重要な要素ですけどね」と考えてしまいますが、漢字廃止論を唱えたのは彼だけではありません。福沢諭吉もGHQも漢字廃止を提案したんだよね。その実現を阻んだのは日本人の超高い識字率でした。
仮名も漢字も元をただせば中国由来だけれど、日本の素晴らしい文化です。
 前島密翁の墓
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夏草俳句

2018-05-25 16:09:42 | 文学
今日の湘南句会の兼題は夏草でした。
本意は、梅雨も明けた夏の盛りに炎天下でも枯れることなく青々と伸びて生い茂る雑草の生命力あふれる様子…って感じかな。
梅雨入り前の今では、兼題にするのが早すぎたかもしれません。でも最近めきめきと草が蔓延ってるもんね、まあいいや

特選 夏草のかげ万骨の声やまず
次席 啾啾(しゅうしゅう)と泣く夏草や将残る
芭蕉の有名な句を彷彿とさせます。でも、もっと元気感のある句のほうが本意に沿っているのでは?
ということで選句されたのは次のような作品でした。
夏草に背中押されて段昇り
銀輪に絡む夏草小花あり
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緑の詩パート3

2018-05-24 09:23:30 | オリジナル
共通テーマ「緑」でAが書いた詩を投稿します。

柔らかい耳・硬い頭蓋・アタシの眼玉

「頭の中で繰り返し音楽が鳴っていることない?」
そんなのいつもだよ
「私もある 昨日からずっと鳴ってるのは 
♪ハウスバーモントカレーだよ♪  
ってやつ 秀樹のファンだったからね」
「そうそう、CMソングが流れるのよ
♪はや印刷 やす印刷♪って 
百回くらいリプレイされて困るから
プリントパックのCMが流れ出したらチャンネル変える」
「♪もっともっと タケモット♪は?」
「それは鳴らないわ
でも竹本ピアノのCMが流れると
赤ちゃんが泣き止むんだよ」
「すごいね」
「こわいね」
こわくないよ
頭の中で何が鳴ってもアタシは気にしない
だから耳鳴りも気にならない
窓の外では青葉が茂っている
さっきの雨で濡れた街が静かに光っている
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通の詩パート4

2018-05-23 08:41:00 | オリジナル
共通テーマ「通」でAが書いた詩を投稿します。
 池子の森自然公園
微苦笑

陽のなごりが失せてから逗子に入る
黒く見える山の北側は弾薬庫跡
池子トンネルを抜けてしばらくの間は
民家もなく路面が見えないほど暗い
踏んでいくアスファルトから
立ち上がってくる無の影

時は悠然と明け暮れ
強迫的に求めた光は
規則をもって闇と入れ替わる
日々の習慣的な幻滅が
私を力なく微笑ませる
弾薬庫跡の住民も
地元民とすれちがう時
顔に笑みを貼っている

世界を遡ることはできない
立ち止まることもできない
産み捨てられた時点から
微苦笑を浮かべて
何処かへの道を通過するだけ
どんなふうに行くかが
正解のない問題だ
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通の詩パート3

2018-05-22 17:25:56 | オリジナル
共通テーマ「通」でEが書いた詩を投稿します。

笑う

歩けば まず つまずく
つまずけば倒れる
一ミリほどの凸起があって
わざわいがそこに身をかくす

つまずきの小石は
どこにでもあって
すべてをさけることなど
できはしない だれにも……

防ぐためにうずくまって
歩みをやめるか……だが
生きるとは歩くことだから
生れた以上 歩まねばならない

歩いて つまずいてつまずいて
悔いに沈んで 泣きくずれ
倒れ伏した所で 安堵にであう……としても
その保証はあるのか

あゝ 生れたことが 結局
すべてのわざわいの元なのだ
偏在する億兆の霊たちが
通りの片すみで くすりと笑う
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