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湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

詩作についての詩パート2

2015-04-30 01:02:08 | 
オオデマリが満開です。真っ白でかわいい~!


はる  室生犀星

おれがいつも詩をかいてゐると
永遠がやって来て
ひたひに何かなすつて行く
手をやつて見るけれど
すこしのあとも残さない素早い奴だ
おれはいつもそいつを見やうとして
あせつて手を焼いてゐる
時がだんだん進んで行く
おれの心にしみを遺して
おれのひたひをいつもひりひりさせて行く
けれどもおれは詩をやめない
おれはやはり街から街をあるいたり
深い泥濘にはまつたりしてゐる
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「折る」の詩パート9

2015-04-29 00:00:42 | オリジナル
共通テーマ「折る」でTが書いた詩を投稿します。版画もTの作です。

 私の詩

織り上げたあなたの詩には
かすかな香りがあります
多彩なイメージが立ち上る的確な言葉と
その香りで
深く浸ってしまったあなたの世界

忍冬と知らずに絡まる垣根を通り過ぎ
甘い香りに可憐な花を見つけ
そっと茎を折ってきたのは三年前
門扉に絡ませようと大きな鉢に植えてみました
今年ようやく花が咲き 香りが漂ってきました

あなたの技法を気付かれぬように折り
私の中に植えて すでに七年
芽は出て心に蔓は絡まってきましたが
まだ花は咲きません
緑の語彙が少し増えただけです


この詩はあさって5月1日14時からの合評会で取り上げます。
見学したい方は市民交流センター1階市民活動スペースに当日直接いらしてください。
「湘南文芸」と書いたホワイトボードを使っているテーブルでやってます。
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本間亮次展&湘南文芸TAK5月合評会

2015-04-28 00:00:24 | イベント
先日、逗子桜山にアトリエをかまえる若手洋画家、本間亮次さんの展覧会を観てきました。関内のぎゃらりー彩光で、今日の19時までやってます。

↓市内の小学生記者が取材して制作したポスター。         ↑逗子や鎌倉の沖でサーフィン中に感じた波の印象を描いた絵。
 

↑便乗してカーブス逗子に貼ってもらっている当会の合評会ポスターです。
5月1日(金)14時~逗子市民交流センター1階市民活動スペースで、5月の合評会を開催します。
見学希望者お2人の参加予約をいただいています。当日、予約なしでいらしていただいてもOKです。途中から途中まででもOKです。
「湘南文芸」と書いたホワイトボードがあるテーブルに、お気軽に見学にいらしてくださいね。
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眩しく狂う春

2015-04-27 01:42:00 | 

「ラピュタみたいな無人島」と話題になっている猿島@横須賀

合評会の愉しみのひとつは、直に作者の弁を聞くことではないでしょうか。
前回の合評会で「花粉症の人達がマスクやゴーグルをかけて街を歩いている春先の光景を、見たままに表現しました」と説明した作者Tの視点のユニークさに、私たちはあっけにとられたのでした。

希望

まだ緑はやってこない
色がばら撒かれ始めたのに

マスクやゴーグルを掛け
ナウシカの腐海を歩く
虫も鳥も直接に世界に触れて生きているのに
心も体もむき出しのまま晒すことのできない人間は
衰弱してしまった

カワセミはまっすぐ水に落下し
青緑の捕食行動は明快だ
ミモザは光源のように眩しい
沈丁花の香りは行きつ戻りつする季節の中を漂う
木々の枝先には緑が折り畳まれて格納され
爆発寸前だ
 
緑が来れば 緑が来れば
人々は回復するだろう


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書くことについての詩

2015-04-26 00:35:11 | 
今年1月に刊行された高橋睦郎最新詩集を読んでいます。
自由詩と定型詩の両岸を橋渡す無二の詩人が、成熟期の35年にわたる詩業を精選。目、生、旅、讃、悼、倣の6章に編む。最新詩集までを収めた、高橋睦郎エッセンス(思潮社新刊情報)です。

祝詞、連句、狂言も収められているこの大変な最新詩集の中では読み取りやすい部類の、書くことについての詩(生vitaeの章に収載)をご紹介します。

書くこと
文字を書くことを覚えてこのかた
長くも 短くもない旅の途中
いたるところに 机があり 椅子があった
小学校の蓋付きの机と凭れのない椅子
ホテルのロビーのマホガニーのテーブルと揺り椅子
外国の公園の石の台と石の尻置き
あるいは大陸を横断する列車の座席と袖テーブル
立ちんぼの空気が机で椅子のことも
いつも紙きれと禿び鉛筆があればよかった
紙きれが机であり 鉛筆が椅子だった
何か書いていると 書いているあいだ 充足した
書くことが机であり 椅子だった


詩人の暮らす逗子星谷書屋の門扉。詩人自筆の「ペンキ塗立て」表示付きだぞ 
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「折る」の詩パート8

2015-04-25 01:56:15 | オリジナル
筍掘りました。穂先は和えもの、下の方はイタリアン風にオリーブオイル炒めにしましたよ。…って、夕食メニュー全部筍かよ

ではお題「折る」でAが書いた詩を投稿します。

日曜日、父は枯枝を燃やす

日曜日の夕方には決まって
父が家中のごみを集めて庭で燃やす
火の力で家庭を清めたくて
庭の片隅にまとめ置かれた剪定枝を
時おり折ってくべながら
父は真剣な顔で火を見つめている

日曜日の夕方
私は二階の自室の窓から
父が焔を見つめる姿を
悲惨な心で見おろしている
庭に降りて行って隣に立ちたいのだが
かける言葉がひとつも浮かばない

月曜日の早朝
一家の系統樹の私の枝を折り砕き
ごみ箱に捨てて家を出て行く
私の破片は次の日曜日に
父が燃やしてくれるだろう
朽ちて乾いているから
音を立ててよく燃えるだろう
父は哀しい表情で
音が消えて灰になるまで
ずっと聞いているだろう
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「折る」の詩パート7

2015-04-24 00:00:21 | オリジナル
共通テーマ「折る」でTが書いた詩を投稿します。

裸の王女様と息子

あなたはあの女の囚われ人
飛翔する翼が生えるたびに
あの女に折られ続け
40代に入ったあなたには
もう翼は生えない

優位性を強調し
当然劣っていると認識した者には高慢な態度
自分が一番と思っている考えを無理やり押し付け
人や物を判断する選択肢は良いか悪いか
グレーの部分に思念が及ぶことはない
まるで幼児
一見華やかな誇大感に人は魅了されるが
すぐに限界が来る
傲慢な女の鼻をへし折ること
それは無反応になることだ
やがて誰もいなくなるだろう 裸の王女様

あなたは女の息子
「唯一、この世で思い通りになる者が欲しかった」
子供をそんな思いで見つめる女
とうとう囲い込まれてしまったあなた
そして女には もうあなたしかいない


昨日この写真を撮っていたら海岸を散歩中の男性に「これ何なの?」と尋ねられました。逗子海岸映画祭の会場を設営中なんですよ。
ここに海を背に大きなスクリーンが張られます
第6回目になる今年の逗子海岸映画祭は、4月25日(土)~5月6日(水)に開催されます。
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詩作についての詩

2015-04-23 12:15:42 | 
詩人は必ずといっていいほど、詩を作ることについての詩を書きますよね。
一見そうは思えない詩もどこかで詩について書いていたりするけれど、タイトルもそのものズバリ「詩」という堀口大学の詩を紹介します。

     詩 

難儀なところに詩は尋ねたい
ぬきさしならぬ詩が作りたい

たとへば梁も柱もないが
然も揺るがぬ一軒の家

行と行とが支へになつて
言葉と言葉が木だまし合って

果てて果てない詩が作りたい
難儀なところに詩は求めたい
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「折る」の詩パート6

2015-04-22 04:07:11 | オリジナル
お題「折る」でAが作った詩です。

DOG EARS

最初にページの端が折れているのは
風の中で揺れていた光 

次にページの端が折れているのは
口の中で溶けていくアイスクリーム  

次にページの端が折れているのは
生まれたての弟の柔らかい皮膚 

次にページの端が折れているのは
好きな男の子がこっちを見る眼差し

次にページの端が折れているのは
ロックミュージックの音とリズム

次にページの端が折れているのは
彼の匂いと混ざったコロンの香り  

次にページの端が折れているのは
破裂しそうな胸の高鳴り

最後に端が折れているのは注釈のページ
*ドッグイヤー:ページの角を犬の耳のように折り曲げること。瑣事と不満の堆積に蔽われ見えなくなった人生の感動を思い出すための目印。
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「折る」の詩パート5

2015-04-21 02:02:46 | オリジナル
Aの詩を投稿します。


青年
きみの回路はちぎれている
しかし細くつながっている
つながっている部分に激情が通うと汽笛が鳴る
情動から言語への回路は途切れているから
何に腹を立てたのかきいても答えてくれない
「ごめん……説明できない」と身もだえ口ごもる姿が
裸のダビデみたいにセクシーだね
翼を再び大きく広げるために折り畳んでいくような
曲がっているのでも切れているのでもない
関節の角度 その折れ具合
天上の光景のよう
筋肉がスローモーションをつかさどり
掌の礫を包み隠して

「折る」の詩は、5月1日(金)14時~逗子市民交流センター1階で開く合評会で取り上げます。
見学・参加希望者は当日お気軽にいらしてください。
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