理の詩パート2

共通テーマ「理」でZが書いた詩を投稿します。ヤブデマリの写真もZの撮影です。

理論
ティーポットを　テーブルに置いて
あいつは　二つに割れた舌先ペロペロしながら
古い書物に　書かれた理論について
ストロベリートークをしてきたけれど
私の心に　湧き出たものは
世の中そんなに　シンプルでないと
教えてくれた　映画の科白
こうして　何人お前は　奈落の底に落としたと
炎が　映る眼底見つめて　思って見たが
そうですねと　相槌打った
気弱な　若き日の思い出

松の花俳句

浪子不動園地で、ちょうど目の高さに松の花が咲いていました。

しげしげと見ると、なんとも奇妙な花です。先端の紫色っぽいのが雌花の集まりで、松ぼっくりになるんだって。

晩春の季語「松の花」の俳句を鑑賞した中から、印象に残ったものを下に記します。
松の花八十路の耳に潮しづか　阿部みどり女
松の花柩車の金の暮れのこる　西東三鬼
熊の皮に昼寝の和尚松の花　　河野静雲

鯉のぼり俳句

あちこちに鯉のぼりが見られるようになりました。
端午の節句あたりから、俳句の世界では夏になります。鯉のぼり（鯉幟　五月鯉　吹流し　矢車）も夏の季語です。
　逗子ホームせせらぎ
一足早く夏気分で、鯉幟の名句をさがしてみました。
影踏めばふいに泳ぎし鯉のぼり　桑山撫子
鯉のぼり村を沈めて泳ぎけり　　佐野まさる
五月鯉ムンクの叫びの大口で　　関島恵美子
鯉幟降ろされ温き息を吐く　　　犬飼ヨシエ

夢庵「なぎさホテル」ファイル

4月11日に伊集院静作品に登場するなぎさホテルのことを投稿しましたが、この間夢庵に行ったら店内にこんなボードが。

そこに備え付けてあったのは、なぎさホテルに関する雑誌記事のコピーが綴りこまれたファイルでした。
　客室内

時計台のある外観を模した物が、かつてのステーキガストと夢庵の間にもあったのですが、だいぶ前になくなっちゃいましたね、残念。

サン・ジョルディにZINE読書

今日はサン・ジョルディの日。スペインでは本を贈り合う記念日だそうです。
そういえば昨日、互いの書いた本を贈り合いました、偶然だけど。

一般流通本の他に個人誌、いわゆるZINEもいただきました。
作り手の趣味全開で面白～い。同人誌より楽しいかも。
私もZINE作りたくなっちゃいました。

指輪の俳句

逗子と横須賀の境でクサイチゴを見つけました。撮った後食べてみたらおいしかったです

さて、また季語ではない兼題で俳句を作りました。「指輪」の句です。
使われぬ結婚指輪別れ霜
十指に余る玩具の指輪鬱金香
昨日のカナブンで点が入ったのは、こんな作品でした。
指と輪の間に残る花の雨

柔らかいの詩パート3

共通テーマ「柔らかい」でAが書いた詩を投稿します。

芽

指先に兆す微かな痺れと熱
じんわりと手に広がり
やがて関節からゆっくりと
柔らかい色と形をした薄いものが
発芽し少しずつ開いていく

明日には
濃く硬く厚くなっていくだろう
柔らかなネオテニーのまま
とどまることはできないから

今なら簡単に噛み砕ける
両手を口に近づける

柔らかいの詩パート2

共通テーマ「柔らかい」でTが書いた詩を投稿します。

夕方色
「あっ　夕方色だ　今　夕方だよね」
窓の外を見ていた孫がふり返る
「そうね」
私は答える
「夕陽ってごはん食べるんだよ」
「そうなの？　ごはん食べるの？」
「そうなんだよ」
70ピースのジグソウパズルを私は並べ始める
「こっちも夕方だよ」
反対側の窓の所で叫ぶ孫
今　この街は全てが夕方なのです
なんて柔らかい世界のとらえ方
色で夕方をつかまえた3歳児
やっと落ち着いてパズルを始めた

理の詩パート１

共通テーマ「理」でEが書いた詩を投稿します。

理

駅から街へ出る
ビルの地下街へ下りる
所用を済ませ
同じ階段を上って
戻ろうとする
気づくといつも
逆方向へ歩き出している

小学生時代から
鉄棒が苦手
前下りさえ出来ない
無理にやろうとする
手がはなれて
頭から落下する
恐怖にかられ
しがみついてしまう

私ってヤツはとことん
二次元の存在
世間は三次元構造
ギクシャクするのは道理というもの

＊子どもたちには鉄棒を買ってきて逆上がりだけはできるよう躾をした。教えたのはそれだけ。

湘南句会今月の特選

今朝のNHKあさイチで、葉山の貝の動物園が取り上げられていましたね。

さて、4月は兼題「踏青」と「流行」で句会。特選は次の2句でした。
青を踏む幼子倦くを待つ老犬（兼題　踏青）
弁当にもはやりすたりや桜東風（兼題　流行）