湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

活動休止

2024-04-29 09:09:16 | 文学

当ブログは、逗子で毎月行う詩の合評会の連絡ツールとして開設したものです。

諸事情によりこの定例活動を休止することになりました。

十年一区切り。

振り返ると楽しく批評し合い有意義な時間を過ごした思い出が胸に湧き上がってきます。

それぞれの個性が溢れるオリジナル作品を、今まで何百篇と投稿できたことは誇りです。

併せて2017年から掲載していた湘南句会に関する情報も、今後一切アップしません。

研鑽を重ねた結果会員の俳句力が上がり、コンテストに挑戦できるようになったためです。

「座の文芸」のひとつの座としてブログがあってもいいと思っていたのですが、

未発表の句であることが応募の条件なので、オリジナル句をSNS等に出せません。

既に世間に出ている句をたまに投稿するに留めておくことにします。

あとは文学や文芸創作に関するネタを、神奈川県内・逗子市内で撮った拙い写真と共に、たまにアップしますね。

ということで投稿が間遠くなると思いますが、ご了承ください。

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終わったのだけれど

2024-04-28 05:37:44 | オリジナル

終わったのだけれど

 

こういうことがあったんだ

と 人は言いたがる

続く頻出語は

――けれど――

 

そんな話を

口から垂れ流して

他人に聞き流されて

死ぬまでの時間を潰すのはまっぴら

 

だから詩を投稿して

投稿された詩を

一語一語書き取って

合評会を開くようになった

書かれた言葉たちに

それぞれの人生のイメージが

星のようにちらばっていた

 

読んで感心してほしいだけとか

自分のことを一方的に喋りたいとか

忘年会目当てとかで参加した 

愛すべき人々

罪は問わないけれど――

 

とある合評会の死後に

毎月やってきたのだけれど――

と 十年分の嘆息を毎晩吐いて酸欠だ

私も死ぬのだと知った何十年も前は

ああ幸福だったと言って死にたい

などと おめでたく考えていた

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愛の詩パート4

2024-04-24 22:52:28 | オリジナル

共通テーマ「愛」でMが書いた詩を投稿します。

コロンの種

知らない間にその種が植え付けられていた

それがいつ蒔かれていたのか考えてみた

思い当たるのは十二年間一緒に過したあの犬だ

一人っ子の私を仕事で家に居ない両親に代わって

家の中でずっとそばにいてくれたのはコロンだった

庭で遊んでいれば心配そうに縁側からじっと私を見つめ

座っていれば常に膝の上に乗り

布団に入る時も一緒に入り

涙を流せばペロペロと舌で拭きとってくれていた

最期は苦しみに耐えながら学校から帰宅する私を待ち

安心したかのように私の膝の上で息絶えた

あのコロンの優しい種が私の中に蒔かれていたのだ

私が大人になり家庭を持ち子に恵まれた時

その種は芽を出し愛という花を咲かせた

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愛の詩パート3

2024-04-23 10:29:20 | オリジナル

共通テーマ「愛」でAが書いた詩を投稿します。

自己愛

 

あくびは伝染るというけれど

私があくびをしても気付かない

他者をつかまえれば自分の話を聴かせたい

更にこじれれば自分に従わせたい

 

相手を慮らねば逮捕

という世界だったら

そもそも戦争は起こらない

愛とは対象を気にかけること

という解釈はその人の辞書にない

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愛の詩パート2

2024-04-20 06:19:55 | オリジナル

共通テーマ「愛」でAが書いた詩を投稿します。

溢れる

 

泣いているところで目が覚めた

夜の涙がかさを増して夢から溢れ出そうだ

 

欲しいものがあって生まれてくるわけではない

なのに生まれたら欲しいものまみれ

玩具だの菓子だのジュースだの 

 いちばん欲しいのは愛なのに

服だの靴だのバッグだの

 いちばん欲しいのは愛なのに

 

欲に囚われて

愛を追い求めて

人間は実に滑稽だ

 

生命以外はなにも欲せず

誰の愛も欲しがらず

つるんと存在しているだけでいいのなら

夢から溢れた涙で昼間も暮らすことを

心配せずに済むのに

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雑草の詩パート2

2024-04-19 07:09:30 | オリジナル
共通テーマ「雑草」でZが書いた詩を投稿します。ホタルカズラの写真もZの撮影です。
雑草
 
雑草であったから モデルチェンジせざるを得なかった
俺の体と心
雑草であることで
指の関節は太くなり 腰は曲がった
それにとどまらず俺の心まで変態した
笑って皮肉を言えるようになり 
顔色を変えずに嘘をつくようになった
雑草であることは
人の縄張りを奪うことでしか 生き延びられないことなのだ
 
現在の俺は
温室育ちのお前等を羨むことなど一毫もない
俺は変態し空を飛び回っているが
お前等は相変わらず変態せずに
与えられた餌を食らっているからだ
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愛の詩パート1

2024-04-18 07:02:46 | オリジナル
共通テーマ「愛」でZが書いた詩を投稿します。姫リンゴの写真もZの撮影です。
 
お前に聞いて欲しいことが山ほどある
お前と二人だけで一日中話がしたい
お前の気持ちを聞きたいのではなく
俺の思いの丈をお前に聞いて欲しいのだ
俺が話ができるうちに 
 
お前のためならと心に決めている連中は
程なく鬼籍に入ってしまう
そうなる前にお願いだから
どうか 俺の話を聞いてくれ 
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自転の詩パート2

2024-04-17 20:31:18 | オリジナル

共通テーマ「自転」でZが書いた詩を投稿します。フデリンドウの写真もZの撮影です。

ターンオーバー 

 

山道整備ボランティア終わりの間際

「よくできましたね」と
腕組みをしたボランティアの年寄りに言われた
かつて世間体を憚っていた頃の俺なら
「いや たいしたことありませんよ」と返したろうが
その時 老いた我が頭は我慢より素直を選択した
そう 俺はターンオーバーしたのだ
 
マウント行為などされてたまるか!
俺は「よくできました」など聞きたくないのだ!
俺は その年寄りのボランティアに
「そんな所に突っ立っていないで 少しは手伝ってくれよ」と
震える声で怒鳴ってやった
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雑草の詩パート1

2024-04-15 03:30:39 | オリジナル

共通テーマ「雑草」でAが書いた詩を投稿します。

草かんむりの日々

 

外出を極力控えて胸苦しくなると

近所のハイキングコースを歩いた

時折すれ違う人とは道の端と端で

マスクの下から挨拶

しばしば立ち止まって

雑草図鑑、山菜図鑑を調べた

 

あの疫病のおかげで

有毒植物を識別できるようになり

いくつかの山菜の食べ方を知り

似たような黄色い小花をつける雑草を

見分けられるようになった

庭の草を抜く前に

その名を呼んでやるようになった

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NHK全国俳句大会入選句

2024-04-12 22:27:17 | 文学

湘南句会から第25回NHK全国俳句大会入選者が出ました!

 たんぽぽや回つて飛んで白きチュチュ

昨年題詠の「平」でたくさん作り合いましたが、Sの入選句は自由題でした。

第26回の題「出」でも、みんなで作ってみたいと思います。

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