湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

落書の詩パート2

2020-02-29 11:06:03 | オリジナル
共通テーマ「落書」でAが書いた詩を投稿します。

日々

鍋の中に次第に美味くなる渦がある
騒々しく脳をくすぐる匂いを立てる
装えば第六第七第八の感覚も刺激する
そんな日々の糧と同じで
わたしたちには何の主義主張もない
新鮮な麻痺した心で日々醸す言葉

歳末に大安売りされて
ごみ箱に投げ入れられる
としても
空の美しい落書が
風にかき消え
闇と同化する前に
日々

ほら 狂気に囚われた風が
雲の稜線を吹き飛ばす
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流行るの詩パート1

2020-02-28 01:02:46 | オリジナル
新しい共通テーマ「流行る」でEが書いた詩を投稿します。

大流行

NHKのEテレ「断崖に生きる」
カモシカの幼児をキツネが追う
切岸はカモシカの持ち場
幼な児はまんまと逃げおおせる
キツネの思いらく
ーー連中もいつもいつも幸運とは限らぬ
  そのうちきっと足をくじく

自然界に老齢や病弱は皆無
みながみな 青春と健康にあふれる
天国と見まがう自然界の幸運
の実態は若ものか強壮なものしか
生存できない過酷

大流行の恐怖
ウイルス・コロナは老人と病弱者をおそう
ウイルスのえじきになるほど それほど
足なえであふれる人間界
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落書の詩パート1

2020-02-27 22:00:59 | オリジナル
新しい共通テーマ「落書」でEが書いた詩を投稿します。

落書 美をそこなうもの

ハンムラビ法典は
簡にして要をえている
曰く 目には目を歯には歯を  
誤解のおそれはない
こちたき法務官も不要

ビルの壁面ガードの橋脚
力を誇示したい幼児が
キャンバス代りにスプレーを振う
曲線はくねり見かけは壮大だが
無様で意味をなさない

ハンムラビのひそみに習えば
いかなる対処がふさわしいか
文字通り手つかずの白紙(タブラ・ターサ)である脳の
その容器の真正面に
同じスプレーでほりこむ
それしかあるまい

問題はだれがそれをするかである
ーー権力 ハンムラビ級の
権力と無縁の秩序が
どこかにかくれていないか
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湘南句会次の予定

2020-02-26 19:11:06 | 文学
今日は36本の投句からそれぞれ選句しました。
兼題「蘖(ひこばえ)」で点を集めた作品から一句ご紹介。
ひこばえはひこばえとして天を指す

来月の湘南句会は3月25日(水)15:00~@逗子市民交流センター1階。見学歓迎!
兼題は「チューリップ」「朧月」です。
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湘南文芸次の予定

2020-02-24 19:05:09 | 
今日の湘南文芸月例合評会で、次のことを決めました。
新しい共通テーマ…落書、流行る
3月の合評会…3月20日(金・春分の日)14:00~@逗子市民交流センター1階 見学歓迎
「落書」「流行る」又は自由題作品提出締切…3月17日(火)

2月のテーマは難しかったとの声が上がりました。3月のテーマはどうでしょうか。
また新しい詩が生まれるのを楽しみにしています。
よろしくお願いします。
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猫の詩

2020-02-22 22:09:59 | 
今日は猫の日。しかも2020年だし令和2年だし、2(ニャン)が例年の猫の日の倍!
ということで、猫が出てくる名作現代詩をどうぞ。

ねこぼね  小池昌代

 猫を撫でてみた。すると、毛ではなく、肉でもなく、骨のかたちがてのひらへ残る。
 あったかいくぼみやでっぱり。その、でこぼこ。あ、これが猫。こぼれそうなしなやかな、これが、とくべつのさびしさか。
 骨と骨をやわらかくつないで、いきものよ。
 私はてのひらをひっくりかえす。
 それから(おやすみ)とねこぼねへいう。ちいさな声で、(届くかしら)
 すると、きしむような音がして、夜に、ちいさく、鍵がかかる。


羅漢  山本沖子

裏通りの洗濯屋の戸口に、苔むした大きな石がひとつ置いてある。
羅漢に似たその石に眼がひとつだけ彫ってある。

夾竹桃の赤い花が雨にぬれて石の眼にはりついている。
洗濯屋の二匹の猫が石のそばで寝そべっている。

落しものの消しゴムや三角定規、おはじきや髪どめが石の頭の上にのせてある。

ある朝、石の眼の上に、白い蛾がじっと、とまっていた。
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大・小の詩パート4

2020-02-21 23:03:12 | オリジナル
共通テーマ「大・小」でSが書いた詩を投稿します。

虹と男と女の乳房

ややこしい追憶です
わけがわかりません
手をふればありきたりの
風景になってしまうでしょう
大きいとか小さいとか
うんざりして考えるのをやめました

わたしの
大きな男 my man
わたしになんの利益をもたらさなかった
ああわたしの男
彼は棺を用意するまえに
無音の絵のように消えたのです
虹がまだ出ているのに
いいえそうじゃないあり得ない
わたしの乳房がまだ消えないというのに
男はオブジェなのでしょうか
わけがわかりません
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屈・伸の詩パート5

2020-02-20 13:40:35 | オリジナル
共通テーマ「屈・伸」でZが書いた詩を投稿します。写真もZの撮影。神武寺のキソケイです。

屈伸

足下(ソッカ)を見ろと 教えられ 
腰を屈めて 見るには見たが 
ボケたマナコで見えたのは どうでもよい事ばかり 
あまりに腰が痛くなり 
ソッカを見ろとの教訓を 空の彼方に放りやり 
腰を伸ばして空を見た 
勿論何も見えないが 
息をするのが楽になり 
この姿勢なら暮らして行けると 密かに思い 
春一番に吹かれてみよう 
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徳冨健次郎の碑

2020-02-18 23:22:05 | 三浦半島
湘南文芸メンバーさん、「大・小」「屈・伸」(又は自由題)の詩の最終締切は今週金曜日21日です。
さて、昨日出題した逗子湾西側の海中に建つ石碑は誰の記念碑?クイズの答えと解説を発表します。

正解:徳冨健次郎
〈解説〉
陸からは「不如帰」の文字が見えますが、反対側には「徳冨健次郎之碑」と彫られ、実はこちらが正面。健次郎は蘆花の本名。
石碑の文字は蘆花の兄、徳富蘇峰によるものです。
徳富健次郎の碑は、小説「不如帰」とその作者徳富蘆花(1868~1927年)を顕彰し、町制20周年を記念して昭和8年(1933年)に建てられました。
礎石の下には蘆花愛用の筆と硯が収められています。
使われている石はもともと江戸城の石垣用で、佐賀鍋島藩が伊豆の石を船で運ぶ途中時化に遭い、海に落ちたものと伝えられています。

徳冨健次郎の碑と呼ぶ人はおらず、不如帰の碑と呼ばれていますけどね。
解説文は、初稿校正ホヤホヤ、来月発行予定の「知っ得ずしQ&A」54ページより引用しました。
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「知っ得ずし」文学問題

2020-02-17 22:30:15 | 日記
今日は一日中強風~。風の音を聞きながら来月発行予定「知っ得ずしQ&A」の初稿校正をしました。

写っている見開きゲラの扉にあるように、逗子市の市民協働事業で回廊と名付けた市内散策コースごとの章立てになっています。
では「逗子海岸回廊」の章から問題です。
現在高養寺(新宿5丁目)があるところは、明治時代の小説「不如帰」のヒロインの名を冠し「浪子不動」と呼ばれています。その前の海中に建つ石碑は誰の碑でしょう。
正解と解説は後日アップします。
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