湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

修行俳句

2021-06-29 23:26:24 | 文学
今月の湘南句会のもうひとつの兼題は「修行」でした。点の入った句をご紹介します。

行として初等幾何解く青葉かげ
修行僧のごとき蝸牛の歩みかな
山門の青葉を出でて修行僧

来月の句会は7月22日(木)15:00~。
兼題は「行水」「幽霊」です。
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毒の詩パート3

2021-06-27 16:45:53 | オリジナル
共通テーマ「毒」でEが書いた詩を投稿します。

毒素

本を読んでいる
例えばスティグリッツの経済学
すぐ疲れてしまう
脳がもう休もうよとすぐ言いだす
小説の類いならどうだろう
同じか ならば重症

読書に使うは頭だけのようだが
椅子に坐り 机に向い 姿勢を正す
それだけでかなりの体力
体力の低下が脳にもひびく

頭がおとろえ体力が目減り
その上疲労の回復が
めっきり遅くなっている
老いるとは毒素の瀰漫
症状の多様あきれるばかり

よしとする瞬間は
どんどんすりへってゆく
ほどなく毒素があふれ
ゼロになる
もどそうにも ラチェットが働き
もどらない
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毒の詩パート2

2021-06-26 01:00:06 | オリジナル
共通テーマ「毒」でAが書いた詩を投稿します。

小石の発する微かな毒

急に灯りが点くように
体全部でする笑いを
人は何歳で失くすのか

小馬鹿笑いを浮かべて
墨絵さんがしゃべる噂話
愛想笑いでわたしが打つ相槌

耳にまた石を投げ込まれ
またまたわたしが頷くと
石たちは嫌な音を立てて
頭の中に弱い毒を撒いて
転がって摩滅していく
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夏服俳句

2021-06-25 06:52:31 | 文学
今月の湘南句会の兼題夏の服全般で複数の点が入った作品を紹介します。

床広く使ひて浴衣袖畳み
初めての揃いのアロハ老二人
夏服や肩にほくろの三つあり
刈り終えし庭木に干したるランニング
ユニクロの同じTシャツすれ違ふ
自転車のシャツ膨らます夏の風
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返すの詩パート1

2021-06-25 06:04:01 | オリジナル
共通テーマ「返す」でEが書いた詩を投稿します。

ヤリカエス

下校時
小学生のグループが帰ってくる
後ろから気の弱そうなのが一人
追いこそうとする と
悪童どもの手がのびる
 コラ!ヤルナラ一対一でヤレ!
対決終って慰める
 イタカッタカイ
 今日ハゴメンヨ
 デモ ヤラレタラ
 ナンドデモ ヤリカエセ
 負ケタッテイイジャナイカ
 君 勉強デキルンダロー
 ソノ上ニ 一目オカレルゾ
 鬼ニ金棒ジャナイカ

後年 彼は
 オレハヤッタ
と自信を深める
それを深く深く祈る
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茅ヶ崎独歩会HP

2021-06-24 18:01:44 | 文学

国木田独歩没後110周年を記念して、茅ヶ崎独歩会ホームページ「独歩と茅ヶ崎」doppochigasaki.comが、独歩の命日にあたる昨日開設されました。
独歩が茅ヶ崎で最期を迎えた前後のことが、分かりやすくまとめてあります。
当ブログで21・22日に取り上げた南湖院についても、詳しく紹介されていますよ。
興味がある人は是非、訪問してみてください。
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毒の詩パート1

2021-06-23 01:00:00 | オリジナル
新しい共通テーマ「毒」でTが書いた詩を投稿します。

入院

10日間の入院を言い渡され 5日目
外を見ると
つゆの晴れ間の空に
薄墨色の雲が現れ始めている
ここに来てから1度も外気に触れていない
暑いなら暑い空気の中に身を置きたい

店に並べられている数えきれない食品
最近知り合った人の私への執着
見ようとすれば流れ込んでくる膨大な情報
それらはみな毒だ

毒に浸かっていた身を引き揚げて
単純な時間の中に晒している
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南湖院第三病舎

2021-06-22 18:26:15 | 湘南
独歩が永眠した南湖院第三病舎が建っていた場所は現在、茅ヶ崎西浜高校になっています。
南湖院を訪れた翌日、タイミングよくBS朝日で放送された「百年名家」に在りし日の姿が。

現存する第一病舎と同じく、白く塗られた下見板張ですね。
番組によると、最盛期の昭和10年頃には5万坪の敷地に60棟の建物があったそうです。さすが、東洋一のサナトリウム。
サナトリウムだった時の門柱と石垣、藤棚と丸池などを「南湖院記念 太陽の郷庭園」で、今も見ることができます。


南湖院には独歩を見舞って田山花袋など多くの作家が訪れ、近くの茅ヶ崎館に滞在。
独歩が亡くなった時は、酔った作家たちの喧嘩沙汰が茅ヶ崎館で繰り広げられたとか、られなかったとか。

茅ヶ崎館についてはまた後日。
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南湖院

2021-06-21 23:43:19 | 湘南
一昨日の独歩献花式の後、独歩が入院していた南湖院跡を見学させてもらいました。

独歩がいた第三病舎は現存しませんが、第一病舎とその土地が2015年に茅ヶ崎市へ寄贈され、現在「南湖院記念 太陽の郷庭園」として一般公開されています。
 第一病舎
広大な敷地に広い庭をとってある配置は、結核感染予防のためのディスタンス確保の目的だったようです。
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国木田独歩献花式

2021-06-19 23:25:24 | 文学
国木田独歩が茅ヶ崎で亡くなった6月23日に先立ち、茅ヶ崎公園の国木田独歩追憶碑前で、茅ヶ崎独歩会が献花式を行いました。

独歩永眠時や葬儀の日は雨降りで、献花式にも必ず雨が降るのだとか。

茅ヶ崎公園の独歩碑には、独歩が残した次のような一節が彫られています。
     
 永劫の海に落ちてゆく
 世世代代の人の流れが
 僕の前に横たはって居る

 碑の近くの説明板
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