湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

プレバト雛祭句

2019-02-28 21:20:06 | 文学
今日オンエアされたプレバト!!の兼題はひな祭り。明日から弥生ですからね。

永世名人への道で一つ前進した名人10段梅沢富美男作品 紙雛のにぎやか島の駐在所
これもさすがの出来栄えでしたが、才能アリ2位のパックン作品 ハイパーインフレボリバル札の紙雛 にはびっくりしました。
それぞれ飛ばし方が見事ですよね!
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詩「雪」

2019-02-27 12:26:33 | オリジナル
Eが自由題で書いた詩を投稿します。



「南関東地方 昼前には
 雪になるでしょう」
ラジオが告げている
間もなく 雪片が
いやいやをするように舞い降りる

雪でありうるのは
着地するまでのこと
舞子たちは地にとけこみ
庭木に吸い上げられ
蒸散して再び雪となる
生命の出現以前から
あかずにくりかえしてきた習い

生き物は命の喜びをえた代償に
安逸を失ってしまった
否? 否
命はほんのちょっとした寄り道
大循環にもどってゆくまでの
ささいな気まぐれ

君よ いつまでも
失われた命を悲しむでない
むしろ 安逸の祝祷に
転じ給い…な
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詩「わたしの調理法」

2019-02-26 19:00:08 | オリジナル
Aが自由題で書いた詩を投稿します。

わたしの調理法

2LDKを用意し沸かします
はみ出さないように
広げほぐしながら押し込みます
浮いてきたらタイマーが動き出します
気長にかきまわします
吹きこぼれたら指図を投入してください
硬めのわたしは十三年
柔らかめのわたしは十六年で茹で上がり
火を止め蓋をして十年ほど蒸らします
それから有無を言わさずざるに上げ
すばやく冷たい水に晒し
大量の流水で揉み洗いして
ぬめった自己主張を取り去ります
更に氷水で冷やせば大人しくなります
つゆと薬味をあてがい
次の2LDKへ移します

※ご注意
水質により茹で上がりの時間が変わります
茹で時間または蒸らし時間が少なかったとき
湯量が足りなかったり多すぎたりしたとき
沸騰する前に入れてしまったときには
仕上がりに塩気が残ります 
硬さを確認するときは舌をやけどしないよう
一度冷水を浴びせてから噛んでください
本品は保存剤を使用しておりません
家に穴があいた場合変質することがあります
そのような場合の苦情は一切受け付けません
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詩「シーしずかに」

2019-02-25 18:59:24 | オリジナル
Eが自由題で書いた詩を投稿します。

シー しずかに

人は人になる前 みな
なにものかだった
ある人はシイタケ
木もれ日のさす林
シイかクヌギのボタ木にすわっている
そのときが一番幸せ

私? 私は犬でも猫でも
ましてカエルや魚ではない
火口から遠くはなれた
どこか 深い森
何億年か前の噴火で
飛ばされて来た岩石

日夜 風雨にさらされ
コケも草も生えない
何年もすわったままなのに
少しも磨滅していない
無骨に熔岩が冷えたまま
 じゃお前は石ころか

私は火山岩が今見ている夢
何年かに一度
道にまよった登山者が
そばを通る 中には
大声で弁当を使ったり
ピッケルでたたく無礼者

オーイ だれか連中に
少ししずかにせいと言ってくれ
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春の雪俳句&次の湘南句会

2019-02-24 00:00:46 | 文学
一昨日の湘南句会で最高得点をとったのは、下記の春の雪で詠まれた2句でした。今回は見学者の方からも1点投じてもらいました。
 雪は天からの手紙
手に受けてまだ読まぬ間に春の雪
透明な傘に溶けこむ春吹雪

最初の句に雪の研究で知られる中谷宇吉郎先生の言葉が付いているのは、前日のプレバトでやっていた前書きを真似した訳でありませんよ。

来月の湘南句会は3月20日(水)15:00~@逗子市民交流センター1階市民活動スペース。
兼題は卒業 朧月です。
今月見学に来てくださった皆さん、また見学か飛び入り参加しに来てくださいね
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逗子で途中下車&底の詩パート1

2019-02-23 16:41:56 | オリジナル
今朝オンエアの「ぶらり途中下車の旅・横須賀線」に逗子が登場。

テロップに付いているマークが!?からに変わってる~!!
では、共通テーマ「底」でTが書いた詩を投稿します。

穴の底

南風に向かって走っていた
一面のしろつめくさ
あの子達はもういない

突然
暗くなった
穴 落とし穴だ
枯草が厚くしかれていた
ムッとした土のにおい
見上げると
空のふた
一人では上がれない
穴の底でひざをかかえた
家に帰れない
不安でいっぱいになった穴
泣かないと決めた

あの子達が戻って来た
「だいじょ~ぶ?」
誰かの声がして
はしごが下ろされた
右手をぶらんとして
ゆっくり上がっていく
「腕が折れた」
あの子達はびっくりして
後ろに下がった
わたしの小さな復讐

今では
わたししか知らない
5月のできごと
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書き下ろし句集「凍天」

2019-02-22 09:58:33 | 文学
Mさんから、ご友人のお父様の句集をお借りしました。

題字は岡本太郎の揮毫。作者は画家だったので、その関係でしょうか。絵にとどまらず文章にも長け、地元山形の同人誌に発表した小説で芥川賞を受賞した作家でもありました。
その芸術的センスと創作への情熱で、1985年1~4月に集中して詠んだ俳句から自選したものを収めたのがこの句集。
そんな句集の編み方ができるのか!と、驚きつつ読ませていただきました。
Mさんが特に気に入った句が栞に印刷されていたので、それをご紹介します。
寒たまご割りて何かがせきあぐる
街の落葉なぜに屋台へ掃きよせる
ゴッホ至福春秋の黄に錯乱す
鶏頭の首のあたりを憎みけり
蜥蜴鳴く深夜頭蓋の闇の底
空の色まといて秋の蛇しずか
春木樵斧研ぎいたる瞳と逢いぬ
眼がやさし山男みな日焼けして
吸いさしを焚火に捨てて女去る
凍原の渚鴉は振り向かぬ
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椿の名句

2019-02-20 23:22:16 | 文学
昨日の初級俳句講座で鑑賞した「椿」の句をいくつかご紹介します。

肘の黄は椿をくぐり来しゆゑか 加藤楸邨
寒椿棺の角がてのひらに 小檜山繁子
落椿玉の如くに弾けたり 岸本尚毅
座布団に椿ぽとりと母の留守 野澤節子
画展出て点描の森落椿 桂信子
白椿掃けば漂ふ躯かな 柴田千晶

落椿を詠んだものが多いですね。
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春の闇俳句

2019-02-19 17:52:57 | 文学

季語「春の闇」でひねってみました。
かさぶたをはがせば春の闇流る
目かくしの手の匂ひする春の闇
春の闇蒲公英密葬店灯る

「蒲公英密葬店」は、横須賀に実在する葬儀店の名前です。
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詩「線を引く」

2019-02-18 01:02:34 | オリジナル
Eが自由題で書いた詩を投稿します。

線を引く

何ものかであったものが
何ものでもなくなる
そのいたみに耐えるには
せめて 何ものかを
後に残すしかない
それは何であってもいいのだ
その人の等身大であれば
功名であっても
いわゆる金銭であってもかまわない

なにもなければ
渾身の力をこめて
地上に線を引く

不幸 行路の半ばで
力尽きれば
そこに片ひざをつけばいい
ボードはしずかにしなって
宙空に押し出す
それしきのことは
セミですら夏ごとにくりかえす
あとは重力が働く
だから最後の力をふりしぼって

一本の線を引く
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